バドミントンで試合中に考えることとは?勝つための思考法を徹底解説!

技術・戦術と練習方法

バドミントンの試合中、飛んでくるシャトルを打ち返すことに必死で、頭が真っ白になってしまうことはありませんか?「何を考えればいいのかわからない」「もっと戦略的にプレーできるようになりたい」そう思っている方も多いでしょう。

実は、トップレベルの選手は常に状況を分析し、次に何をすべきかを瞬時に判断してプレーしています。この記事では、バドミントン上達を目指すあなたのために、試合中に考えるべきことを、初心者にも分かりやすく解説します。

試合における基本的な思考法から、シングルス・ダブルスそれぞれの戦術、さらにはメンタルの保ち方まで、幅広くご紹介します。この記事を読めば、試合中の思考が整理され、勝率アップに繋がるヒントが見つかるはずです。

 

バドミントンで試合中に考えることの基本

試合に勝つためには、ただやみくもにシャトルを打つだけでは不十分です。常に頭を使い、状況に応じた最適なプレーを選択する必要があります。ここでは、その土台となる3つの基本的な考え方について解説します。

相手を観察する:プレースタイルや弱点を見抜く

バドミントンの試合でまず考えるべきことは、「相手を知る」ことです。 試合が始まったら、まずは相手のプレースタイルや癖、弱点などを注意深く観察しましょう。

例えば、以下のような点をチェックします。

観察するポイント 具体的なチェック項目
利き腕・体格 右利きか左利きか。身長が高いか低いか。
得意なショット スマッシュが得意か、ネット前のプレーが得意か。
苦手なショット バックハンドはどうか、ヘアピン(ネット際にシャトルを落とすショット)の処理は上手いか。
フットワーク 前後の動きと左右の動き、どちらが苦手そうか。
返球の癖 追い込まれた時に、どこに返してくることが多いか。

これらの情報をラリーの中で集めることで、「どうすれば相手の体勢を崩せるか」「どこを狙えば得点に繋がりやすいか」といった戦略が見えてきます。 試合序盤は、点を取りに行くだけでなく、相手の情報を収集する時間だと意識することが重要です。

自分の状態を把握する:得意なショットと体力を考慮する

相手だけでなく、自分自身の状態を客観的に把握することも、試合中に考えるべき重要な要素です。自分の得意なショットやプレースタイルを理解し、それを軸に試合を組み立てることが勝利への近道となります。

例えば、「自分は粘り強くラリーを続けるのが得意だ」と分かっていれば、無理に強打を狙わず、相手のミスを誘うような配球(シャトルのコースを組み立てること)を心掛けることができます。

また、試合は長時間に及ぶこともあるため、体力の管理も非常に重要です。試合の序盤から全力で飛ばしすぎると、終盤で足が動かなくなり、簡単なミスが増えてしまいます。現在の自分の体力はどのくらい残っているのか、このペースで最後まで持つのかを常に考え、必要であれば少しペースを落として体力を温存する、といった判断も必要になります。自分の強みと限界を知り、その範囲内で最高のパフォーマンスを発揮する方法を考えることが求められます。

コート全体を把握する:相手と自分の位置、スペースを意識する

試合中は、シャトルだけでなく、コート全体を広く見渡す意識を持つことが大切です。具体的には、「相手が今コートのどこにいるのか」「自分がどこに立つべきか」「どこにスペース(空いている場所)があるのか」を常に把握することです。

相手がコートの前方にいれば、後方のオープンスペースを狙うのが効果的ですし、逆に後方にいればネット際に落とすショットが有効です。 このように、相手をコートの前後左右に動かすことで、相手の体力を奪い、体勢を崩して甘い返球を誘うことができます。

自分がショットを打った後、次の返球に備えて素早く最適なポジション(ホームポジション)に戻ることも非常に重要です。 打った場所に留まっていると、相手にオープンスペースを突かれてしまいます。常にコート全体の位置関係を意識し、「打ったら戻る」を徹底することで、守備範囲が広がり、ラリーを有利に進めることができるのです。

試合序盤で考えるべきこと

試合の序盤は、その後のゲーム展開を大きく左右する重要な時間帯です。焦って得点を狙うのではなく、まずは落ち着いて状況を把握し、ゲームプランを組み立てるための情報を集めることに集中しましょう。

ラリーを続けてゲームの感覚を掴む

試合が始まった直後は、誰しも緊張しているものです。まずは焦らずにラリーを続けることを意識しましょう。長いラリーをすることで、心と体を試合のペースに慣れさせることができます。シャトルの飛び方や体育館の照明、床のコンディションなど、練習とは異なる環境に順応するための時間としても有効です。

また、ラリーを続ける中で、相手がどのようなショットを打ってくるのか、どのような配球を好むのかといった情報を探ることができます。 例えば、「クリアー(コート奥深くに高く打ち返すショット)を多用してくるな」「カット(シャトルに回転をかけて鋭く落とすショット)が多いな」といった特徴が見えてくるはずです。無理にエースを狙ってミスをするよりも、まずは確実に相手コートに返し、ゲーム全体の感覚を掴むことを優先しましょう。

様々なショットを試して相手の反応を見る

序盤は、自分の持っている様々なショットを試しながら、相手の反応を見る絶好の機会です。スマッシュ、ドロップ(ネット際に緩く落とすショット)、クリアー、ヘアピンなど、色々な球種を打ち分けてみましょう。

例えば、速いスマッシュを打った時に相手がどう反応するか、緩いドロップを打った時に前に詰めてくる速さはどうか、バックハンド側に高い球を送った時にしっかりと返せるか、といった点を確認します。

相手が特に苦手そうにしているショットやコースが見つかれば、それが試合中盤以降の重要な攻め手となります。 逆に、相手が легко と返してくるショットは、多用するとカウンターを受ける危険性が高いと判断できます。このように、序盤のうちに様々なボールで相手を試し、どのショットが有効で、どのショットが危険かを判断するための情報を集めることが、戦術を立てる上で非常に重要になります。

主導権を握るための配球パターンを探る

試合序盤のラリーを通して相手と自分の状態がある程度把握できたら、次はその情報を元に、どのようにラリーの主導権を握るかを考え始めます。主導権を握るとは、相手を自分の思い通りに動かし、攻撃のチャンスを作り出すことです。

例えば、以下のような思考プロセスで配球パターンを組み立てます。

  1. 相手の観察: 「相手はバックハンドのハイバック(バックハンド側で高く上がったシャトルを打つこと)が苦手そうだ」と分析する。
  2. 仮説を立てる: 「相手のバック奥に集中的に球を送れば、甘い返球が来るのではないか」と考える。
  3. 実行と検証: 実際にバック奥へ配球し、相手の返球を確認する。もし狙い通りに浅い球が返ってきたら、それを前衛で叩く、といった攻撃パターンを組み立てることができます。

このように、「観察→仮説→実行→検証」のサイクルを繰り返すことで、自分にとって有利な試合展開、つまり「勝ちパターン」を見つけ出すことができます。序盤のうちにいくつかの有効な配球パターンを発見できれば、試合全体を有利に進めることが可能になります。

【シングルス】試合中に考えるべき戦術

シングルスは、1対1でコート全体をカバーしなければならないため、体力と戦術が非常に重要になります。ここでは、シングルスの試合で勝利を掴むために考えるべき3つの戦術を解説します。

相手をコートの四隅に動かす

シングルスの基本的な戦術は、相手をコートの四隅に動かして体力を奪い、ミスを誘うことです。 人間は前後の動きに比べて左右の動きの方が比較的強いと言われていますが、それでもコートの隅から隅まで揺さぶられ続けると、徐々にフットワークが遅れ、体勢が崩れてきます。

具体的には、以下のような配球を組み合わせて相手を動かします。

  • 前後: ネット前にヘアピンを落とした後、すかさずコート奥深くに高いクリアーを打つ。
  • 左右: フォア側の奥にクリアーを打った後、次はバック側のネット前にドロップを落とす。
特に、対角線上を狙う配球は移動距離が最も長くなるため、非常に有効です。 このような揺さぶりを繰り返すことで、相手の体力が消耗し、甘い返球が増えてきます。

その甘くなったショットを確実に決めることが、シングルスの王道の勝ちパターンです。常に相手をどこに動かすかを考えながら、ラリーを組み立てることが重要です。

相手の苦手なコースやショットを攻める

試合序盤で把握した相手の弱点を、徹底的に攻めることも重要な戦術です。 誰にでも得意なコースと苦手なコース、得意なショットと苦手なショットがあります。例えば、バックハンドが苦手な選手に対しては、執拗にバック側を狙い続けることで、ミスを誘ったり、攻撃のチャンスボールを引き出したりすることができます。

また、相手の体格によっても有効な戦術は変わります。

相手のタイプ 有効な戦術例
身長が高い選手 前後の動きが苦手な傾向があるため、ドロップとロブ(高く上げる返球)で前後に揺さぶる。また、ボディ(体)周りを狙うショットも有効。
身長が低い選手 高い打点からのショットが打ちにくいため、コート奥深くに高いハイクリアーを打ち、大きく動かすことを意識する。

相手が嫌がることを続けることで、精神的にもプレッシャーを与えることができます。自分の得意なショットと、相手の苦手なショットを組み合わせた攻撃パターンを考えることが、得点に繋がります。

自分の得意なパターンに持ち込む

相手の弱点を突くと同時に、自分の得意な形に試合展開を持っていくことを常に考えましょう。 例えば、自分がネット前のプレーを得意としているなら、積極的にドロップやカットを多用して、相手を前に誘い出し、ネット際での勝負に持ち込みます。逆に、強力なスマッシュが武器であれば、相手にシャトルを上げさせるような配球を心掛け、スマッシュを打つチャンスを作り出します。

試合の流れが悪い時こそ、一度立ち止まり、「どうすれば自分の得意な展開になるか?」を考えることが大切です。相手のペースで試合が進んでいると感じたら、あえてラリーのテンポを変える、いつもと違う配球を試すなどして、流れを断ち切る工夫も必要です。自分の強みを最大限に活かせる状況を、いかにして作り出すか。それを考えることが、シングルスで勝ち抜くための重要な思考法となります。

【ダブルス】試合中に考えるべき戦術

ダブルスは、シングルスとは異なり、ペアとの連携が最も重要になります。個々の技術力はもちろんのこと、2人でいかに効率よくコートをカバーし、攻撃の形を作るかを常に考える必要があります。

ペアとの連携と役割分担

ダブルスで最も大切なのは、パートナーとのコミュニケーションと役割分担です。 試合が始まる前に、どちらがどの範囲をカバーするのか、どのような状況でポジションを入れ替えるのか(ローテーション)などを事前に話し合っておくことが理想です。

ダブルスの基本的なフォーメーションには、攻撃型の「トップアンドバック」(前後に並ぶ)と、守備型の「サイドバイサイド」(横に並ぶ)があります。 自分たちが攻めている時はトップアンドバック、守っている時はサイドバイサイドに素早く切り替えることが基本です。

試合中は、声を出してコミュニケーションを取ることも非常に重要です。「まえ!」「うしろ!」「まかせた!」など、簡単な声かけがあるだけで、お互いの意思疎通が図れ、お見合いなどのミスを防ぐことができます。常にパートナーの位置を意識し、2人で1つのユニットとして動くことを考えましょう。

攻撃の形を作るための配球

ダブルスのセオリーは、相手にシャトルを上げさせて、自分たちが上から叩くという攻撃の形を作ることです。 そのため、いかにして相手に甘いロブやクリアーを上げさせるかを考える必要があります。

具体的には、以下のような配球が有効です。

  • サーブレシーブで沈める: 相手のサーブに対して、ネット際に低く沈める(ヘアピン)か、相手の足元にドライブ(低く速い軌道のショット)を打つことで、相手にシャトルを上げさせ、3球目攻撃に繋げます。
  • 相手ペアの間に打つ: 相手ペアのちょうど真ん中を狙うことで、どちらが取るか迷わせ、お見合いを誘ったり、甘い返球を引き出したりします。
  • 前衛と後衛を揺さぶる: 前衛の足元に沈めたり、後衛の頭上を越すロブを上げたりして、相手の陣形を崩しにかかります。
特に、ラリーの序盤であるサーブから3球目までが非常に重要で、ここで主導権を握れるかどうかがポイントになります。

常に「どうすれば相手に上げさせられるか」を逆算してショットを選択することが、ダブルスの勝利に繋がります。

レシーブからの展開を考える

相手にスマッシュを打たれる守備の場面でも、ただ返すだけでなく、そこからどうやって攻撃に転じるかを考えることが重要です。守り続けているだけでは、体力的にきつくなるだけでなく、得点を取ることはできません。

レシーブの際には、以下のような点を意識します。

  • 低く、速く返す: 相手のスマッシュをドライブ気味に低く返すことで、相手に次の攻撃をさせず、五分五分の状況に持ち込みます。
  • 相手のいないスペースに返す: 相手の前衛がいないサイドや、スマッシュを打った後衛の足元など、空いているスペースを狙って返すことで、相手の体勢を崩し、攻守を入れ替えるきっかけを作ります。
  • 緩急をつける: 速いレシーブだけでなく、ネット前にふわりと落とす「ブロックレシーブ」を混ぜることで、相手のタイミングをずらし、連続攻撃を防ぎます。

守備は最大の攻撃という言葉があるように、質の高いレシーブからチャンスを作り出すことができます。厳しい状況でも、次の一手でどう展開を変えるかを常に考え続ける姿勢が、ダブルスでは特に求められます。

試合中のメンタルコントロールで考えること

技術や戦術と同じくらい、バドミントンの試合ではメンタルが重要です。 どんなに練習を積んできても、試合本番で冷静さを失ってしまっては、本来の力は発揮できません。ここでは、試合中に強いメンタルを保つための考え方を紹介します。

ミスを引きずらない気持ちの切り替え方

試合中にミスはつきものです。どんなトップ選手でもミスをします。大切なのは、一つのミスをいつまでも引きずらないことです。簡単なネットミスやアウトをした後、「なぜあんなミスを…」と考え込んでしまうと、次のプレーへの集中力が欠け、さらにミスを重ねるという悪循環に陥ってしまいます。

ミスをした直後は、一度大きく深呼吸をする、ラケットのガットを直す、少しコートを歩くなど、自分なりのルーティン(決まった動作)を行うのが効果的です。 これにより、物理的に少し時間を作り、気持ちをリセットすることができます。

「ミスは仕方ない、次の一点に集中しよう」と心の中で呟くだけでも効果があります。過去のプレーはもう取り戻せません。考えるべきは、常に「今、この瞬間」と「次のプレー」です。

集中力を維持するためのルーティン

試合中、常に高い集中力を保ち続けるのは困難です。集中力には波があることを理解し、ポイント間やセットの合間に意識的に集中力を高める工夫が必要です。そのために有効なのが、自分だけのルーティンを持つことです。

例えば、

  • サーブを打つ前に、必ずシャトルを2回床でつく
  • ポイント間に、必ずタオルで汗を拭きながら呼吸を整える
  • コートチェンジの際に、必ず決まったドリンクを一口飲む

といった、ごく簡単な動作で構いません。毎回同じ行動を繰り返すことで、精神的な落ち着きを取り戻し、プレーに集中するためのスイッチを入れることができます。 試合の緊張した場面でも、いつも通りのルーティンを行うことで、平常心に近い状態でプレーに臨むことができるようになります。

劣勢の場面で冷静さを保つ思考法

試合でリードされている劣勢の場面では、焦りや不安から冷静な判断が難しくなりがちです。「早く追いつかなければ」という気持ちが空回りし、無理な攻撃を仕掛けてミスを連発してしまうことも少なくありません。

このような苦しい場面でこそ、「今、自分にできることは何か」を冷静に考えることが重要です。 例えば、「まずは1点ずつ確実に返していこう」「相手のミスを待つ、我慢強いラリーをしよう」といったように、思考をシンプルにします。

点差を一度に縮めることはできません。まずは目の前の一点をどう取るかに集中するのです。大きく離された点差を見るのではなく、「次の1点」に意識を向けることで、余計なプレッシャーから解放され、プレーの質を取り戻すきっかけになります。苦しい時こそ、深呼吸をして落ち着き、基本的な戦術に立ち返ることを考えましょう。

まとめ:試合中に考えることを整理して勝利を掴もう

この記事では、バドミントンの試合中に考えるべきことを、基本的な思考法からシングルス・ダブルスの戦術、メンタルコントロールに至るまで幅広く解説しました。

試合中に考えるべきことは多岐にわたりますが、要点をまとめると以下のようになります。

  • 基本: まずは相手と自分、そしてコート全体を観察・分析する。
  • 序盤: ラリーを続けながら情報を集め、勝ちパターンを探る。
  • シングルス: 相手を四隅に動かし、弱点を突き、自分の得意な形に持ち込む。
  • ダブルス: ペアと連携し、攻撃の形を作り、守備からチャンスを窺う。
  • メンタル: ミスを引きずらず、ルーティンで集中力を保ち、劣勢でも冷静さを失わない。

これらの思考法をすぐに全て実践するのは難しいかもしれません。まずは「相手のバックハンドを狙ってみよう」「打った後は必ず中央に戻ろう」など、一つでも二つでも意識してプレーに取り入れてみてください。試合中に「考える」癖をつけることで、プレーの質は格段に向上し、勝利がぐっと近づくはずです。

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