バドミントンの試合を観戦したり、実際に審判を務めたりする際、英語でのコールに戸惑った経験はありませんか。国内の大会でも公式戦では英語でのコールが標準となっており、正しいバドミントンの審判コールや英語の読み方を理解しておくことは、競技を楽しむ上で非常に大切です。
国際大会のような本格的な場だけでなく、地域のオープン大会などでも英語のコールが使われる機会は増えています。審判の言葉一つで試合の進行がスムーズになり、選手も集中してプレーに打ち込めるようになります。この記事では、基本から応用まで、審判が使うべき英語フレーズを丁寧に解説します。
審判の役割は、単に点数を数えるだけではありません。コート上の「支配者」として、公平かつ明確にルールを適用し、それを選手や観客に伝える責任があります。英語が苦手な方でも、カタカナでの読み方を添えて紹介しますので、ぜひ最後までチェックして自信を持ってコールできるようになりましょう。
バドミントンの審判コールと英語の読み方の基本ルール

バドミントンの主審(アンパイア)が最初に行うのは、選手紹介と試合開始の宣言です。ここでは、最も基本的でありながら、試合の雰囲気を作る重要なコールについて見ていきましょう。聞き取りやすいハキハキとした声で発声することがポイントです。
選手紹介とサービス権のコール
試合開始前、主審は両サイドの選手を紹介します。右側にいる選手を「On my right(オン・マイ・ライト)」、左側にいる選手を「On my left(オン・マイ・レフト)」と呼びます。これに続いて、どちらが先にサービスを打つかを宣言します。
例えば、「On my right, A. On my left, B. A to serve.」という流れになります。読み方は「オン・マイ・ライト、A。オン・マイ・レフト、B。A・トゥ・サーブ」です。ここで重要なのは、選手の名字をはっきりと発音し、誰がサーバーなのかを明確にすることです。
ダブルスの場合は、「On my right, A and B. On my left, C and D. A to serve to C.」のように、サーバーとレシーバーの両方を指名します。これにより、ローテーションのミスを防ぐ役割も果たしています。落ち着いて、一人ひとりの名前を丁寧に呼び上げましょう。
【選手紹介の基本定型文】
Ladies and gentlemen, on my right, [選手名], [国籍/所属]; and on my left, [選手名], [国籍/所属].
[選手名] to serve; love all, play.
「0対0」を表すLove allの読み方と意味
試合開始の合図として使われるのが「Love all, play(ラヴ・オール・プレイ)」です。バドミントンでは、0点のことを「Love(ラヴ)」と呼びます。これはテニスなどのラケットスポーツ共通の表現で、一説には卵を意味するフランス語が由来と言われています。
「Love all」は「両者0点」という意味です。読み方はそのまま「ラヴ・オール」となります。審判はこのコールをした直後に「Play(プレイ)」と付け加え、試合の開始を促します。この「Play」の瞬間から、シャトルがインプレーの状態になります。
初心者の方は「Zero all(ゼロ・オール)」と言ってしまいがちですが、公式な審判コールでは必ず「Love」を使います。この独特の表現に慣れることが、バドミントン審判への第一歩です。最初のコールは特に緊張しますが、堂々と発声しましょう。
「Love all」は各ゲームの開始時だけでなく、セッティング(延長戦)に入った際の「0対0」の場面でも使用されます。常に「始まり」を意識させるコールです。
点数の数え方と読み方のコツ
点数をコールする際は、常にサーバー(サービスを打つ側)の得点を先に言います。例えば、サーバーが5点でレシーバーが3点なら「5-3(ファイブ・スリー)」となります。同点の場合は「5 all(ファイブ・オール)」のように、数字の後に「all」をつけます。
読み方の注意点として、11点になった時は「Eleven(イレブン)」、20点になった時は「Twenty(トゥエンティ)」と明確に発音します。特に「Fifteen(15)」と「Fifty(50:バドミントンでは使いませんが混同注意)」などの聞き間違いを防ぐため、語尾をはっきりさせることが大切です。
また、点数が動くたびに審判は即座にコールしなければなりません。ラリーが終わった瞬間、どちらのポイントかを判断し、一呼吸置いてから点数を告げます。このテンポの良さが、試合のリズムを作ることにつながります。
試合をコントロールする進行管理のコール

試合は点数のコールだけで進むわけではありません。インターバルやコートチェンジなど、試合の節目を管理するのも審判の重要な仕事です。ここでは進行に関わる英語フレーズを確認しましょう。
インターバルの開始と終了の合図
バドミントンでは、どちらかの点数が11点に達したときに60秒間のインターバルがあります。このとき審判は点数をコールした後、「Interval(インターバル)」と宣言します。読み方は「インターヴァル」で、Vの音を意識するとより本格的です。
インターバルが終わる20秒前には「Court 1, 20 seconds(コート・ワン、トゥエンティ・セカンズ)」と呼びかけ、選手にコートへ戻るよう促します。そして時間が来たら、再度点数をコールして「Play」と告げ、試合を再開させます。
ゲーム間のインターバルは120秒(2分)です。この場合も同様に、残り20秒のタイミングでアナウンスを行います。選手がリフレッシュし、次の戦いに備えるための大切な時間ですので、正確な計時と明確なアナウンスが求められます。
ゲームの決着を伝えるフレーズ
ゲームが終了したときは、「Game won by [選手名/チーム名] [スコア]」とコールします。例えば「Game won by A, 21-15」となります。読み方は「ゲーム・ウォン・バイ・A、トゥエンティワン・フィフティーン」です。
第1ゲームが終わった後は「First game won by…」、第2ゲームなら「Second game won by…」と言い分けます。ファイナルゲーム(第3ゲーム)の場合は、単に「Match won by…」とコールして、試合全体の勝者を宣言します。
このコールを行う際は、スコアシートに記入する時間も考慮しつつ、観客にも勝者が誰であるかが伝わるように、ゆっくりと大きな声で発話するのがマナーです。選手の健闘を称えるような気持ちを込めてコールしましょう。
チェンジエンズ(コート交代)の指示
第2ゲームが始まる前や、ファイナルゲームでどちらかが11点に達したとき、選手はコートを入れ替えます。この際、審判は「Change of ends(チェンジ・オブ・エンズ)」とコールします。読み方は「チェンジ・オヴ・エンズ」です。
ファイナルゲームでのコート交代は、点数の動きが激しいため忘れがちです。11点になった瞬間に「11-10, change of ends」と続けてコールすることで、スムーズな入れ替えを促すことができます。選手が混乱しないよう、手で方向を指し示すジェスチャーを添えるとより親切です。
また、インターバル中に選手がコートを離れる場合なども、審判は常に目を配っておく必要があります。進行が遅れないよう、この「Change of ends」のコールを起点に次の動作をリードしていきましょう。
| 場面 | 英語コール | 読み方(カタカナ) |
|---|---|---|
| インターバル | Interval | インターヴァル |
| コート交代 | Change of ends | チェンジ・オヴ・エンズ |
| 残り20秒 | 20 seconds | トゥエンティ・セカンズ |
反則(フォルト)やレットを伝える際の重要コール

試合中にルール違反が起きた際、毅然とした態度でコールをすることも審判の大きな役割です。特にサービスに関する反則は細かく定められているため、正しい用語を覚えておく必要があります。
サービスフォルトの種類と伝え方
サービス時の反則は「Service fault called(サービス・フォルト・コールド)」と宣言されます。サービスジャッジがいる場合は、ジャッジがジェスチャーを行い、主審がそれを判定として採用します。サービスジャッジがいない試合では、主審が自ら判断します。
代表的なものに、シャトルを打つ位置が高すぎる「Too high(トゥー・ハイ)」があります。これは、発射の瞬間にシャトル全体が床面から115cmを超えてはならないというルールに基づいています。以前の「ウエスト」基準から変更されているので注意しましょう。
他にも、サーバーの足が動いてしまう「Foot fault(フット・フォルト)」や、ラケットのシャフトが下を向いていないといった違反があります。これらを指摘する際は、まず「Fault(フォルト)」と大きくコールし、その後に理由を短く添えます。
プレー中の反則(タッチネットなど)
ラリー中に起きる反則で多いのが、選手がネットに触れてしまう「Touch net(タッチ・ネット)」や、ラケットがネットを越えて相手コートでシャトルを打つ「Over the net(オーヴァー・ザ・ネット)」です。これらは瞬時の判断が求められます。
また、シャトルが選手の体に触れた場合は「Touched player(タッチト・プレイヤー)」となります。読み方は「タッチト・プレイヤー」です。選手自身が気づかない場合もあるため、審判が確信を持ってコールしなければなりません。
これらのコールを行うときは、手を高く挙げるなどのシグナルを併用することで、選手や観客に「なぜプレーが止まったのか」を視覚的に伝えることができます。言葉だけでなく、態度でも明確に示すことが重要です。
【主な反則コール一覧】
・Fault(フォルト):反則全般
・Double hit(ダブル・ヒット):二度打ち
・Distracting(ディストラクティング):相手への妨害行為
・Invasion(インヴェイジョン):ネットの下を潜るなどの侵入
やり直しを指示する「Let」のコール
不測の事態が起きたとき、ラリーを無効にしてやり直させることを「Let(レット)」と言います。例えば、隣のコートからシャトルが入ってきたときや、レシーバーの準備ができる前にサービスが打たれたときなどに使われます。
読み方はそのまま「レット」です。審判が「Let」とコールした瞬間、そのラリーでの出来事はすべて無効となり、同じスコアからサービスをやり直します。この際、なぜレットにしたのかを選手に簡潔に説明することもあります。
「Let」は選手の安全を守るためや、公平な競技環境を維持するために非常に便利なコールです。迷った際、そのままプレーを続けさせるのが危険だと判断したら、迷わず「Let」を宣告する勇気を持ちましょう。
ゲーム・マッチポイントの宣言と試合終了の報告

試合がいよいよ佳境に入ると、審判のコールも緊張感を帯びてきます。勝利まであと1点という状況を知らせるコールは、会場全体の注目を集めます。
ゲームポイントとマッチポイントの違い
そのゲームの勝敗が決まる1点前の状態を「Game point(ゲーム・ポイント)」と言います。例えば、第1ゲームで20対15の場合、「20-15, game point」とコールします。これにより、次でゲームが終わる可能性があることを全員に知らせます。
一方、その1点で試合全体の勝敗が決まる場合は「Match point(マッチ・ポイント)」を使います。2ゲーム先取制において、1ゲームを取っている選手が20点に達したとき、あるいはファイナルゲームで20点になったときにこのコールを行います。
読み方は「ゲーム・ポイント」「マッチ・ポイント」です。このコールは義務ではありませんが、公式戦では試合の盛り上がりを演出する役割も果たします。落ち着いて、しかし決定的な瞬間であることを意識して発声しましょう。
セッティング(20平以降)に入った場合、2点差がつくまで、あるいは30点に達するまで「Game point」や「Match point」を毎ポイントごとにコールし続けます。
試合終了時の最終スコアの伝え方
試合が決着した瞬間、主審は立ち上がり、勝者を指し示しながら「Match won by [選手名] [スコア]」と高らかに宣言します。例えば「Match won by A, 21-18, 21-15」といった形式です。
読み方は「マッチ・ウォン・バイ・A、トゥエンティワン・エイティーン、トゥエンティワン・フィフティーン」となります。もしフルゲーム(3ゲーム)まで行った場合は、3つのスコアを順番に読み上げます。この際、勝者のスコアを常に先に言うのがルールです。
最後に選手と握手をし(最近はラケットを合わせる形も多いですが)、審判台を降りるまでが仕事です。最後のアナウンスが終了するまで、気を抜かずに正確な情報を伝えるように心がけてください。
スコアシート(記録用紙)への記入と整合性
審判が口頭でコールする内容と、手元のスコアシートに記入する内容は完全に一致していなければなりません。英語でコールしながら数字を書き込む作業は慣れが必要ですが、非常に重要です。
特にダブルスの場合、誰がどのエンドから打ったか、誰がレシーブしたかを正確に記録します。コールを間違えてしまった場合は、すぐに「Correction(コレクション:訂正)」と言って正しいスコアを言い直します。読み方は「コレクション」です。
間違えたまま進行すると、後に大きなトラブルに発展する可能性があります。もしミスに気づいたら、勇気を持って「Correction, 10-12」のように訂正のコールを行いましょう。正確さが審判への信頼に直結します。
審判としての振る舞いと英語でのマナー

審判は単に言葉を発するだけでなく、その立ち振る舞いを通じて試合の質を高めます。国際的な基準に合わせた英語のマナーを身につけることで、より尊敬される審判になれるでしょう。
大きな声でクリアに発音する大切さ
英語のコールで最も大切なのは、発音の良し悪しよりも「通る声」であることです。広い体育館では声が反響しやすいため、一語一語を区切るようにして、腹の底から声を出すイメージで発声します。
特に数字の「5(Five)」と「9(Nine)」、あるいは「13(Thirteen)」と「30(Thirty)」などは聞き間違えやすい単語です。語尾の「ブ」や「ヌ」、あるいはアクセントの位置を意識することで、聞き取りやすさが劇的に向上します。
審判台の上では孤独ですが、あなたの声が試合の基準となります。自信なさげに小さな声でコールすると、選手の判定への不信感につながることもあります。たとえ英語に自信がなくても、堂々とした態度でコールを続けましょう。
不適切な行為への警告(カードの提示)
試合中、選手の態度が悪い場合や遅延行為があった場合、審判は警告を与える必要があります。英語では「Warning for misconduct(ワーニング・フォー・ミスコンダクト)」と呼びます。直訳すると「不適切な行為に対する警告」です。
イエローカードを提示する際は「[選手名], warning for misconduct」とコールします。さらに重い違反にはレッドカード(相手に1点加算)を提示し、「[選手名], fault for misconduct」と言います。この際の「Fault」は点数に関わる重大な宣言です。
読み方は「ワーニング・フォー・ミスコンダクト」「フォルト・フォー・ミスコンダクト」です。こうした厳しい措置をとる際こそ、感情を入れず冷静に、マニュアル通りの英語フレーズを淡々と述べることが公平性を保つ秘訣です。
IRS(インスタント・レビュー)への対応
最近の大きな大会では、選手のチャレンジ(ビデオ判定)が認められています。選手が「Challenge!」と叫んだ際、主審はそれを受けて「[選手名] challenges. Line judge called ‘OUT’, player challenged ‘IN’.」のように状況を英語で説明します。
読み方は「[選手名]・チャレンジィズ。ライン・ジャッジ・コールド・アウト、プレイヤー・チャレンンジド・イン」です。その後、スクリーンに判定が出るのを待ち、結果が出たら「Decision reversed(ディシジョン・リヴァースド:判定覆り)」または「Decision stands(ディシジョン・スタンズ:判定通り)」と宣言します。
これらは非常に高度な審判技術ですが、基本的なフレーズを知っておくだけでも、トップレベルの試合を観戦する際の理解度が深まります。審判がどのようにテクノロジーと連携して試合を進めているか、その一端を英語から感じ取ってみてください。
【チャレンジ関連の英語】
・Challenge: チャレンジ(ビデオ判定要求)
・Decision reversed: 判定を覆す(読み:ディシジョン・リヴァースド)
・Decision stands: 判定維持(読み:ディシジョン・スタンズ)
・One challenge remaining: 残りチャレンジ1回
まとめ:バドミントンの審判コールと英語の読み方をマスターして自信を持とう
ここまで、バドミントンの審判コールと英語の読み方について詳しく解説してきました。審判の英語は一見難しそうに感じますが、使われるフレーズはある程度決まっており、パターンを覚えれば誰でも使いこなすことができます。
大切なのは、選手のプレーを尊重し、公平な判断を正確な英語で伝える姿勢です。最初は「Love all, play」や点数の数え方といった基本から練習し、徐々にインターバルや反則のコールにも慣れていきましょう。英語でのコールができるようになると、バドミントンというスポーツの国際的な広がりをより身近に感じられるはずです。
審判を任されたときは、この記事で紹介した読み方を参考に、大きな声で自信を持ってコールしてみてください。あなたのスムーズな進行が、素晴らしい試合を作り上げる土台となります。ルールへの理解を深め、審判という立場からもバドミントンの魅力を存分に味わってください。




