バドミントンを始めたばかりの方、そしてさらなる上達を目指しているあなたにとって、ラケットと同じくらい重要なアイテムが「バドミントンシューズ」です。
「どんなシューズでも同じじゃないの?」と思うかもしれませんが、実はシューズ一つでパフォーマンスが大きく変わり、怪我の予防にもつながるのです。 バドミントンは、前後左右への素早いステップやジャンプなど、非常に激しい動きが求められるスポーツです。 そのため、専用シューズはフットワークをサポートし、足への負担を軽減するために特化した機能を備えています。
この記事では、数あるバドミントンシューズの中から、あなたにぴったりの一足を見つけるための選び方を、基本的な知識から具体的なチェックポイント、さらにはメーカー別の特徴まで、分かりやすく解説していきます。正しいシューズ選びで、快適なプレーとスキルアップを目指しましょう。
バドミントンシューズの選び方の基本!なぜ専用品が必要?

バドミントンを楽しむ上で、専用シューズは欠かせないアイテムです。体育館で使うならどんな室内履きでも良いと考えがちですが、バドミントン特有の動きに対応するためには、やはり専用に設計されたシューズが最適です。ここでは、なぜ専用シューズが必要なのか、その理由を詳しく見ていきましょう。
他の室内シューズとの違い
バドミントンは、前後左右、斜めといったあらゆる方向へ瞬時に動くことが求められるスポーツです。 ランニングシューズが主に「前進」を想定して作られているのに対し、バドミントンシューズは「左右の動き」に対する安定性が非常に重視されています。 例えば、急な方向転換の際に足がシューズ内でズレてしまうと、捻挫などの怪我につながりやすくなります。
また、シューズの裏側にあるゴム底(ソール)のパターンも異なります。バドミントンシューズの多くは、グリップ力を高めるために放射状のパターンを採用しており、あらゆる方向へのストップ&ダッシュをサポートします。 バレーボールシューズや卓球シューズも室内履きですが、それぞれ競技の特性に合わせた設計になっているため、バドミントンの複雑なフットワークには十分に対応できない場合があります。
パフォーマンス向上への影響
自分に合ったバドミントンシューズを履くことは、パフォーマンスの向上に直結します。 正しいシューズは、次のようなメリットをもたらします。
- 素早いフットワークの実現: 軽量でグリップ力の高いシューズは、コート内でのスムーズで素早い動きを可能にします。
- 安定した体勢の維持: 左右の動きに強い設計により、スマッシュやレシーブの際に体勢がブレにくくなり、より正確なショットが打てるようになります。
- 疲労の軽減: クッション性の高いシューズは、ジャンプや着地の衝撃を和らげ、足への負担を軽減するため、長時間のプレーでも疲れにくくなります。
このように、シューズが持つ機能性を最大限に活用することで、プレーヤーは安心してプレーに集中でき、持てる力を存分に発揮することができるのです。
怪我の予防につながる重要性
バドミントンシューズ選びで最も重要なのが、怪我の予防です。激しい動きを繰り返すバドミントンでは、足首の捻挫や膝への負担が大きな課題となります。
特に、シューズの横方向への剛性(硬さ)は、急な切り返し動作の際に足が外側に流れるのを防ぎ、捻挫から足首を守るために非常に重要です。 合わないシューズを履き続けると、パフォーマンスが低下するだけでなく、知らず知らずのうちに足へダメージが蓄積し、怪我を引き起こす可能性が高まります。 安全に長くバドミントンを楽しむためにも、必ず専用のシューズを選びましょう。
後悔しないための7つのチェックポイント

自分に合ったシューズを見つけるためには、いくつかの重要なポイントを確認する必要があります。デザインや価格だけで選んでしまうと、後で足が痛くなったり、プレーに支障が出たりすることも。ここでは、購入前に必ずチェックしたい7つのポイントを詳しく解説します。
①フィット感・履き心地
シューズ選びで最も大切なのがフィット感です。 人の足の形は千差万別で、同じサイズでもメーカーやモデルによって履き心地は大きく異なります。 試着の際は、かかとをしっかりとシューズに合わせてから靴紐を結び、立った状態でフィット感を確認しましょう。
チェックすべき点は以下の通りです。
- 圧迫感がないか: 足の指や甲、側面が強く当たって痛くないかを確認します。 特に、体重をかけたときに指の付け根あたりが窮屈でないかチェックしましょう。
- シューズ内で足がズレないか: 少し動いてみて、かかとが浮いたり、靴の中で足が前後左右に滑ったりしないかを確認します。
- つま先の余裕: つま先には0.5cm〜1.0cm程度の余裕(捨て寸)を持たせるのが理想的です。 これにより、急なストップ動作の際に指を痛めるのを防ぎます。
可能であれば、普段練習で履いているソックスを持参して試し履きをすると、より正確なフィット感を確認できます。
②クッション性
バドミントンでは、ジャンプからの着地や力強い踏み込みなど、足に大きな衝撃がかかる場面が多くあります。 この衝撃を吸収し、膝や足首への負担を軽減してくれるのがクッション性です。
ヨネックスの「パワークッション」やミズノの「ミズノウエーブ」など、各メーカーが独自のクッション技術を開発しており、衝撃吸収性だけでなく、そのエネルギーを反発力に変えて次の一歩をサポートする機能も進化しています。 初心者や足への負担が気になる方は、クッション性の高いモデルを選ぶと良いでしょう。
③グリップ性
体育館のコートは滑りやすく、グリップ力が低いシューズでは素早い動きに対応できません。 グリップ性とは、シューズの靴底と床との摩擦力のことです。 グリップ性が高いシューズは、急なストップや方向転換の際にしっかりと床を掴み、滑ることなく安定したフットワークを可能にします。
バドミントンシューズの靴底(アウトソール)は、滑りにくいゴム素材で作られており、細かい溝が刻まれています。この溝のパターンは、前後左右あらゆる方向への動きに対応できるよう工夫されています。体育館によっては靴底の色に指定がある場合もあるため、購入前に確認しておくと安心です。
④安定性・サポート性
前後左右への激しい切り返し動作が多いバドミントンでは、シューズの安定性が非常に重要です。 特に横方向の動きに対して、シューズがぐらつかずに足をしっかりと支えてくれるサポート性が求められます。
シューズの形状には、くるぶしが見える「ローカット」と、足首を覆う「ミッドカット」があります。
| カットの種類 | 特徴 | こんな人におすすめ |
|---|---|---|
| ローカット | 足首の可動域が広く、軽量なモデルが多い。素早いフットワークを重視するスタイルに向いている。 | 動きやすさやスピードを重視する選手 |
| ミッドカット | 足首周りのホールド感が高く、安定性に優れる。捻挫の予防にもつながる。 | 安定感を重視する選手、足首に不安がある方 |
また、シューズの中足部に硬い素材(シャンクパーツ)を入れることで、シューズのねじれを防ぎ、安定性を高めているモデルも多くあります。 自分のプレースタイルや足首の状態に合わせて、適切なサポート性を持つシューズを選びましょう。
⑤軽量性・柔軟性
コート内を常に動き回るバドミントンにおいて、シューズの軽量性はフットワークの軽快さに直結します。 一般的に、上級者向けのモデルほど軽量性を重視する傾向にありますが、軽すぎると安定性やクッション性が犠牲になる場合もあるため、バランスが重要です。
また、柔軟性も大切なポイントです。シューズが硬すぎると、踏み込んだり蹴り出したりする際に足の自然な動きを妨げてしまいます。アッパー(シューズの甲の部分)の素材が柔らかく、アウトソールがスムーズに曲がるシューズは、足との一体感が高まり、快適な履き心地をもたらします。アッパーには、通気性の良いメッシュ素材と、耐久性やサポート性に優れた人工皮革が使われることが多く、それぞれの特徴を理解して選ぶと良いでしょう。
⑥サイズ選びの注意点(横幅もチェック)
シューズを選ぶ際、多くの人が気にするのは縦の長さ(cm)ですが、同じくらい重要なのが横幅(ワイズ)です。 足の幅は人によって大きく異なり、同じサイズのシューズでも幅が合わないと、圧迫感を感じたり、靴の中で足が動いてしまったりします。
日本のメーカーでは、JIS規格に基づき「2E」「3E」「4E」のようにワイズが表示されていることが多く、数字が大きくなるほど幅広になります。
また、人の足の大きさは夕方になると少し大きくなる傾向があるため、シューズを試着するのは午後がおすすめです。
⑦デザイン性
機能性はもちろん重要ですが、気に入ったデザインのシューズを履くことで、練習のモチベーションが上がるという側面もあります。 最近では、機能性に優れているだけでなく、カラーバリエーションが豊富でおしゃれなモデルもたくさん登場しています。
ただし、デザインだけで選んでしまうのは避けましょう。あくまでも、ここまで解説してきたフィット感や機能性をクリアした上で、最終的に自分の好みのデザインを選ぶのが理想的な選び方です。お気に入りの一足を見つけて、バドミントンをさらに楽しみましょう。
主要メーカー別!人気シューズの特徴を比較

バドミントンシューズは、様々なメーカーから発売されており、それぞれに独自技術や設計思想があります。ここでは、特に人気の高い主要メーカー4社の特徴をご紹介します。自分のプレースタイルや足の形に合いそうなメーカーを見つける参考にしてください。
YONEX(ヨネックス) – 王道の高機能モデルが豊富
ヨネックスは、ラケットからウェアまで幅広く手掛けるバドミントンのトップブランドです。 そのシューズは、独自の衝撃吸収素材「パワークッション®」が最大の特徴です。 この素材は、衝撃を吸収するだけでなく、そのエネルギーを反発力に変換して次の一歩をサポートする機能を持っており、多くのモデルに搭載されています。
初心者向けのエントリーモデルから、トッププロが使用するハイスペックモデルまで、ラインナップが非常に豊富です。 安定性を重視したモデル、軽量性を追求したモデルなど、プレースタイルに合わせて選びやすいのも魅力。まさに、どのレベルのプレーヤーにも対応できる王道のメーカーと言えるでしょう。
MIZUNO(ミズノ) – フィット感と安定性に定評
総合スポーツメーカーであるミズノは、長年のシューズ開発で培った技術力をバドミントンシューズにも活かしています。特にフィット感と安定性には定評があり、日本人の足型に合わせた設計が特徴です。
ミズノのシューズの核となる技術が「ミズノウエーブ」です。波形のプレートをミッドソールに挟み込むことで、クッション性と安定性という相反する性能を両立させています。 また、軽量で加速性を重視した「WAVE CLAW」シリーズなど、プレーヤーの求める動きに応じたシリーズ展開も魅力です。 しっかりとした履き心地と安定感を求めるプレーヤーにおすすめのメーカーです。
asics(アシックス) – 日本人の足に合わせた設計
アシックスは、シューズを専門的に扱う日本のスポーツメーカーで、そのノウハウはバドミントンシューズにも活かされています。 特に日本人の足の形を研究し尽くしたラスト(足型)が特徴で、フィット感の良さに定評があります。
デザインは白や黒、青を基調としたスポーティで硬派な印象のモデルが多いです。 クッション性と柔軟性を両立させたモデルや、安定性を高めたモデルなど、バランスの取れた性能のシューズが揃っています。他のメーカーのシューズがしっくりこなかったという方は、一度アシックスを試してみる価値があるでしょう。
VICTOR(ビクター)- 個性的なデザインと機能性
ビクターは、台湾に本社を置く世界的なバドミントン専門メーカーです。トッププレーヤーにも愛用者が多く、高い機能性を誇ります。
デザイン面では、シャープで個性的なカラーリングのモデルが多く、コート上で存在感を発揮します。 もちろん、機能性も高く、軽量性や衝撃吸収性、安定性など、プレーヤーが求める性能を高いレベルで実現しています。他の人とは少し違ったシューズを履きたい、デザインにもこだわりたいというプレーヤーに特におすすめのメーカーです。
レベル別おすすめシューズの傾向

バドミントンシューズは、プレーヤーのレベルによっても求められる性能が少しずつ異なります。ここでは、「初心者」「中級者」「上級者」の3つのレベルに分けて、それぞれどのようなシューズがおすすめなのか、その傾向を解説します。
初心者向け:クッション性と安定性重視
バドミントンを始めたばかりの初心者は、まだフットワークが安定していなかったり、無理な体勢で踏み込んでしまったりすることがあります。そのため、まずは怪我を防ぐことが最も重要です。
そこでおすすめなのが、クッション性と安定性を重視したモデルです。 クッション性が高いシューズは、着地時の衝撃から膝や足首を守ってくれます。 また、安定性の高いシューズは、左右のブレを抑えてくれるため、捻挫などのリスクを軽減できます。 ヨネックスの「パワークッション670」やミズノの「スカイブラスター2」などが、初心者に扱いやすいエントリーモデルとして挙げられます。 最初は少し重さを感じるかもしれませんが、まずは足をしっかり守ってくれるシューズを選びましょう。
中級者向け:フィット感と機能性のバランス
部活動などで本格的に競技に取り組み始め、フットワークの質も上がってくる中級者には、フィット感と機能性のバランスが取れたモデルがおすすめです。基本的な性能に加え、自分のプレースタイルに合った機能を持つシューズを選ぶことで、さらなるレベルアップが期待できます。
例えば、動きの速さを重視するなら軽量モデル、力強いプレーが持ち味なら安定性の高いモデルといったように、自分の強みを活かせるシューズを探してみましょう。このレベルになると、シューズによる動きの違いも体感しやすくなります。価格帯としては10,000円前後のモデルが主流で、各メーカーもこの価格帯に多様なシューズをラインナップしています。
上級者向け:軽量性と素早いフットワークをサポート
より高いレベルを目指す上級者や競技者は、コンマ数秒を争うラリーに対応するため、軽量性を重視する傾向があります。 シューズが軽いと、次の一歩がより素早く出せるようになり、スピード感のあるフットワークが可能になります。
ただし、ただ軽いだけでなく、軽量でありながらも、急なストップやターンに耐えうるグリップ力と最低限の安定性を兼ね備えていることが重要です。トップモデルは、ソール(靴底)が薄めに設計されていることが多く、より素足に近い感覚でコートを掴むことができます。その分、クッション性はやや控えめになるため、プレーヤー自身の脚力が求められる側面もあります。自分のフットワークを最大限に活かしたいプレーヤー向けの選択と言えるでしょう。
購入前に知っておきたい!試し履きのコツとメンテナンス

自分にぴったりの一足を見つけたら、それを長く快適に使い続けるための知識も大切です。ここでは、購入時の失敗を防ぐための試し履きの方法と、購入後のシューズを長持ちさせるためのメンテナンスについて解説します。
失敗しない試し履きの方法
シューズ選びで最も重要なプロセスが試し履きです。 ネット通販は便利ですが、特に初めて買うモデルの場合は、必ず実店舗で試着することをおすすめします。
試し履きをする際のポイントは以下の通りです。
- 時間帯: 足は夕方になるとむくみで少し大きくなるため、できれば午後に試着するのがベストです。
- 靴下: 実際にバドミントンをするときに履く厚手のスポーツソックスを持参しましょう。
- 両足で履く: 人の足は左右で大きさが違うことがあるため、必ず両足とも履いて確認してください。
- サイズチェック: かかとをしっかり合わせ、靴紐をきちんと締めた状態で立ち上がり、つま先に0.5cm~1.0cm程度の余裕があるか確認します(捨て寸)。
- 動きの確認: 店内で少し歩いたり、軽くステップを踏んだりして、足に痛みや違和感がないか、かかとが浮かないかなどをチェックしましょう。
長持ちさせるためのお手入れ方法
お気に入りのシューズを長持ちさせるためには、日頃のお手入れが欠かせません。 使用後は以下の点を心がけましょう。
- 汚れを落とす: 使用後は、シューズの外側の汚れを乾いた布や軽く湿らせた布で拭き取ります。
- しっかり乾かす: 汗で湿ったシューズは、カビや臭いの原因になるだけでなく、素材の劣化を早めます。 使用後はシューズをバッグに入れっぱなしにせず、風通しの良い日陰でしっかり乾かしましょう。 直射日光は素材を傷める可能性があるので避けてください。
- 保管場所: 保管は、湿気の少ない風通しの良い場所が理想的です。 シューキーパーを使ったり、丸めた新聞紙を入れたりすると、型崩れを防ぎながら湿気を取るのに効果的です。
基本的にバドミントンシューズは、素材を傷める可能性があるため、丸洗いは推奨されていません。 汚れがひどい場合や臭いが気になる場合は、専用のクリーナーや消臭スプレーを利用しましょう。
シューズの寿命と買い替えサイン
バドミントンシューズの寿命は、使用頻度にもよりますが、一般的に1年程度とされています。 しかし、これはあくまで目安であり、シューズの状態を見て判断することが重要です。以下のようなサインが見られたら、買い替えを検討しましょう。
- 靴底の溝がすり減ってきた: グリップ力が低下し、滑りやすくなるため危険です。
- クッション性がなくなった: 踏み込んだ時に、以前のような弾力性が感じられなくなったら、衝撃吸収機能が低下しているサインです。膝や腰への負担が増加します。
- アッパーの破れや型崩れ: シューズの側面が破れたり、全体的に形が崩れたりすると、足をしっかりサポートできなくなり、怪我のリスクが高まります。
まだ使えると思っていても、シューズの機能は徐々に低下しています。 パフォーマンスの維持と怪我の予防のためにも、定期的にシューズの状態をチェックし、適切なタイミングで新しいものに交換することが大切です。
まとめ:自分に合ったバドミントンシューズの選び方で上達を目指そう

この記事では、バドミントンの上達を目指すあなたのために、最適なシューズの選び方を詳しく解説してきました。
バドミントンシューズは、単なる履物ではなく、あなたのパフォーマンスを最大限に引き出し、大切な足を怪我から守るための重要なパートナーです。今回ご紹介した7つのチェックポイント(フィット感、クッション性、グリップ性、安定性、軽量性、サイズ、デザイン性)を参考に、ぜひ実店舗で試し履きをしながら、時間をかけて自分だけの一足を選んでみてください。
そして、購入後も適切なお手入れを心がけ、ベストな状態でシューズを使い続けることが大切です。あなたにぴったりのシューズは、きっとフットワークを軽やかにし、プレーの質を一段階上へと引き上げてくれるでしょう。


