バドミントンのネットの高さ、実はコート中央と両端で違う?ルールや測り方を徹底解説

ルールと初心者向け情報

バドミントンのネットの高さ、正確にご存知ですか?「だいたい腰のあたりかな?」と思っている方も多いかもしれませんが、実は公式ルールで厳密に定められています。そして、驚くことにコートの中央と両端では、ネットの高さがわずかに違うのです。

この数センチの差が、ネット際の繊細なヘアピンの精度や、相手の意表を突くサーブのコース、そして低く鋭いドライブの鋭さに直結します。バドミントン上達を目指すあなたにとって、この「高さ」への理解は、戦術の幅を広げ、ライバルに差をつけるための重要な知識となるでしょう。

この記事では、公式ルールで定められた正確なネットの高さから、正しい測り方、そしてその高さがプレーにどう影響し、どうすれば攻略できるのかまで、分かりやすく丁寧に解説していきます。

 

バドミントンのネットの高さに関する公式ルール

バドミントンのネットの高さは、国際的な公式規定で細かく定められています。 練習試合などではあまり意識しないかもしれませんが、公式大会では厳しくチェックされる重要なポイントです。 まずは、基本となるこのルールをしっかりと頭に入れておきましょう。

コート中央の高さは「1.524m」

コートの中央部分、つまりセンターライン上でのネット上端から床までの垂直な高さは「1.524m」と定められています。 これは非常に細かい数字ですが、国際基準で決められている正確な値です。

「1.524m」と聞いてもピンとこないかもしれませんが、おおよそ152cm強です。多くの成人にとっては胸からみぞおちのあたり、小中学生にとっては顔や頭くらいの高さになることが多いでしょう。この高さがあるからこそ、ネットすれすれを狙う緊張感のあるラリーが生まれるのです。

ポスト(両端)の高さは「1.55m」

次に、ネットを支えている両端のポスト部分の高さです。ここはダブルスのサイドライン上で計測され、その高さは「1.55m」と規定されています。

中央の1.524mと比較すると、両端は2.6cm高くなっていることがわかります。 このわずかな差が、バドミントンの戦略に奥深さを与えています。例えば、サイドからの攻撃では、中央を狙うよりもわずかに高いネットを越えなければならない、という意識が重要になります。

場所 床からの高さ
コート中央 1.524m
ポスト(両端) 1.550m

なぜ中央と両端で高さが違うのか?

「なぜネットの高さは一定ではないの?」と疑問に思う方もいるでしょう。その理由は、ネットを張った際の自然なたわみにあります。

ネットは両端のポストに固定され、ピンと張られますが、ネット自体の重さや張力によって、どうしても中央部分がわずかに沈み込みます。 公式ルールでは、この自然なたわみを考慮した上で、最も低い中央部分が1.524m、起点となる両端が1.55mになるように定められているのです。

逆に言えば、無理やり全体重をかけてネットを引っ張り、中央と両端が同じ高さになるように張るのはルール上正しくありません。 適度なたるみがある状態が、規定に沿った正しいネットの張り方なのです。

年齢や性別で高さは変わらない

バレーボールなど他のネット型スポーツでは、年齢や性別によってネットの高さが変わることがあります。しかし、バドミントンでは、小学生から大人まで、男子も女子もネットの高さは全く同じです。

これは、バドミントンがラケットを使ってシャトルを打つ競技であり、身長差による影響が他のスポーツに比べて少ないためです。 小さい頃はネットが高く感じられるかもしれませんが、同じ高さのネットを使い続けることで、正しいフォームや高い打点で打つ技術が自然と身についていくのです。

ネットの高さを正確に測る方法と注意点

公式ルールを理解したところで、次に実際にネットの高さをどうやって測るのかを見ていきましょう。特に自分たちで設営する機会の多い地域の体育館などでは、高さが正確でないこともしばしばあります。正しい高さを知ることは、質の高い練習への第一歩です。

準備するもの:専用器具と代用品

正確な高さを測るためには、以下のような道具があると便利です。

  • メジャー: 最も手軽で一般的な道具です。床からネットの上端(白帯の上)までの垂直な距離を測ります。
  • ネットハイトメジャー(ハイトゲージ): 公式な大会などで審判が使用する専用の測定器具です。T字型や棒状になっており、規定の高さ(1.524m)に印がついているため、ネット中央に当てるだけで素早く正確に高さを確認できます。

もちろん、毎回専用器具を使うのは難しいかもしれません。その場合は、正確なメジャーがあれば十分です。練習前に一度、自分たちの使うネットが正しい高さになっているか確認する習慣をつけると良いでしょう。

ネット中央の高さの測り方

最も重要なネット中央の高さを測る手順は以下の通りです。

  1. コートのセンターラインの真上にメジャーの始点を合わせます。
  2. メジャーを床に対して垂直に、まっすぐ伸ばします。
  3. ネットの上部にある白いテープの上端が、メジャーのどの位置にあるかを確認します。
  4. この高さが「1.524m」になっていれば正解です。

もし高さが合わない場合は、ポストについているハンドルや紐を調整して、ネットの張りを微調整しましょう。高くても低くても、正確なプレーの妨げになります。

ポスト際の高さの測り方

両端の高さも確認しておきましょう。シングルスとダブルス、どちらの試合でもポストの位置はダブルスのサイドライン上に設置されます。

  1. ダブルスのサイドラインの真上にメジャーの始点を合わせます。
  2. メジャーを床に対して垂直に伸ばします。
  3. ポストに接しているネットの上端の高さを確認します。
  4. この高さが「1.55m」になっていれば正解です。

通常、ポスト自体の高さが1.55mになるように設計されているため、ネットをしっかりと最上部まで張れば、この高さになるはずです。

設営時によくある間違いとチェックポイント

体育館などでネットを設営する際には、いくつか注意したい点があります。知らず知らずのうちに間違った高さで練習している可能性もあるため、以下のポイントをチェックしてみてください。

チェックポイント
ネットの張りが緩すぎ・強すぎませんか?:緩すぎると規定より低くなり、強すぎると中央のたわみがなくなってしまいます。
ポストは垂直に立っていますか?:ポストが傾いていると、正確な高さを保てません。しっかりと固定されているか確認しましょう。
*ポストとネットの間に隙間はありませんか?:公式ルールでは、ポストとネットの間に隙間があってはならないと定められています。 練習ではそこまで厳密でなくても良いですが、シャトルが通り抜けるほどの隙間がある場合は、紐で結ぶなどして塞ぎましょう。

これらの点を確認し、常に正しいコート環境で練習することが、技術の正確性を高める上で非常に重要です。

ネットの高さがプレーに与える影響

1.524mというネットの高さは、バドミントンの様々なプレーに決定的な影響を与えます。この高さをどう意識し、どう利用するかが、上級者へのステップアップには欠かせません。ここでは、具体的なショットとネットの高さの関係について掘り下げていきましょう。

ネット際の攻防:ヘアピンとプッシュ

ネット際のプレーは、試合の流れを大きく左右する繊細な技術が求められます。

ヘアピンは、シャトルをネットすれすれに、相手コートのネット近くにふわりと落とすショットです。ネットの高さが1.524mあるため、シャトルを少しでも高く浮かせてしまうと、相手にプッシュ(ネット前でシャトルを叩く攻撃的なショット)を打つチャンスを与えてしまいます。いかにネットの白帯の上をギリギリで越える軌道で打てるかが、質の高いヘアピンの条件です。そのためには、シャトルの下に素早く入り込み、繊細なラケットワークでシャトルを押し出すような感覚が必要になります。

逆に、相手のヘアピンが少しでも浮いてきたら、すかさずプッシュで攻撃します。このときもネットの高さの意識が重要です。ネットより高い打点でシャトルを捉えられれば、角度のある厳しいコースに叩き込めますが、打点が低いとネットにかけてしまうリスクが高まります。

低い弾道のドライブやレシーブ

ドライブは、ネットとほぼ平行に、低く速い軌道でシャトルを打ち合うショットです。ラリーの主導権を握る上で非常に重要になります。

ネットの高さが1.524mということは、それよりも少しでもシャトルが浮けば、相手にとって攻撃のチャンスが生まれるということです。ドライブの応酬では、いかにネットの白帯の上をかすめるような、低く沈む軌道で打ち続けられるかが勝負の分かれ目となります。相手にラケットを上げさせず、守勢に回らせるためには、常にネットの高さを基準としたショットコントロールが求められます。レシーブにおいても同様で、相手のスマッシュを低く、ネットすれすれに返すことができれば、相手の連続攻撃を防ぎ、反撃の機会をうかがうことができます。

サーブの高さとコース戦略

サーブは、唯一、静止した状態からラリーを始めるショットであり、ネットの高さを利用した戦術が非常に有効です。

特にダブルスで多用されるショートサーブでは、相手にプッシュされないよう、ネットの白帯をギリギリ越えて、サービスラインの内側に沈む軌道が理想です。サーバーは1.524mのネットをいかに低く越えさせるかに全神経を集中させます。もしサーブが少しでも高くなれば、相手の前衛に一発で叩かれてしまうリスクがあるからです。

シングルスで使われるロングサーブでは、高い軌道で相手コートの奥深くまで飛ばすことが目的ですが、これもネットの高さを意識することで、より効果的になります。ネットから離れた位置で打つため、適切な角度と力加減で打たなければ、ネットにかかったり、アウトになったりしてしまいます。

ネットの高さを攻略するための練習メニュー

ネットの高さを理解したら、次はその高さを味方につけるための具体的な練習に取り組みましょう。ここでは、日々の練習に取り入れやすいメニューを3つ紹介します。これらの練習を通じて、ネットを越えるギリギリの感覚を体に染み込ませてください。

ネット前でのシャトルコントロール練習

ネット際の繊細なタッチを養うためには、反復練習が不可欠です。「ネット前を制するものが試合を制する」と言われるほど、このエリアの技術は重要です。

練習方法1:置きシャトルヘアピン

  1. 自コートのネット際にシャトルを数個置きます。
  2. フットワークを使って素早くシャトルの落下点に入り、1球ずつ丁寧にヘアピンを打ちます。
  3. 目標は、ネットの白帯の上をギリギリに越え、相手コートのネット際にポトリと落とすことです。

練習方法2:至近距離でのヘアピンラリー

  1. パートナーとネットを挟んでネット際に立ちます。
  2. お互いにヘアピンを打ち合い、できるだけ長くラリーを続けます。
  3. ただ続けるだけでなく、クロスヘアピンを混ぜたり、わざと少しだけ浮かせて相手にプッシュを打たせたりと、実戦に近い状況を想定して行うとより効果的です。

これらの練習では、力ではなく、ラケットの面とシャトルタッチの感覚を磨くことを意識してください。

ギリギリを狙う!サーブ&レシーブ練習

サーブとレシーブは、ラリーの始まりと終わりを決定づける重要な要素です。特にショートサーブの精度は、ダブルスの試合結果に直結します。

練習方法:的当てショートサーブ

  1. ネットの白帯の上に、タオルやラケットケースなどの軽い目標物を置きます。
  2. 目標物に当たらないように、そのギリギリ上をシャトルが通過するようにショートサーブを打ちます。
  3. パートナーはレシーバーとして構え、サーブが少しでも浮いたら、すかさずネット前に詰めてプッシュします。

この練習は、サーバーにとっては極限の集中力とコントロールを養う訓練になり、レシーバーにとっては甘いサーブを見逃さずに叩く判断力と反応速度を高める訓練になります。お互いにプレッシャーをかけ合うことで、試合さながらの緊張感を持って取り組むことができます。

低く速いドライブの打ち合い

ドライブの精度は、試合中盤の主導権争いに大きく影響します。ネットを越えるか越えないかの、低く速いラリーを続ける能力を鍛えましょう。

練習方法:高さ制限ドライブ

  1. パートナーとネットを挟み、ハーフコートでドライブのラリーを行います。
  2. 意識するのは、「絶対にシャトルを浮かせない」ということです。常にネットの白帯と同じか、それより低い軌道をイメージして打ち合います。
  3. 慣れてきたら、徐々にスピードを上げたり、左右に振ったりして負荷を高めていきます。

この練習を続けることで、コンパクトで鋭いスイングが身につくだけでなく、相手の強打に対しても低く返し続ける忍耐力と体幹が鍛えられます。ラリーが続けば続くほど、集中力も高まり、実戦での競り合いに強くなります。

まとめ:バドミントンのネットの高さを理解してライバルに差をつけよう

今回は、バドミントンの上達を目指す上で欠かせない「ネットの高さ」について、公式ルールから実践的な練習方法まで詳しく解説しました。

最後に、この記事の重要なポイントを振り返りましょう。

  • バドミントンのネットの高さは中央で1.524m、両端で1.55mと公式ルールで定められている。
  • この高さの違いは、ネットの自然なたわみによるもので、年齢や性別によって変わることはない。
  • 正確な高さを知ることは、ヘアピン、プッシュ、ドライブ、サーブなど、あらゆるショットの精度に直結する。
  • 日々の練習からネットの高さを常に意識し、ギリギリを狙うコントロールを磨くことが上達への道。

ネットは単なるコートの仕切りではありません。それは、時に越えるべき壁となり、時に利用すべき戦術の一部となります。この「1.524m」という高さを正しく理解し、練習に取り入れることで、あなたのプレーはもっと戦略的で精密になるはずです。ぜひ、次の練習からネットの高さを意識して、シャトルを打ってみてください。その小さな意識の変化が、大きな成長につながるはずです。

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