バドミントンのガット選びで、多くのプレイヤーが迷うのが「ナノジー95」と「ナノジー98」の選択です。どちらもヨネックスの人気シリーズですが、耐久性と反発性のどちらを優先するかによって、最適な選択肢は大きく変わります。長く使いたいけれど、シャトルの飛びも妥協したくないという悩みは、多くのプレイヤーが抱える共通の課題でしょう。
この記事では、ナノジー95と98のスペックを徹底的に比較し、打球感やコストパフォーマンスの違いを解説します。それぞれのガットがどのようなプレースタイルに向いているのか、具体的なメリット・デメリットを交えてご紹介します。この記事を読めば、あなたの現在の悩みや目標にぴったりのガットがどちらなのか、はっきりと分かるようになりますよ。
ナノジー95と98の比較!耐久性と反発性の基本スペック

ナノジーシリーズは、カーボンナノチューブを複合させたコーティングが特徴のガットです。まずは、95と98の基本的なスペックの違いを整理して、それぞれの立ち位置を確認してみましょう。この違いを理解することが、自分に合ったガット選びの第一歩となります。
ゲージの太さが生み出す性能の差
ナノジー95と98の最も大きな違いは、ガットの太さである「ゲージ」にあります。ナノジー95は0.69mmという標準的な太さを採用しており、しっかりとした打ち応えと高い耐久性を兼ね備えています。一方のナノジー98は0.66mmという細めのゲージとなっており、空気抵抗を抑えた鋭い振り抜きが可能です。
ゲージが太いほどガットは切れにくくなり、シャトルを捉えた時の衝撃を吸収しやすくなります。逆に細いガットは、シャトルとの接触面積が小さくなるため、反発力が強まりスピード感のあるショットを打ちやすくなるという特性があります。このわずか0.03mmの差が、コート上でのパフォーマンスに大きな影響を与えるのです。
一般的に、パワー重視で力強く打ち込みたいプレイヤーは太めの95を、スピードとテクニックで勝負したいプレイヤーは細めの98を好む傾向にあります。自分のプレーがどちらのスタイルに近いかを考えることが、選択の重要な基準になります。
CSカーボンナノチューブコーティングの役割
ナノジーシリーズの代名詞とも言えるのが「CSカーボンナノチューブ」を採用したコーティング技術です。これは、ガットの表面に強靭な素材を配合することで、摩擦による劣化を防ぎつつ、反発力を高めるという役割を果たしています。この技術により、耐久性と反発性という、本来は相反する要素の両立を目指しています。
ナノジー95の場合、このコーティングが太いゲージと組み合わさることで、圧倒的な耐久性を実現しています。ハードヒッターが力一杯スマッシュを打っても、ガットが伸びたり切れたりしにくい強さを持っています。そのため、練習量が多い学生プレイヤーなどにとっては、非常に頼もしい存在と言えるでしょう。
ナノジー98では、このコーティングが細いゲージの弱点である「切れやすさ」を補いつつ、さらに弾きの良さを引き出しています。細いガットは本来耐久性が低くなりがちですが、カーボンナノチューブの効果により、同等の太さの他のガットと比較しても優れた持ちの良さを発揮します。
基本スペック比較表
ここで、ナノジー95とナノジー98の主要な数値を比較表で見てみましょう。メーカー公表の数値を参考に、性能のバランスを可視化しました。自分の重視する項目がどちらで高く評価されているかをチェックしてみてください。
| 項目 | ナノジー95 (NBG95) | ナノジー98 (NBG98) |
|---|---|---|
| ゲージ(太さ) | 0.69mm | 0.66mm |
| 反発性 | 8 | 10 |
| 耐久性 | 10 | 7 |
| 打球感 | 中程度(ややソフト) | ミディアム |
| 主な特徴 | 耐久性とパワーのバランス | 鋭い弾きとスピード |
この表から分かる通り、耐久性を極めるならナノジー95、反発性を極めるならナノジー98という明確な棲み分けがなされています。どちらも高いレベルでまとまっていますが、特化している部分が異なるのがポイントです。
耐久性が魅力のナノジー95が選ばれる理由

ナノジー95は、発売以来多くのプレイヤーに愛されているロングセラー商品です。その最大の魅力は、なんといっても「切れにくさ」と「パワーの伝わりやすさ」にあります。特に力強いショットを武器にするプレイヤーにとって、なぜこのガットが最適なのかを詳しく見ていきましょう。
0.69mmの太さがもたらす圧倒的な安心感
ナノジー95の最大の強みは、その驚異的な耐久性にあります。バドミントンにおいてガットが切れる原因の多くは、打球時の摩擦や衝撃によるものです。0.69mmという絶妙な太さは、激しいラリーの中でもガットが摩耗しにくく、頻繁にガットを張り替える手間やコストを大幅に削減してくれます。
特に冬場などの乾燥した時期や、スマッシュを多用するハードヒッターにとって、ガットの耐久性は死活問題です。ナノジー95は、多少芯を外したショット(オフセンターショット)であっても、ガットが負けて切れてしまうことが少ないため、練習に集中できる環境を提供してくれます。
また、この太さは「打ち応え」にも直結します。細いガットでは感じにくい、シャトルをしっかりと面で捉えて押し出す感覚が得られるため、重みのあるスマッシュを打ちたい人には最適です。自分の力がダイレクトにシャトルに伝わっている実感を得やすいのが、95の大きな特徴です。
学生やハードヒッターに支持されるコスパの良さ
バドミントンを続けていく上で、ガット代と張り代は大きな出費となります。特に部活動で毎日練習する学生や、パワーのある社会人プレイヤーにとって、ナノジー95のコストパフォーマンスは非常に高い評価を得ています。1回張れば長く使えるため、結果として年間の維持費を抑えることが可能です。
「ガットがすぐ切れてしまうのが悩み」という人にとって、ナノジー95は第一候補になるでしょう。単に太いだけでなく、コーティング技術によって摩擦熱にも強いため、高速なラリーが続く現代のバドミントンにおいてもその強さを発揮します。
また、耐久性が高いということは、テンション(張りの強さ)が安定しやすいというメリットもあります。細いガットは伸びやすく、時間とともに緩みが目立ちやすい傾向がありますが、95は比較的安定した状態を長く維持してくれるため、常に一定の感覚でプレーしやすくなります。
マイルドな打球感とクリアの飛び
ナノジー95は、打球感がややマイルド(柔らかめ)に設定されています。これは、硬すぎるガットによる肘や肩への負担を軽減してくれる効果があります。長時間練習しても疲れにくく、初心者から上級者まで幅広い層に受け入れられる理由の一つです。
また、その柔らかさがシャトルを一度受け止めてから放つような感覚を生み、クリアの飛距離が伸びやすいという意見も多く聞かれます。力を入れすぎなくても奥までしっかりとシャトルを運ぶことができるため、体力の消耗を抑えたいプレイヤーにも向いています。
反発性数値は98に譲るものの、ガット全体の粘り強さがパワーを補ってくれるため、非力なプレイヤーであっても「飛ばしやすさ」を感じることができるはずです。守備から攻撃に転じる際の安定感も、このマイルドな打球感があればこそ実現できる性能と言えます。
ナノジー95は「切れない、飛ぶ、疲れない」という3拍子揃った、非常にバランスの良いガットです。迷ったらまずはここから始めるのが王道と言えるでしょう。
反発性の鋭さが光るナノジー98のメリット

スピード感溢れる展開や、キレのあるショットを求めるなら、ナノジー98が最適なパートナーになります。0.66mmという細ゲージがもたらす独特の感覚は、一度味わうと病みつきになるプレイヤーも少なくありません。ここでは、反発性を重視する人がなぜ98を選ぶのか、その秘密に迫ります。
最高クラスの反発力でシャトルを弾き飛ばす
ナノジー98の最大の特徴は、ヨネックスのラインナップの中でもトップクラスを誇る高い反発性能です。シャトルがガットに触れた瞬間に、パチンと弾き返すようなスピード感があります。これにより、レシーブの場面でもコンパクトな振りで相手の奥までシャトルを押し戻すことが可能になります。
この弾きの良さは、特にドライブやプッシュといった前中陣での素早い展開で真価を発揮します。わずかなタッチでシャトルにスピードが乗るため、相手の反応を遅らせるような鋭い攻撃を仕掛けやすくなります。ダブルスのプレイヤーで、スピード勝負を好む方には特におすすめです。
また、軽い力でシャトルが飛んでいくため、手首の返しだけでコントロールするショットも容易になります。テクニカルなプレーを身上とするプレイヤーにとって、自分の意図したスピードを瞬時に生み出してくれるナノジー98は、頼もしい武器となります。
高音で爽快な打球音の魅力
バドミントンのモチベーションを高める要素の一つに「打球音」があります。ナノジー98は、細いゲージ特有の高く澄んだ打球音が特徴です。芯で捉えた時の「カーン!」という突き抜けるような音は、打っている本人だけでなく、周囲にもそのショットの威力を印象付けます。
良い音が鳴るガットは、正しいフォームでシャトルを捉えられているかどうかのバロメーターにもなります。ナノジー98を使うことで、より正確なインパクトを意識するようになり、技術の向上に繋がるという副次的効果も期待できるでしょう。
打球音が良いと、心理的にもリズミカルにプレーでき、集中力が高まります。逆に、こもったような音を嫌うプレイヤーにとって、98のクリアなサウンドは非常に魅力的なポイントです。音にこだわりたい方は、ぜひ一度この快感を体験してみてください。
細ゲージながらも確保された一定の耐久性
「細いガットはすぐに切れるから不安」と考える方も多いでしょう。しかし、ナノジー98はカーボンナノチューブコーティングのおかげで、同じ0.66mmクラスのガットの中では比較的高い耐久性を維持しています。単に細いだけのガットとは一線を画す「強さ」がそこにはあります。
もちろん、0.69mmのナノジー95に比べれば寿命は短いですが、一般的な細ゲージガットにありがちな「数回打っただけで切れる」といった極端な弱点はありません。反発性能を追求しつつも、ある程度の練習量に耐えうる強度を確保している点が、98が長く支持される理由です。
試合で最高のパフォーマンスを発揮したいけれど、練習のたびに張り替えるのは避けたい。そんな贅沢な悩みに応えてくれるのがナノジー98です。性能と寿命のバランスが非常に高次元で取れており、競技志向のプレイヤーでも安心して使用できます。
ナノジー98のここがポイント!
・圧倒的な弾きでシャトルスピードがアップする
・高く爽快な打球音でプレーの質が向上する
・細いのに切れにくい、驚きのテクノロジー
プレースタイル別に見るナノジー95と98の使い分け

スペックや特徴が分かったところで、次は「具体的に自分にはどちらが合っているのか」を判断するための基準をご紹介します。プレースタイルや目的によって、ナノジー95と98のどちらが有利に働くかは異なります。以下のパターンを参考に、自分のスタイルを当てはめてみてください。
パワー重視・ハードヒッターならナノジー95
力強いスマッシュで相手を圧倒したい、パワー重視のプレイヤーには「ナノジー95」が適しています。重いシャトルを力強く叩き込む際に、ガットの太さがしっかりとパワーを受け止めてくれます。細いガットにありがちな「打球が軽くなる感覚」を防ぎ、威力のあるショットを実現します。
また、シングルのプレイヤーで、スタミナを温存しながらクリアやロブでじっくりとコースを突く展開を好む場合も、95の安定感が武器になります。球持ちが良いため、コントロールミスを減らし、安定したラリーを組み立てることが可能です。
さらに、1回の練習で数百球以上のスマッシュを打つような練習強度の高い方にとっても、95以外の選択肢は考えにくいほどです。ガットの消耗を気にせず、自分の全力をシャトルにぶつけられる安心感は何物にも代えがたいメリットとなります。
スピード重視・ダブルスプレイヤーならナノジー98
前陣での素早いラケットワークが求められるダブルスプレイヤーには「ナノジー98」がおすすめです。特にレシーブからのカウンターや、ドライブの応酬において、98の反発力は大きなアドバンテージとなります。相手の強打を弾き返すスピードが速いため、展開を優位に進めやすくなります。
また、女性プレイヤーやジュニアプレイヤーで、腕の力だけではシャトルを遠くへ飛ばすのが難しいと感じている方にも98は有効です。ガットの弾きが助けとなってくれるため、無理な力を入れずに遠くへ飛ばすことができ、フォームの崩れを防ぐことにも繋がります。
技術を重視し、ヘアピンやネット前での繊細なタッチを大切にする方にとっても、98のシャープな打球感は操作性を高めてくれます。指先の感覚がシャトルに伝わりやすいため、ネットギリギリの攻防で自信を持ってラケットを出すことができるでしょう。
コストパフォーマンスと性能の妥協点を見極める
どちらを選ぶかの最終的な判断基準として「張り替え頻度」も考慮する必要があります。どんなに性能が気に入っていても、1週間に一度切れてしまうようでは経済的な負担が大きすぎます。自分の練習頻度と予算に合わせて、現実的な選択をすることが大切です。
例えば、試合期だけはパフォーマンスを最大限に引き出すためにナノジー98を使い、普段の練習用ラケットには耐久性の高いナノジー95を張るという「使い分け」も一つの賢い方法です。これにより、コストを抑えつつ重要な場面で最高の性能を引き出すことができます。
また、2本のラケットを持っているなら、それぞれに95と98を張って、その日の体調やコートのコンディション(シャトルの飛びやすさ)によって使い分けるのも上級者らしい工夫です。自分のスタイルが確立されるまでは、両方を試して感覚の違いを肌で感じるのも良い経験になります。
長く使うためのガット選びとテンションの調整

ガットの種類を決めた後、次に重要になるのが「テンション(張力)」の設定です。同じナノジー95や98でも、何ポンドで張るかによってその特性は劇的に変化します。ガットの寿命を延ばしつつ、性能をフルに引き出すための設定のコツを解説します。
適正テンションを見極めてガットの寿命を延ばす
ガットの耐久性は、テンションの設定に大きく左右されます。一般的にテンションを高く(硬く)張るほど、ガットは常に強いストレスがかかった状態になり、切れやすくなります。逆に低めに張ることで、ガットに「遊び」ができ、衝撃を分散しやすくなるため寿命が延びます。
ナノジー95の場合、もともと耐久性が高いため、24ポンド以上のやや高めの設定でも十分に長持ちします。しかし、ナノジー98を同じように高く張ると、細さゆえに寿命が極端に短くなる恐れがあります。98を使う場合は、まずは自分の基準より1〜2ポンド下げて様子を見るのが賢明です。
テンションが低すぎるとシャトルを掴みすぎてしまい、コントロールが難しくなることもあります。まずはメーカー推奨のテンション範囲を確認し、その中で自分の打ちやすさとガットの持ちのバランスが取れる「黄金比」を見つけ出すことが重要です。
季節や環境に合わせた使い分けのテクニック
バドミントンのガットは、温度や湿度によってもその状態が変化します。特に冬場はガットが硬くなりやすく、少しの衝撃でも「パキン」と切れてしまうことが増えます。冬の時期には、耐久性のあるナノジー95に切り替えるか、ナノジー98のテンションを少し下げて張るなどの工夫が効果的です。
逆に夏場は、ガットが伸びやすく打球感がボヤけやすいため、反発性の高いナノジー98をいつも通りのテンションで張ることで、シャープな感覚を維持しやすくなります。このように季節に応じて戦略的にガットや設定を変えることで、年間を通じて安定したプレーが可能になります。
また、標高の高い地域や乾燥した体育館など、環境によってもシャトルの飛びは変わります。常に同じ条件で打てるとは限らないため、自分の使用しているガットがどのような環境でどう変化するかを知っておくと、試合当日の微調整にも役立ちます。
定期的なメンテナンスで最高の状態をキープ
ガットは「切れていないから大丈夫」というわけではありません。一度張った瞬間から劣化は始まっており、時間の経過とともにテンションが落ちて性能が低下していきます。目安として、週に2〜3回の練習であれば、3ヶ月に一度は張り替えるのが理想的です。
特にナノジー95のような耐久性の高いガットは、なかなか切れないため半年以上使い続けてしまう人もいますが、それでは本来の反発力や打球感は失われています。劣化したガットを使い続けることは、変な癖がつく原因にもなりかねません。定期的に張り替えることで、常にナノジー本来の性能を享受できます。
張り替える際には、グロメット(ガットを通す穴にある保護パーツ)の状態も確認しましょう。グロメットが潰れていると、ガットに傷がつきやすくなり、せっかくのナノジー95でもすぐに切れてしまうことがあります。細かいメンテナンスの積み重ねが、結果としてガットの寿命と性能を支えることになります。
ガットの性能を100%引き出すには、自分に合ったテンション選びが欠かせません。数字にこだわらず、自分の「心地よさ」を基準に選んでみてください。
ナノジー95・98の比較と耐久性・反発性まとめ
バドミントンのパフォーマンスを支える重要な要素であるガット。今回比較したナノジー95とナノジー98は、どちらも非常に優れた製品ですが、その個性ははっきりと分かれています。自分のプレースタイルや優先順位を整理して、最適な1本を選んでください。
ナノジー95は、0.69mmの太さが生み出す圧倒的な耐久性と力強いパワーが魅力です。ガット代を抑えたい学生や、力いっぱいのスマッシュで勝負したいハードヒッターに最適です。マイルドな打球感で体への負担も少なく、幅広いプレイヤーに安心感を提供してくれます。
対してナノジー98は、0.66mmの細さによる鋭い反発性と高い打球音が最大の特徴です。スピード感溢れるダブルスの展開や、テクニカルなショットを極めたいプレイヤーに向いています。細ゲージながらカーボンナノチューブの力である程度の耐久性も確保されており、実戦的な性能を求める方に支持されています。
どちらにしようか決めかねている方は、まずは耐久性に優れた「ナノジー95」から試してみるのが安心です。そこで「もっと弾きが欲しい」「スピードを上げたい」と感じたら、次の張り替えで「ナノジー98」に挑戦してみてください。実際にコートで打ってみることで、自分にとっての理想的なバランスが必ず見つかるはずです。
バドミントンにおいてガット選びは、上達のための楽しみの一つでもあります。ナノジー95と98、それぞれの個性を味方につけて、より楽しく、より力強いプレーを目指していきましょう。




