バドミントンの試合を見ているときや実際にプレーしているとき、審判が突然不思議な動きをして戸惑ったことはありませんか。バドミントンには多くの細かいルールがあり、それを瞬時に伝えるために多様なジェスチャーが定められています。
審判の動きにはすべて明確な理由があり、その意味を正しく理解することで、試合の流れをより深く楽しむことができます。また、選手自身がジェスチャーを把握していれば、判定に対して冷静に対応でき、プレーの質を向上させることにもつながります。
この記事では、バドミントンにおける審判のジェスチャー意味一覧を詳しく解説します。初心者の方から、改めてルールをおさらいしたい経験者の方まで、誰でも分かりやすいようにまとめました。審判の合図をマスターして、バドミントンの魅力を再発見しましょう。
審判のジェスチャー意味一覧!これだけは覚えたい基本の動き

バドミントンの試合を円滑に進めるためには、審判、選手、そして観客が共通の言語としてジェスチャーを理解していることが大切です。まずは、試合中に最も頻繁に目にすることになる、基本的な判定のサインから見ていきましょう。
バドミントンの審判団は、主に以下の3つの役割に分かれています。
1. 主審:試合全体の進行と最終的な判定を下す責任者です。
2. サービス審判員:サービスの違反(フォルト)を専門にチェックします。
3. 線審(ラインジャッジ):シャトルがラインの内か外かを判定します。
これら各担当がそれぞれのジェスチャーを使い分けることで、瞬時の判断を全員に共有しています。
インとアウトを示すラインジャッジのサイン
バドミントンで最も多く行われるジェスチャーは、シャトルがコート内に入ったか、外に出たかを示す線審の合図です。シャトルがコートの境界線より内側、あるいはライン上に落ちた場合は「イン」と判定されます。
この際、線審は右手を斜め下に向けて真っ直ぐに指し示します。指先でシャトルの落ちた場所を指すようなイメージですが、非常に力強く、誰が見ても分かるように行われるのが特徴です。この動作によって、主審は得点を宣告することができます。
逆に、シャトルがコートの外側に落ちた「アウト」の場合は、両腕を左右に水平に大きく広げます。この動作は、遠くにいる主審や反対側の選手からも一目で判別できるようになっており、バドミントンの試合における非常に象徴的なポーズの一つです。
サービス審判員が示すフォルトの合図
サービスはバドミントンにおいて非常に厳格なルールが適用される場面です。サービス審判員は、サーバーが打つ瞬間に反則がないかを鋭く監視しています。もし反則があった場合、審判は右手を斜めに挙げて「フォルト」を宣告します。
この際、具体的にどのルールに違反したのかを伝えるための追加ジェスチャーがあります。例えば、シャトルを打つ位置が高すぎた場合は、片方の手を水平にして胸のあたりに持ってくる動作を行います。これは、規定の高さ(1.15メートル以下)を超えて打ったことを意味しています。
また、サービスを打つ際に足が動いてしまった場合は、右足を指し示すような動作を行います。これらのサインは非常に素早く行われるため、見逃さないように注目してみてください。サービス時のマナーやルールを守ることは、フェアプレーの基本となります。
主審がプレーを止める「レット」のサイン
試合中に予期せぬトラブルが発生した際、主審は「レット(やり直し)」を宣告することがあります。例えば、隣のコートからシャトルが飛んできた場合や、線審が判定できなかった場合などがこれに当たります。このとき、主審は片手を高く垂直に上げます。
この挙手のジェスチャーは「ストップ」という意味も兼ねており、選手に対して即座にプレーを中断するよう促すものです。主審が手を挙げた時点でそのラリーは無効となり、前のスコアのまま同じサーバーがもう一度サーブを打ち直すことになります。
レットは選手の安全を守ったり、公平な試合環境を維持したりするために重要な判断です。主審はこのサインを出すとともに、マイクを使って「レット」とはっきりとコールします。観戦中はこの挙手が見えたら、何らかの中断があったのだと判断しましょう。
線審がシャトルの着地点を見失ってしまい判定が下せないときは、両目を手で覆うジェスチャーをします。これを見た主審は「レット」を宣告し、やり直しを指示します。
サービス時のフォルトを見抜く審判のジェスチャー

バドミントンのサービスには、競技特有の細かいルールが設定されています。特にプロの試合や公式大会では、サービス審判員が厳しい目でチェックを行っています。ここでは、代表的なサービスフォルトのジェスチャーとその意味を詳しく紐解いていきましょう。
シャトルの打点が高い「サービスオーバー」のサイン
バドミントンのサービスでは、シャトルを打つ瞬間の高さが厳密に決まっています。現在のルールでは、床面から1.15メートル以下の高さでシャトル全体を打たなければなりません。これを超えて高い位置で打ってしまう反則を「サービスオーバー」と呼ぶことがあります。
この反則を取った際、サービス審判員は右手のひらを水平にし、肋骨あたりの高さで横に差し出すジェスチャーを行います。これは「この高さよりも上で打った」という基準を示す意味があります。選手はこのサインを見ることで、自分の打点が少し高すぎたことを自覚できるのです。
かつては「ウエストより下」という曖昧な基準でしたが、現在は専用の測定器を用いて厳密に判断されています。サービスが有利になりすぎないように設けられたルールであり、審判はこのジェスチャーを通じて公平性を保っています。
足の不正な動き「フットフォルト」の判定
サービスを打つ瞬間、サーバーおよびレシーバーの両足は、一部がコートに接していなければならず、かつ境界線を踏んではいけません。この足に関する違反を指摘するのが「フットフォルト」のジェスチャーです。サービス審判員は、右足を伸ばして指し示すような動作をします。
具体的には、サービスを打つ前に足をずらしたり、ジャンプしたり、あるいはラインを踏み越えたりした際にこのサインが出されます。バドミントンにおいて足の位置を固定することは、サーバー側の過度な揺さぶりを防ぐために非常に重要な要素です。
もしサービス審判員が右足の方を指して手を動かしていたら、それは「足が動いた」か「ラインを踏んだ」ことを意味しています。選手はこのサインを指摘されたら、次のサービスからは足の位置や動かし方に細心の注意を払う必要があります。
シャトルの持ち方や羽を打つ違反のサイン
サービスのルールには、シャトルのどの部分を打つかという規定もあります。具体的には、最初にシャトルの「コルク部分」を打たなければなりません。もし羽の部分(フェザー)を先に打ってしまうと、変則的な回転がかかるため反則となります。
この反則を見つけたとき、サービス審判員は左手のひらを広げ、そこに右手の指先を添えるようなジェスチャーを行います。これは、シャトルを正しく捉えていないことを表現しています。選手が故意に回転をかけようとしたり、打ち損じたりした場合に出されることが多いサインです。
また、サービスの一連の動作が途中で止まってしまう「ディレイ(遅延)」も反則です。この場合は、腕を回すような仕草をして「動きが止まった」ことを示します。スムーズな試合進行と公平な条件でサービスが行われるよう、これらの細かいジェスチャーが活用されています。
プレー中の反則や中断を知らせるサインの詳細

ラリーが始まってからも、審判は選手の動きやシャトルの状態を厳しくチェックしています。バドミントンは非常にスピードが速いスポーツであるため、視覚的なジェスチャーがなければ判定の理由が伝わりにくいからです。ここではプレー中によく見られる反則のサインを解説します。
ネットに触れる「ネットタッチ」の動作
プレー中にラケットや体、ウェアの一部がネットやポストに触れてしまうと「ネットタッチ」という反則になります。このとき主審は、ネットを指し示すか、あるいはネットの上部に手を添えるような動作をしながら「フォルト」を宣告します。
特に激しいネット際での攻防(ヘアピンやプッシュなど)では、勢い余ってラケットがネットに触れてしまうことがよくあります。たとえシャトルを打ち終わった後であっても、プレーが継続している間に触れてしまえば失点となります。
審判はこの動作によって、なぜラリーが中断されたのかを明確にします。選手は自分のラケットが触れた自覚がない場合もありますが、審判のこのジェスチャーが出されたら、その判定に従わなければなりません。ネットタッチはバドミントンにおいて非常に基本的ながら、つい起こしてしまいがちな反則です。
相手の邪魔をする「オーバーネット」と妨害
ネットを越えて相手側のコート内でシャトルを打つことは、原則として禁止されています。これを「オーバーネット」と呼びます。ただし、自分のコート側で打った後のフォロースルー(振り抜き)でラケットがネットを越えるのは問題ありません。
審判がオーバーネットを宣告する場合、片方の手をネットの上で水平に動かし、境界線を越えたことを示します。また、相手が打とうとしているのをラケットを立てて邪魔したり、声を出しすぎたりして妨害した場合は「インターフェース(妨害)」のサインが出されることもあります。
これらのジェスチャーは、ネット付近でのプレーがいかにデリケートであるかを物語っています。審判は常にネットの垂直線を見ており、どちらのエリアで接触が起きたかを判断しています。オーバーネットのサインが出たときは、打点が前すぎたことを意味しています。
シャトルが体に触れる「タッチ・ザ・ボディ」
バドミントンでは、シャトルが選手の体や衣服に触れると、その時点で失点となります。これを「タッチ・ザ・ボディ」と呼びます。審判は自分の胸や肩を指差したり、体に触れる仕草をしたりして、シャトルが接触したことを伝えます。
この反則は、特にボディへのスマッシュをレシーブしようとした際や、アウトだと思って避けたシャトルが服をかすめた際によく起こります。本人は触れた感覚がなくても、審判が接触を確認していれば即座にラリーは終了します。
また、ラケットで2回連続してシャトルを打ってしまう「ダブルタッチ」や、ラケットにシャトルが乗ってしまう「ドリブル」などの反則もあります。これらの際も、審判は指を2本立てたり、手をすくい上げるような動作をして、具体的に何がいけなかったのかを視覚的に伝えます。
プレー中の反則による主審のジェスチャーまとめ:
・ネットタッチ:ネットの方向を指し示す。
・オーバーネット:ネットの上で手を横にスライドさせる。
・タッチザボディ:自分の体の一部を指差す。
・ダブルタッチ:指を2本立てて示す。
ラインジャッジ(線審)が示す正確な判定サイン

バドミントンの試合において、最もプレッシャーがかかり、かつ重要な役割の一つが線審です。シャトルが時速400キロを超えることもあるこのスポーツで、ラインギリギリの着地点を見極めるのは至難の業です。線審は独自のジェスチャーでその結果を主審に報告します。
シャトルがライン上に落ちた場合の判定
バドミントンにおいて、シャトルがラインに少しでも触れていれば、それは「イン」として扱われます。線審はラインの真横、あるいは延長線上に座り、その瞬間を見逃さないように凝視しています。判定が「イン」であった場合、線審は右手を力強く斜め下に突き出します。
この動作は、単に指を指すだけでなく、腕全体を使って明確に示す必要があります。これにより、主審は迷うことなく得点を与えることができます。また、インの判定は非常に速いスピードで行われるため、線審の集中力が試される場面でもあります。
もし選手がインだと思っていても、線審がインのジェスチャーをしなければ、それは判定として認められません。ただし、近年では「チャレンジ」と呼ばれるビデオ判定システムも導入されており、線審のジェスチャーに対して異議を申し立てることも可能になっています。
明らかにラインを越えた場合の大きな動作
シャトルがコートの境界線を完全に越えて外側に落ちた場合、線審は「アウト」のジェスチャーを行います。このとき、線審は両腕を左右に水平に、勢いよく広げます。さらに大きな声で「アウト!」とコールをすることもあります。
この両腕を広げる動きは、バドミントンの試合の中で最も分かりやすいジェスチャーの一つと言えるでしょう。観客席からもはっきりと見えるため、試合の状況を把握する大きな助けになります。アウトの判定が出ると、打った側の選手は失点し、相手側にポイントが入ります。
線審はこのジェスチャーを行う際、自分の担当するラインをシャトルが越えたかどうかだけを考えます。もしシャトルが自分の担当以外のライン(例えば横のラインではなく奥のライン)でアウトになった場合は、その担当の線審が腕を広げるまで、自分は動かないのがルールです。
判定不能や視界が遮られた際の対処
稀に、選手の体が邪魔になってシャトルの着地点が全く見えないことがあります。また、あまりに速すぎて判断が不可能な場合も起こり得ます。そんな時、線審は適当な判定を下すのではなく、「見えなかった」という意思表示を行います。
具体的には、両手で自分の目を覆うようなポーズを取ります。これは「私の視界が遮られて確認できなかった」という意味です。このジェスチャーを見た主審は、自分で判断を下すか、あるいは「レット(やり直し)」を宣告して、そのラリーをもう一度最初から行わせます。
線審がこのサインを出すのは勇気がいることですが、不正確な判定を下すよりも誠実な対応とされています。バドミントンの公平性を守るために、無理な判定を避けるための重要なセーフティ機能と言えるでしょう。このように、線審のジェスチャーには責任の重さが込められています。
| 判定 | ジェスチャーの内容 | 意味 |
|---|---|---|
| イン | 右手を斜め下に伸ばす | シャトルがコート内(ライン上)に落ちた |
| アウト | 両腕を左右に水平に広げる | シャトルがコート外に落ちた |
| 見えない | 両手で目を覆う | 選手の影などで着地点が確認できなかった |
イエロー・レッド・ブラックカードが持つ役割と意味

バドミントンの試合では、スポーツマンシップに反する行為や、遅延行為などに対して警告やペナルティが与えられます。サッカーのようにカードを使ったシステムが採用されており、主審が試合をコントロールするために使用します。それぞれのカードが持つ意味を確認しましょう。
警告を意味するイエローカードの出し方
イエローカードは、選手に対する最初の「警告」を意味します。不適切な言動、試合の遅延(汗を拭きすぎる、靴紐を何度も結び直すなど)、コーチによる不適切な助言などが対象となります。主審が右手を高く上げ、イエローカードを選手に示すことで宣告されます。
イエローカードを提示された時点では、得点に直接的な影響はありません。あくまで「次からは許しませんよ」という強いメッセージです。選手はこのカードを提示されたら、自分の態度を改め、冷静に試合に戻る必要があります。
もし同じ試合の中で2回目のイエローカードに相当する行為があった場合、それは自動的に次に説明するレッドカードへと昇格します。警告を重く受け止め、審判の指示に従うことが、プロフェッショナルな選手として求められる資質と言えます。
相手に得点が入るレッドカードの影響
レッドカードは「ペナルティ(罰則)」を意味します。1回目のイエローカードの後に再び違反を繰り返した場合や、非常に悪質なマナー違反(ラケットを投げつける、審判を侮辱するなど)があった場合に提示されます。主審はイエローカードの時と同様に、レッドカードを高く掲げます。
バドミントンにおけるレッドカードの恐ろしい点は、「相手に1点が入る」というペナルティがあることです。競り合っている場面でのレッドカードは、勝敗を決定づける致命的な一打になりかねません。これは、行為に対する厳しい制裁を意味しています。
レッドカードが出されると、主審は審判長(レフェリー)に報告を行うこともあります。選手にとってレッドカードは、精神的にも技術的にも大きなダメージを受けるものであり、これを避けるためには常にフェアプレーの精神を忘れてはいけません。
即座に失格となるブラックカードの重み
バドミントンで最も重い処分が「ブラックカード」です。これは「失格」を意味し、試合はその時点で終了します。ブラックカードは主審の一存で出すことはできず、審判長(レフェリー)と協議した上で、レフェリーから提示されるのが一般的です。
ブラックカードが出されるケースは極めて稀ですが、審判の指示を完全に無視し続けたり、暴力行為を行ったり、著しく試合の品位を損なう行為があった場合に適用されます。提示された選手はその試合に負けるだけでなく、大会からの追放などの重い処分が下されることもあります。
ブラックカードという名前の通り、その場を真っ暗にするような重大な宣告です。ファンや選手、関係者全員にとって悲しい出来事ですが、スポーツの尊厳を守るために用意されている究極の手段です。めったに見ることはありませんが、その重みだけは覚えておきましょう。
カードが提示されるときは、主審が「不適切な行為により警告(あるいはペナルティ)」とアナウンスを行います。スコアシートにも記録され、その後の選手活動に影響することもあります。
審判のジェスチャー意味一覧をマスターしてバドミントンを深めよう
ここまでバドミントンの審判のジェスチャー意味一覧を詳しく見てきました。一見すると難しそうに感じる審判の動きも、一つ一つの意味を紐解けば、試合を公正に進めるために不可欠なコミュニケーション手段であることが分かります。
ラインジャッジの「イン」「アウト」のサイン、サービス審判員による「打点の高さ」や「足の動き」の指摘、そして主審が掲げる「警告のカード」。これらを理解することで、試合中の「今のは何が悪かったの?」という疑問が解消され、よりプレーに集中できるようになります。
バドミントンは、選手と審判が互いに敬意を払い合うことで成り立つスポーツです。審判のジェスチャーを正しく読み取り、判定をリスペクトすることは、技術を磨くことと同じくらい大切です。今回の知識を活かして、今後の練習や試合観戦をより充実したものにしてください。
最後に、主要なジェスチャーを復習しましょう。
・イン:右手を斜め下へ。
・アウト:両腕を水平に広げる。
・サービスオーバー:手を水平に胸の高さへ。
・レット:片手を垂直に高く上げる。
・警告:イエローカードを提示する。
これらのサインを覚えるだけで、バドミントンの理解度は飛躍的に高まります。


