バドミントンのラケットを自分好みの握り心地にカスタマイズするために、アンダーラップの巻き方や太さ調整のコツをマスターすることは非常に重要です。グリップが手にフィットしていないと、ショットの精度が落ちるだけでなく、手首の疲れや怪我の原因にもなりかねません。
この記事では、アンダーラップを使って自分にぴったりの太さを作る具体的なテクニックを詳しく解説します。素材の選び方から、プレースタイルに合わせた巻き方の工夫まで、初心者の方にも分かりやすくお伝えしますので、ぜひ最後まで読んで参考にしてください。
アンダーラップの巻き方と太さ調整のコツ:基本を知って操作性を高める

アンダーラップは、ラケットの木製ハンドル(元グリップの下)とオーバーグリップの間に巻くスポンジ状のテープです。これを使う最大の目的は、握り心地の微調整にあります。まずは、なぜこのひと手間がプレーに大きな影響を与えるのかを理解しましょう。
アンダーラップがバドミントンにおいて重要な理由
バドミントンのラケットは、購入時の状態ではグリップの太さが決まっていますが、手の大きさや筋力は人それぞれ異なります。アンダーラップを使用することで、既製品のサイズを自分専用の太さに変更できるのです。
また、アンダーラップには優れたクッション性と衝撃吸収性があります。激しいスマッシュを打った際の衝撃を和らげ、手首や肘への負担を軽減してくれるため、長時間の練習でも疲れにくくなるというメリットがあります。
さらに、木製のハンドルに直接汗が染み込むのを防ぐ役割も果たします。ハンドルが湿気で劣化するのを防ぎ、ラケットを長持ちさせるためにも、アンダーラップを正しく巻くことは欠かせない工程と言えます。
太さ調整がショットの精度に与えるメリット
グリップの太さを調整することで、ラケットの操作性が劇的に向上します。例えば、グリップを細めに設定すると、指先での細かい操作がしやすくなり、繊細なヘアピンや素早いラケットワークが可能になります。
反対に、グリップを太めに設定すると、手全体でしっかりと握り込めるようになります。これにより、スマッシュなどのパワーショットを打つ際に力が伝わりやすくなり、打球の威力を高めることができるのです。
自分にとって最適な太さを見つけることは、「指先で操る繊細さ」と「力強いスイング」の両立に繋がります。アンダーラップを使いこなすことで、自分のプレースタイルを最大限に引き出すグリップを作り上げることができます。
初心者でも失敗しないための準備と心構え
初めてアンダーラップを巻く際は、焦らず丁寧に行うことが成功のポイントです。まずは、現在巻いてあるオーバーグリップを剥がし、ハンドルの汚れや古い粘着剤をきれいに拭き取りましょう。
アンダーラップ自体には粘着力がほとんどないため、巻き始めをどう固定するかが重要になります。最初は少し難しく感じるかもしれませんが、何度か練習すれば誰でもきれいに巻けるようになります。
完璧な太さを一回で決めようとせず、
というスタンスで取り組んでください。自分だけの黄金比を見つけるプロセスも、バドミントンの楽しみの一つです。
実践!アンダーラップの正しい巻き方とステップ

それでは、具体的なアンダーラップの巻き方について解説していきます。基本を押さえることで、使用中にズレたり緩んだりしない、安定した土台を作ることができます。
元グリップを剥がすかどうかの判断基準
ラケットを買ったときに最初から巻いてある「元グリップ(リプレイスメントグリップ)」を剥がすかどうかは、多くのプレーヤーが悩むポイントです。結論から言うと、細いグリップを好むなら剥がすべきです。
元グリップは厚みがあるため、その上からアンダーラップを巻くと、どうしてもグリップ全体が太くなってしまいます。特にジュニア選手や女性など、手が小さい方の場合は、元グリップを一度剥がしてから、アンダーラップで厚みを再構築するのが一般的です。
逆に、手が大きくて今のラケットが細すぎると感じる場合は、元グリップを剥がさずにそのままアンダーラップを重ねて巻くことで、手軽にボリュームアップを図ることができます。
巻き始めから巻き終わりまでの基本手順
まず、ハンドルの底(グリップエンド)から巻き始めます。アンダーラップの端をハンドルの角に合わせて、一周目は重なるようにしっかりと巻きつけます。粘着力がないので、左手で端を押さえながら右手を動かすのがコツです。
そこから少しずつ角度をつけながら、ヘッドの方向に向かって斜めに巻いていきます。このとき、隙間ができないように注意しましょう。アンダーラップは伸縮性があるため、軽く引っ張りながら巻くとシワになりにくくなります。
ハンドルの上端まで到達したら、アンダーラップを指でちぎります。ハサミを使わなくても簡単に切れるのが特徴です。最後に巻き終わりの部分を少し押さえてから、その上からオーバーグリップを巻くことで固定されます。
ズレを防ぐためのテンションの掛け方
アンダーラップを巻く際に最も重要なのが「テンション(引っ張る力)」の加減です。緩すぎるとプレー中にアンダーラップが中で動いてしまい、グリップがぐらつく原因になります。
理想的なテンションは、素材が少し透けて見えるくらいに軽く伸ばしながら巻く状態です。強く引っ張りすぎるとアンダーラップが千切れてしまいますが、適度なテンションをかけることでハンドルにピタッと密着します。
特に角(八角形のハンドルのエッジ部分)を通る際は、しっかりと密着させるように意識してください。ここで浮きが生じると、握ったときにボコボコとした不快感が出てしまうため、丁寧な作業を心がけましょう。
理想の握り心地を叶える!太さ調整の具体的なコツ

アンダーラップの最大の魅力は、巻き方次第で太さを自由自在にコントロールできる点にあります。ここでは、狙い通りの厚みを作るためのテクニックをご紹介します。
重ねる幅を変えて厚みをコントロールする方法
太さを調整する最もシンプルな方法は、アンダーラップを重ねる「幅」を変えることです。通常は、幅の半分程度が重なるようにして巻いていきますが、これを調整することで厚みが変わります。
太くしたい場合は、重なりを大きくします。例えば、幅の3分の2程度を重ねるようにして巻くと、全体の層が厚くなり、しっかりとしたボリューム感が出ます。逆に細くしたい場合は、重なりを最小限(数ミリ程度)にします。
さらに細部までこだわりたい場合は、「2往復巻く」などの工夫も有効です。全体を一度巻いた後に、もう一度下から上へ重ねて巻くことで、クッション性を保ちつつ均一な太さを出すことができます。
部分的に厚くしてフィット感を高めるテクニック
グリップ全体を同じ太さにするのではなく、自分の手の形に合わせて部分的に厚みを変える上級者向けのテクニックもあります。例えば、グリップエンド(底の部分)だけを厚く巻く方法です。
エンド部分を太くすることで、小指が引っかかりやすくなり、ラケットを振り抜いた際にすっぽ抜ける不安がなくなります。また、手のひらがあたる中央部分を少し厚めにすることで、握り込みのフィット感を向上させることも可能です。
このような調整ができるのも、薄くて扱いやすいアンダーラップならではの利点です。何度も握って確認しながら、自分にとって「一番しっくりくる形」を作り上げていきましょう。
太さを決める際の手の大きさとプレースタイルの関係
自分に合った太さを決める目安として、以下の表を参考にしてみてください。手の大きさに加え、自分がどのようなプレーを得意としたいかによって最適な太さは異なります。
| グリップの状態 | 向いているプレースタイル | メリット | デメリット |
|---|---|---|---|
| 細め(アンダーラップ少なめ) | 前衛・レシーブ・操作重視 | 指先で操作しやすく、コースを狙いやすい | 強い衝撃が手に伝わりやすく、手が疲れやすい |
| 標準(アンダーラップ適量) | オールラウンダー | 操作性とパワーのバランスが良い | 特化した性能はない |
| 太め(アンダーラップ多め) | 後衛・スマッシュ・パワー重視 | 全力で握り込めるため、パワーを伝えやすい | 細かいラケットワークがしにくくなる |
一般的に、ダブルスの前衛で素早い反応を求める人は細めを好み、シングルスやダブルスの後衛で強打を連発したい人は太めを選ぶ傾向があります。自分の役割に合わせて微調整してみましょう。
アンダーラップの素材選びと効果的な活用法

アンダーラップにはいくつかの種類があり、色や素材によって使い心地が変わります。ここでは、選ぶ際のポイントと活用アイデアを紹介します。
市販されているアンダーラップの種類と特徴
バドミントン用品店やスポーツ用品店で一般的に販売されているのは、ポリウレタンフォームを主成分としたスポンジ状のタイプです。ヨネックスやミズノなどのメーカーからも専用の製品が出ています。
多くのプレーヤーが愛用しているのは、伸縮性が高く、非常に薄いタイプです。これらは「クッションラップ」とも呼ばれ、重ねる回数によって細かく厚みを調整できるのが特徴です。
一方で、医療用のアンダーラップ(テーピングの下地として使うもの)を使用する人もいます。スポーツ専用品に比べて安価で、色や幅のバリエーションが豊富なため、大量に消費する競技者にとっては有力な選択肢となります。
カラーによるモチベーションアップと視覚的効果
アンダーラップには、イエロー、ピンク、ブルー、ブラックなど、非常に多くのカラーバリエーションがあります。上に巻くオーバーグリップが薄い色の場合、下のアンダーラップの色が透けて見えることがあります。
これを逆手に取って、ラケットのフレームカラーとコーディネートを楽しむのもおすすめです。自分のお気に入りの色を忍ばせることで、練習や試合に対するモチベーションを高める効果が期待できます。
また、グリップエンド部分だけ別の色のアンダーラップを巻いて目印にするなど、視覚的に自分のラケットを判別しやすくする工夫も可能です。機能性だけでなく、見た目のカスタマイズも楽しんでみてください。
手汗対策や滑り止めとしての役割
アンダーラップはスポンジ状の構造をしているため、微細な隙間に汗を吸収・保持する能力があります。これにより、大量の汗をかいた際でもハンドルに直接汗が届くのを遅らせることができます。
また、オーバーグリップが汗で滑りやすくなった際、アンダーラップのクッション性が滑り止めの補助として機能することもあります。握り込んだときにアンダーラップが適度に変形し、手との密着度を高めてくれるからです。
ただし、アンダーラップ自体が汗を吸いすぎると重くなったり、不衛生になったりするため注意が必要です。快適な環境を維持するためには、こまめなメンテナンスが重要になります。
湿気が多い季節や手汗が気になる方は、アンダーラップを少し厚めに巻くことで、吸湿キャパシティを増やすという対策もあります。
知っておきたいメンテナンスと交換時期のサイン

一度巻いたら終わりではなく、アンダーラップも定期的な交換が必要です。劣化を放置すると、せっかくの調整が台無しになってしまいます。
アンダーラップが劣化したときに見られる症状
アンダーラップの寿命を知らせる最初のサインは「クッション性の低下」です。最初はふかふかとしていた握り心地が、使い続けるうちに潰れて固くなり、ハンドルの角を強く感じるようになります。
また、オーバーグリップを交換する際にアンダーラップがボロボロと剥がれてきたり、ハンドルに張り付いてしまったりする場合も交換のタイミングです。これは素材のポリウレタンが加水分解などの影響で劣化している証拠です。
握ったときに「以前よりグリップが細くなった気がする」「打球の衝撃が強く響くようになった」と感じたら、見た目に大きな変化がなくても交換を検討しましょう。常にベストな状態を保つことが大切です。
衛生面と機能性を維持するための交換頻度
アンダーラップの交換頻度は、練習量や汗のかき具合によって異なりますが、一般的にはオーバーグリップの交換2〜3回につき1回が目安とされています。
汗を大量にかいた後は、アンダーラップが湿気を吸ったままになり、雑菌が繁殖して臭いの原因になることがあります。不快な臭いを感じた場合は、すぐに新しいものに巻き直しましょう。
また、季節の変わり目などに合わせて交換するのも良い習慣です。夏場は汗対策として少し厚めに、冬場は感覚を研ぎ澄ませるために少し薄めにといった具合に、環境に合わせて調整を行うチャンスでもあります。
長持ちさせるためのグリップの保管方法
アンダーラップを長持ちさせるためには、ラケットの保管環境にも気を配りましょう。特に高温多湿な場所は避けるべきです。車の中に放置すると、熱によって素材が急激に劣化し、ベタつきの原因になります。
練習が終わった後は、ラケットバッグを少し開けて通気性を良くし、グリップ部分が乾燥しやすいようにしておきましょう。もしグリップがひどく濡れてしまった場合は、乾いた布で軽く叩くように水分を吸い取ると効果的です。
また、古いアンダーラップを剥がした後にハンドルの糊が残っていると、次に巻くアンダーラップが凸凹になってしまいます。交換時にはしっかりと掃除をすることで、次回の巻きやすさと耐久性を向上させることができます。
アンダーラップの巻き方と太さ調整のコツまとめ
バドミントンにおいて、アンダーラップの巻き方と太さ調整のコツを身につけることは、単なる道具の準備以上の意味を持ちます。自分に最適なグリップの太さを追求することで、ショットの精度、操作性、そして怪我の予防まで、多方面にポジティブな影響を与えてくれるからです。
自分に合った太さを見つけるためには、以下のポイントを意識してみましょう。
・細いグリップが好きなら元グリップを剥がし、アンダーラップで土台を作る
・重ねる幅(1/2や2/3など)を変えて、全体の厚みをミリ単位で調整する
・スマッシュに威力を出したいときは太め、細かい操作をしたいときは細めを意識する
・軽く引っ張りながら巻くことで、ズレやシワを防いで密着させる
・クッション性がなくなったり臭いが気になったりしたら、迷わず交換する
グリップは、プレーヤーがラケットと唯一接触する非常に繊細な部分です。今回ご紹介したアンダーラップのテクニックを活用して、まるで自分の手の一部のような感覚で扱える「理想のグリップ」を作り上げてください。そのこだわりが、コートでの一歩進んだプレーへと繋がるはずです。



