バドミントンの上達を目指す際、元プロ選手の指導を直接受ける機会はなかなかありません。しかし、現代ではYouTubeを通じて、かつて世界を舞台に戦ったトッププレーヤーの技術や考え方を無料で学べるようになりました。元プロバドミントン選手のYouTubeチャンネルを活用すれば、独学では気づけない細かなポイントや、戦術の深さを知ることができます。
この記事では、バドミントン経験者から初心者まで、特におすすめしたい元プロ選手のYouTubeチャンネルを紹介します。それぞれのチャンネルの特徴や、動画を視聴して練習に活かすための具体的なステップについても詳しく解説します。自分に合った指導スタイルのチャンネルを見つけて、日々の練習をより質の高いものに変えていきましょう。
元プロバドミントン選手のYouTubeチャンネルがおすすめな理由

なぜ多くのアマチュアプレーヤーに、元プロバドミントン選手のYouTubeチャンネルがおすすめなのでしょうか。その理由は、単に技術が優れているだけでなく、プロにしか見えていない「プレーの言語化」が非常に優れているからです。まずは、プロの動画を視聴することで得られる大きなメリットを整理しておきましょう。
世界レベルの理論と「感覚」を無料で学べる
トッププロとして活躍した選手たちは、極限の状態でのシャトルコントロールや、相手との駆け引きを数え切れないほど経験しています。彼らが発信している技術動画には、「なぜそのショットを打つのか」「どこを見て準備しているのか」といった、教科書には載っていない深い理論が含まれています。
以前は高額な講習会や書籍でしか学べなかったような知識が、現在は動画を通じて誰でも手軽に手に入ります。特に、シャトルを捉える瞬間のラケットワークや指先の使い方は、静止画よりも動画の方が圧倒的に理解しやすく、自分の感覚を磨くための大きなヒントになります。
また、元プロ選手は自身の失敗経験や、スランプをどう乗り越えたかといったメンタル面の話もシェアしてくれることがあります。技術面だけでなく、競技に向き合う姿勢そのものを学べる点は、他のレッスン動画にはないプロならではの強みと言えるでしょう。
自分のレベルに合った指導者を見つけやすい
一口に元プロ選手と言っても、シングルスのスペシャリストからダブルスの名手、さらにはジュニア指導に定評のある方まで多種多様です。自分のプレースタイルや現在の課題に合わせて、最適な「YouTube上の師匠」を選べるのが大きな魅力です。
例えば、シングルスの粘り強いプレーを目指すなら桃田賢斗選手の動画、ダブルスの前衛でのスピードを追求するなら垣岩令佳選手の動画といったように、目的に応じた使い分けが可能です。複数のチャンネルを比較することで、同じショットでも異なるアプローチがあることに気づき、より自分に合った方法を見つけ出すことができます。
また、コーチングをメインに活動している元プロ選手のチャンネルであれば、視聴者からの質問に答えてくれるコーナーがあることも珍しくありません。トッププレーヤーとの距離がこれほどまでに近く感じられるのは、YouTubeというプラットフォームならではの恩恵です。
動画の視覚情報でフォームの修正がスムーズになる
バドミントンの上達において、自分のフォームを客観的に見ることは欠かせません。プロの動画をお手本として繰り返し視聴することで、脳内に「正しい動きのイメージ」が焼き付きます。このイメージがある状態で練習に臨むと、自分の動きとのズレに気づきやすくなります。
特に最近のYouTube動画はスロー映像やマルチアングルでの撮影が多用されており、ラケットの面を作るタイミングや重心移動のプロセスを細部まで観察できます。視覚的に情報をキャッチできるため、言葉だけでは伝わりにくいニュアンスも直感的に理解できるのがメリットです。
スマホ1台あればコートの上で即座に動画を確認し、その場でフォームを修正することも可能です。元プロの動きと自分の動きを交互に見比べる習慣をつけることで、我流の癖がつくのを防ぎ、効率的に上達の階段を上っていくことができます。
技術解説が最高峰!スキルアップに最適な元プロのチャンネル

ここからは、具体的にチェックしておくべきおすすめのYouTubeチャンネルを紹介します。技術解説のクオリティが非常に高く、視聴するだけで明日からの練習が変わるような、バドミントン上達に欠かせない人気チャンネルを厳選しました。
圧倒的な技術理論を学べる「TAGO KEN(田児賢一)」
元世界ランキング3位の田児賢一氏によるチャンネルです。バドミントン界屈指のテクニシャンとして知られた彼ならではの、非常にロジカルで深い技術解説が特徴です。特に、フットワークの「待ち方」や、無駄を削ぎ落としたラケットワークの解説は、中上級者でも驚くような発見に満ちています。
このチャンネルの魅力は、プロの感覚を徹底的に言葉にして伝えてくれる点です。「なんとなく打つ」のではなく、なぜその角度で入れるのか、なぜ一歩目を急いではいけないのかといった、プレーの本質を突くアドバイスが満載です。技術に対する厳しいこだわりが、視聴者の上達を強力にバックアップしてくれます。
また、現在のトップ選手のプレーを元プロの視点で分析する解説動画も非常に人気があります。戦術的な視点が養われるため、試合での勝ち方に悩んでいるプレーヤーにとっては、バイブルとも呼べるチャンネルになるはずです。有料級の知識をこれでもかと惜しみなく公開している姿勢も高く評価されています。
世界一の精度を体感できる「桃田賢斗 / Kento Momota」
日本バドミントン界のレジェンド、桃田賢斗選手の公式チャンネルです。世界トップを極めた彼自身のデモンストレーションが見られるだけでも価値がありますが、初心者や子供たちに向けた丁寧なアドバイス動画も充実しています。桃田選手が得意とするヘアピンや正確なクリアの打ち方は、全バドラーが見るべき内容です。
動画内では、実際にコートで動きながらポイントを解説しており、トッププレーヤー特有の「しなやかな体の使い方」を視覚的に学ぶことができます。派手なテクニック以上に、基本の徹底がいかに大切かを、彼の圧倒的なパフォーマンスを通じて再認識させてくれるでしょう。
また、プライベートな一面やオフショットも見られるため、ファンにとっても楽しめる構成になっています。厳しい勝負の世界で戦ってきた彼の言葉には重みがあり、モチベーション維持にも役立ちます。世界一を経験した人しか見えていない景気を、動画を通じて少しだけ共有してもらえる貴重なチャンネルです。
シニアや市民プレーヤーの救世主「藤本ホセマリ」
全日本シニア選手権で数多くの優勝経験を持つ、藤本ホセマリ氏のチャンネルです。実業団選手として活躍した後、現在はプロの指導者として活動しているため、解説の分かりやすさは随一です。特に、加齢に伴う体力的な問題をどうカバーするかといった、大人のバドラーに役立つコンテンツが豊富です。
彼の動画では、厳しいトレーニングだけでなく、「いかに楽に、効率的に打つか」という視点が重視されています。グリップの握り替えや、小さなモーションでシャトルを飛ばすコツなど、すぐに実践できる具体的なテクニックが満載です。市民大会での勝利を目指す人にとって、これほど頼もしいチャンネルはありません。
また、ジュニアからシニアまで幅広い層への指導経験に基づいた内容は、非常に再現性が高いのが特徴です。自分自身の試合動画の反省会などもアップされており、プロがどこを反省し、次に向けてどう修正しているのかというプロセスを学べるのも大きなメリットです。
【おすすめチャンネル比較表】
| チャンネル名 | 主な配信者 | 特徴・得意分野 |
|---|---|---|
| TAGO KEN | 田児賢一 | 超高度な技術理論、戦術分析、本質的な解説 |
| 桃田賢斗 / Kento Momota | 桃田賢斗 | 世界一の基本技術、ネットプレー、スター性 |
| 藤本ホセマリのホセチャン | 藤本ホセマリ | シニア・市民向け技術、効率的な体の使い方 |
戦術やダブルスの配球を極める!元プロ視点の解説動画

シングルスとは異なり、ダブルスは2人のコンビネーションや緻密な配球が勝敗を分けます。ダブルスのスペシャリストとして活躍した元プロ選手の動画は、ローテーションの基本や相手を崩すための戦術を学ぶのに最適です。ペアを組んでいる相手と一緒に視聴することで、共通認識を持つことができます。
女子ダブルスの極意が詰まった「カキイワチャンネル(垣岩令佳)」
ロンドン五輪銀メダリストの垣岩令佳氏が発信しているチャンネルです。世界を制した「フジカキ」ペアの一角として培ったダブルスの技術、特にレシーブの粘りや前衛での詰め方は非常に参考になります。女性プレーヤーならではの繊細なタッチや、パワーに頼らない配球の妙を学ぶことができます。
ダブルスにおけるペアとのコミュニケーションや、苦しい場面でのしのぎ方など、精神面のアドバイスも豊富です。動画は親しみやすい雰囲気で構成されており、初心者の方でも気負わずに視聴できるのが魅力です。基本的なフォーム解説も丁寧で、基礎から見直したいダブルスプレーヤーにおすすめです。
また、指導者としての視点も持ち合わせているため、アドバイスが具体的で実践的です。「なぜここでこのコースを狙うのか」という意図が明確に語られるため、動画を見終えた後には、コート上の景色が少し違って見えるようになるでしょう。ダブルスを本気で楽しみたい人にとって必見の内容です。
実戦的な駆け引きを学べる「川前直樹」の戦術解説
元日本代表でダブルスの名手として知られた川前直樹氏の指導動画も非常に価値があります。多くのコラボ動画やレッスン企画に登場しており、相手の裏をかくサーブ周りの攻防や、攻撃を継続させるためのローテーション理論を分かりやすく説いています。
彼の解説は「確率」と「予測」を重視したものが多く、なんとなくプレーしてしまいがちなダブルスの動きに論理的な裏付けを与えてくれます。特に、スマッシュを打った後の動きや、相手に上げさせるための配球パターンは、すぐに試合で活かせるものばかりです。
ダブルスの戦術を学ぶ動画は数多くありますが、トップレベルでの実戦経験に基づいた「生きている言葉」には説得力が違います。自分のプレースタイルが攻撃型か守備型かを問わず、ダブルスの質を一段階引き上げるためのヒントが随所に散りばめられています。
試合全体の流れを読む力を養える解説動画の活用法
技術そのものだけでなく、元プロ選手が過去の有名試合や視聴者の試合映像を分析する「解説動画」も積極的に活用しましょう。プロの視点で試合を見ると、1球1球のショットにどのような意図があるのか、どのタイミングで流れが変わったのかが見えてきます。
「この場面ではクロスに打つのが定石」「あえて甘い球を打って誘い出している」といった解説を聞くことで、プレーの引き出しが増えていきます。バドミントンは身体能力だけでなく、知的なスポーツでもあります。動画を通じて「バドミントン脳」を鍛えることが、結果として上達への近道となります。
自分と同じレベルのプレーヤーの動画を、プロがどう添削しているかを見るのも非常に勉強になります。自分では気づけなかった癖や、非効率な動きを指摘される様子を見ることで、セルフチェックの能力が高まっていくからです。ただ見るだけでなく、解説を自分事として捉えることがポイントです。
ダブルスの戦術動画を見るときは、画面全体の動きを把握するために、テレビの大画面やPCで視聴することをおすすめします。プレーヤーの足元だけでなく、ペア同士の距離感や相手の崩れ方まで細かく観察しましょう。
初心者・ジュニア必見!基礎を固めるためのおすすめ動画活用法

バドミントンを始めたばかりの初心者や、将来を目指すジュニア選手にとっても、YouTubeは最高の学習教材です。最初からプロの正しい動きを見て基礎を固めることは、将来的な伸び代に大きな影響を与えます。ここでは、基礎力を高めるための効率的な動画活用法を紹介します。
正しいグリップとスイングの基本を元プロから学ぶ
バドミントンで最も重要な「グリップ」や「スイング」こそ、元プロの動画で徹底的に確認しましょう。我流で変な癖がついてしまうと、後から修正するのは非常に大変です。プロが実演する指の使い方や、腕の脱力の仕方をスロー再生で何度も確認し、自分の中に「正解」を作り上げてください。
特にイースタングリップからバックハンドへの握り替えなどは、静止画の解説では理解しにくいポイントです。動画であれば、プロがどのように親指を動かし、瞬時に面を切り替えているかが一目瞭然です。この基本が身についているだけで、その後の上達スピードは飛躍的に高まります。
ジュニア選手の場合、まずはプロの動きを「真似っこ」することから始めるのが良いでしょう。理屈で理解する前に、視覚的なイメージで体を動かすことで、自然と効率的なスイングが身についていきます。初心者向けの解説動画をシリーズで配信しているチャンネルも多いため、ステップバイステップで学んでいきましょう。
フットワークの「一歩目」を劇的に速くするコツ
多くの初心者が苦労するのが、コートの中を自在に動き回るフットワークです。元プロ選手の動画では、リアクションステップ(相手が打つ瞬間の予備動作)の重要性や、蹴り出す足の角度などが詳しく解説されています。「足が遅いのではなく、一歩目の出し方が間違っている」という指摘に、救われるプレーヤーも多いはずです。
動画では、プロの無駄のない足運びを横からのアングルや後ろからのアングルで確認できます。どのように重心を低く保ち、どのタイミングで体重移動を行っているか。これを自分の動きに取り入れることで、シャトルへの到達時間が劇的に短縮されます。
フットワーク練習は地味で辛いものですが、元プロが「なぜこの練習が必要なのか」を熱心に語っている動画を見ると、練習の目的が明確になります。目的意識を持って取り組むフットワーク練習は、ただ漠然と走るよりも何倍も効果的です。
子供と一緒に見たい!モチベーションを高めるプロの姿勢
ジュニア選手の指導において、動画は技術習得だけでなく、メンタル面の教育にも役立ちます。トッププロがどのような想いで練習に励み、試合でどのように最後まで諦めずに戦うか。動画を通じてその姿勢を間近で見せることは、言葉で説教するよりもずっと子供の心に響きます。
試合動画だけでなく、プロ選手のルーティンや日常を映した動画を一緒に楽しむのも良いでしょう。一流選手としての立ち振る舞いや、周囲への感謝の気持ちを語る場面を見せることで、スポーツマンとしての品格を学ぶきっかけになります。
また、「自分もいつかあんな風になりたい」という憧れの気持ちを持たせることが、厳しい練習を乗り越える最大の原動力になります。親子のコミュニケーションツールとしてYouTubeを活用し、共通の「お手本」を持つことで、アドバイスもよりスムーズに伝わるようになるはずです。
YouTube動画を練習成果に繋げるための実践ステップ

YouTubeでおすすめのチャンネルを見ているだけでは、残念ながら技術は向上しません。大切なのは、得た知識をいかにリアルの練習に落とし込むかという点です。動画視聴を成果に直結させるための、具体的で効果的な3つのステップを紹介します。
お手本動画と自分のフォームを徹底的に比較する
まずは自分のプレーをスマホで撮影することから始めましょう。そして、元プロのお手本動画と自分の動画を並べて比較してみてください。「ラケットが上がるタイミングは同じか」「足の踏み込み位置はどうか」と細かくチェックすると、驚くほど多くの違いが見つかるはずです。
この「差」を見つける作業こそが、上達の鍵となります。自分ではプロの真似をしているつもりでも、動画で見ると全く別の動きになっていることが多々あります。客観的に自分の姿を確認することで、どこをどう直すべきかが明確になり、練習の効率が飛躍的にアップします。
最近は動画の二画面表示ができるアプリなどもあるため、これらを活用して細部まで突き合わせてみましょう。プロのしなやかな動きと自分の硬い動きの違いを認め、少しずつ近づけていくプロセスを楽しめるようになれば、上達はもうすぐそこです。
「これだ!」と思った1つの技術を1ヶ月継続する
YouTubeには魅力的な動画が溢れているため、あれもこれもと手を出してしまいがちです。しかし、一度に多くのことを吸収しようとすると、結局どれも中途半端に終わってしまいます。おすすめは、これだと決めた1つのテーマを1ヶ月間徹底的に意識することです。
「今月はヘアピンの指先の感覚だけをプロの真似をする」「今月はリアクションステップのタイミングだけを意識する」といったように、課題を絞り込みましょう。他のショットが多少乱れても構いません。特定の技術を動画のレベルまで引き上げることに集中することで、体にその動きがしっかりと定着します。
1ヶ月後にその技術が身についていれば、それはあなたの確固たる武器になります。これを積み重ねていくことで、1年後には見違えるようなプレーヤーに進化しているはずです。焦らず、一歩ずつプロの技を自分のものにしていきましょう。
視聴後のアウトプット(メモや素振り)を習慣化する
動画を見て納得しただけでは、翌日にはその感覚を忘れてしまいます。視聴直後の新鮮な感覚を維持するために、必ずアウトプットを行いましょう。最も手軽で効果的なのは、「練習ノートにポイントを3つ書き出す」ことです。
言語化することで記憶が整理され、練習中に意識すべきことが明確になります。また、ノートに書くだけでなく、その場で立ち上がってラケットを握り(あるいは手ぶらで)数回素振りをするだけでも、脳と筋肉の繋がりが強化されます。
動画で見たラケットの角度や足の向きを、自分の体でなぞってみる。このひと手間があるかないかで、実際のコートに立った時の再現性が大きく変わります。「見て、書いて、動く」という一連の流れを習慣化し、YouTubeを単なる娯楽から最高のトレーニングツールに変えていきましょう。
まとめ:元プロバドミントン選手のYouTubeチャンネルで理想のプレーを
元プロバドミントン選手のYouTubeチャンネルは、上達を目指すすべてのバドラーにとって非常に強力な味方です。かつては一部のトップ選手しか知り得なかった高度な理論や感覚が、今では画面越しに惜しみなく共有されています。これらのおすすめ動画を活用しない手はありません。
今回紹介したチャンネルの要点を振り返ります。
【この記事の振り返り】
・元プロ選手の動画は「感覚の言語化」が優れており、深い理論を学べる
・田児賢一氏や桃田賢斗選手、藤本ホセマリ氏など、目的別に最適なチャンネルを選ぶ
・ダブルスの戦術は垣岩令佳氏や川前直樹氏の解説が非常に参考になる
・自分のフォームを撮影し、プロの動きと徹底比較することで課題を明確にする
・1つの技術を1ヶ月継続して練習し、ノートへのメモで知識を定着させる
バドミントンは非常に奥が深く、いくつになっても発見がある素晴らしいスポーツです。元プロ選手の知恵を借りることで、あなたのバドミントンライフはより豊かなものになるでしょう。まずは気になったチャンネルを一つ登録して、今日から憧れの選手のプレーをじっくり観察してみてください。日々の積み重ねが、あなたを理想のプレーヤーへと導いてくれるはずです。




