練習に打ち込み、フットワークが上達してくると「バドミントンシューズが破れた!」という経験をする方は少なくありません。頑張っている証拠ともいえますが、同時に「どうして破れたんだろう?」「まだ使えるのかな?」といった疑問も湧いてきますよね。
シューズが破れるのには、フットワークの癖やシューズの選び方など、様々な理由が隠されています。この記事では、バドミントンシューズが破れる原因を詳しく解説するとともに、適切な買い替えのサイン、パフォーマンス向上につながる新しいシューズの選び方、そしてお気に入りのシューズを一日でも長く使うための秘訣まで、バドミントン上達を目指すあなたのために、わかりやすくご紹介します。シューズに関する知識を深め、怪我の予防とさらなるレベルアップを目指しましょう。
バドミントンシューズが破れた!考えられる原因とは?

愛用のバドミントンシューズが破れてしまうと、ショックですよね。しかし、なぜ破れてしまったのか、その原因を知ることで次のシューズ選びやプレーの改善に繋げることができます。ここでは、シューズが破れる主な原因を3つの視点から掘り下げていきます。
激しいフットワークによる摩耗
バドミントンは、前後左右へ俊敏に動き回る非常にフットワークが激しいスポーツです。 シャトルを打つためのステップイン、打った後の素早い戻り、左右への切り返しなど、足元では常に床との摩擦やねじれといった大きな負荷がかかっています。
特に、利き腕側の足で前に踏み込む動作(ランジ)では、シューズの内側や親指あたりが強く擦れます。逆に、逆の足では床を蹴り出して次の動作に移るため、シューズの外側、特に小指側が摩耗しやすくなります。このように、バドミントン特有の反復的な動きが特定の箇所にダメージを蓄積させ、結果的に生地が薄くなったり、穴が開いたりする主な原因となるのです。
特定の箇所が破れる理由(親指、小指、かかと)
シューズの破れる場所には、あなたのフットワークの癖が表れます。それぞれの箇所がなぜ破れやすいのか、理由を見ていきましょう。
| 破れやすい箇所 | 主な原因 | 考えられるフットワークの癖 |
|---|---|---|
| 親指の付け根・内側 | 利き足での前方への強い踏み込み(ランジ)による摩擦。 | フォアハンドで前に踏み込む際に、足が内側に倒れ込む癖がある。 |
| つま先の上部(親指あたり) | 踏み込んだ際に、靴の中で指が上に突き当たる動き。または、サーブレシーブなどでつま先を床に擦る癖。 | 足の指が反ってしまう「浮き指」の可能性も考えられます。 |
| 小指の付け根・外側 | 左右への切り返しや、逆足での蹴り出しによる摩擦と圧力。 | サイドステップの際に、足の外側に体重が乗りすぎている。 |
| かかと部分の内側 | 着地時の衝撃や、サイズが合わずにかかとが浮き、内張りと擦れる。 | かかとをしっかりシューズに合わせていない、または靴紐が緩い可能性があります。 |
これらの原因を理解することで、「次はもう少しこの部分が補強されているモデルを選ぼう」といった具体的な対策を立てることができます。
シューズのサイズや形が合っていない可能性
例えば、シューズのサイズが大きすぎると、プレー中に靴の中で足が前後に動いてしまいます。 この動きが、踏み込むたびにつま先部分への衝突や摩擦を繰り返し生み、アッパー(シューズの甲の部分)に穴を開けてしまうのです。
また、足の幅(ワイズ)が合っていない場合も同様です。 幅が狭いシューズを無理に履いていると、小指側が常に圧迫されて破れやすくなります。 逆に幅が広すぎても、靴の中で足が横にずれてしまい、やはり特定の箇所に負担が集中します。自分の足長だけでなく、足幅や甲の高さに合ったシューズを選ぶことが、パフォーマンス向上とシューズを長持ちさせる上で非常に重要です。
破れたシューズはまだ使える?買い替えのサインを見極める

シューズに穴が開いたり、傷んできたりすると「まだ使えるのか、それとも買い替えるべきか」と悩むことでしょう。見た目だけでなく、機能性の低下も考慮して判断することが大切です。ここでは、シューズの買い替えを見極めるための重要なサインについて解説します。
破れた場所から判断する修理の可否
アッパー部分に小さな穴が開いた程度であれば、市販の補修材やテーピングで応急処置をすることも可能です。 しかし、これはあくまで一時的な対策であり、シューズ本来のフィット感やサポート性は損なわれてしまいます。
特に、ソール(靴底)とアッパーの境目が剥がれてきたり、生地が大きく裂けてしまったりした場合は、シューズの剛性が失われ、足をしっかりと支えることができなくなります。このような状態でプレーを続けると、捻挫などの大きな怪我につながる危険性が高まるため、直ちに買い替えを検討するべきです。 安全にプレーするためにも、シューズの構造を支える部分にダメージがある場合は、修理して使い続けるのは避けるのが賢明です。
ソールのすり減り具合も重要なチェックポイント
シューズの寿命を判断する上で、アッパーの破れと同じくらい、あるいはそれ以上に重要なのがソールの状態です。バドミントンシューズのソールは、体育館の床をしっかりと掴むために複雑な溝(パターン)が刻まれています。
この溝がすり減って平らになってしまうと、グリップ力が著しく低下し、急なストップや方向転換の際に滑りやすくなります。 自分では滑っているつもりがなくても、無意識に踏ん張りが効かなくなり、一歩目の反応が遅れたり、体勢を崩しやすくなったりします。
パフォーマンス低下と怪我のリスク
機能が低下したシューズを履き続けることは、様々なデメリットをもたらします。グリップ力が落ちれば、素早いフットワークの妨げになります。クッション性が失われれば、ジャンプの着地などで膝や足首にかかる負担が増大し、シンスプリントや足底筋膜炎といった怪我のリスクを高めてしまいます。
「まだ履けるから」と古いシューズを使い続けることは、節約になるどころか、最高のパフォーマンスを発揮する機会を逃し、さらには怪我によって長期間プレーできなくなる可能性もはらんでいます。シューズは、単なる履物ではなく、プレーヤーの足を守り、動きをサポートするための最も重要な「ギア」です。穴が開いたり、ソールがすり減ったりしたのは、シューズがあなたの激しい練習を支え、その役目を終えようとしているサインなのです。
パフォーマンス向上につながる!新しいシューズの選び方

破れたシューズを買い替えることは、単なる消耗品の補充ではありません。自分の足やプレースタイルに合った一足を選ぶことで、パフォーマンスを大きく向上させるチャンスです。ここでは、上達を目指すあなたが後悔しないためのシューズ選びのポイントを解説します。
サイズ選びの基本「捨て寸」を理解する
シューズ選びで最も重要なのが、正確なサイズ選びです。まず、かかとをシューズのヒールカップにしっかりと合わせ、靴紐をきちんと締めた状態で立ち上がります。その際、つま先に0.5cmから1.0cm程度の余裕(捨て寸)があるかを確認してください。
この「捨て寸」は、プレー中に踏み込んだり、急に止まったりした際に、足の指がシューズの先端に当たって痛めるのを防ぐための重要なスペースです。捨て寸がなさすぎると指を痛める原因になり、逆にありすぎると靴の中で足が動いてしまい、マメができたり、シューズが早く破れたりする原因になります。
グリップ力と安定性で選ぶ
バドミントンは、急なストップ&ゴーを繰り返すスポーツです。そのため、床をしっかりと掴むグリップ力は非常に重要です。 ソールのパターンや素材によってグリップ力は変わってくるので、実際に商品を手に取って確認してみましょう。一般的に、飴色のゴムソールはグリップ力が高い傾向にあります。
また、左右の素早い切り返しで足がブレないように支えてくれる安定性も欠かせません。シューズの中足部に硬いパーツ(シャンク)が入っているモデルは、シューズのねじれを防ぎ、安定性を高めてくれます。 さらに、シューズの外側が補強されているモデルは、サイドステップ時の横ブレを抑え、踏ん張りが効きやすくなります。
クッション性と軽量性のバランス
シューズ選びでは、クッション性と軽量性という、相反する要素のバランスを考える必要があります。
- クッション性:ジャンプからの着地や、前方への踏み込みの際に足腰にかかる衝撃を吸収してくれます。ヨネックスの「パワークッション」などが有名で、怪我の予防に繋がります。
- 軽量性:シューズが軽いほど、足の運びがスムーズになり、素早いフットワークをサポートします。一歩目の速さを重視するプレーヤーにとっては重要な要素です。
一般的に、クッション性を高めるとシューズは重くなる傾向にあります。自分がどちらの性能をより重視するか、プレースタイルと相談して選びましょう。例えば、ジャンプスマッシュを多用する攻撃型の選手はクッション性重視、コートを駆け回るスピード型の選手は軽量性重視といった選び方が考えられます。
自分のプレースタイルに合ったモデルを見つけよう
バドミントンシューズは、各メーカーから様々な特徴を持ったモデルが発売されています。 例えば、ヨネックスは安定性、クッション性、軽量性など、バランスの取れた様々なシリーズを展開しており、初心者からトップ選手まで幅広く対応しています。 ミズノは、独自の波形プレート「ミズノウエーブ」により、クッション性と安定性を両立させたモデルが特徴です。
価格帯によっても機能性は異なり、エントリーモデルは基本的な性能を備え、上位モデルになるほど最新のテクノロジーが搭載され、より高いレベルの要求に応えられるようになっています。 最初はオールラウンドなモデルから始め、自分のフットワークの癖や目指すプレースタイルが固まってきたら、それに特化したモデルにステップアップしていくのも良いでしょう。
お気に入りのシューズを長持ちさせる秘訣

新しいシューズを手に入れたら、できるだけ長く良い状態で使いたいものです。日々の少しの心がけで、シューズの寿命は大きく変わってきます。ここでは、お気に入りの一足を長持ちさせるためのメンテナンス方法や工夫をご紹介します。
練習後の適切なお手入れ方法
練習でかいた汗をそのままにしておくと、シューズの素材を劣化させるだけでなく、嫌な臭いの原因にもなります。 練習後は、以下の手順で簡単なお手入れを習慣づけましょう。
- インソール(中敷き)を外す:シューズ本体とインソールを別々にすることで、内部の湿気が乾きやすくなります。
- 陰干しする:直射日光は素材を傷めたり、変色させたりする原因になるため、必ず風通しの良い日陰で干してください。 ドライヤーや乾燥機の使用は、熱でシューズが変形する可能性があるため絶対にやめましょう。
- 汚れを拭き取る:アッパー部分の汚れは、固く絞った濡れタオルなどで優しく拭き取ります。ソールについたホコリや汚れも、グリップ力維持のために定期的に拭き取りましょう。
シューズを丸洗いすると、接着剤が剥がれたり素材が劣化したりする可能性があるため、基本的には避けるべきです。 どうしても汚れや臭いが気になる場合は、シューズ専用のシャンプーを使い、説明書に従って慎重に行いましょう。
複数足を履き回すメリット
もし週に何度も練習するのであれば、2足以上のシューズを交互に履き回すことを強くおすすめします。 一度履いたシューズは、完全に乾燥し、ミッドソールのクッション性が回復するまでに時間がかかります。毎日同じシューズを履き続けると、湿気が抜けきらないまま次の練習を迎えることになり、素材の劣化を早めてしまいます。
履き回すことで、1足あたりの負担が軽減されるだけでなく、シューズが十分に「休まる」時間を確保できます。これにより、それぞれのシューズのクッション性やフィット感が長持ちし、結果的に1足あたりの寿命を延ばすことができるのです。
インソールの交換で機能性を維持
シューズのパーツの中で、特に消耗が早いのがインソール(中敷き)です。常に体重がかかり、汗を最も吸収する部分なので、シューズ本体よりも先にへたってしまいます。インソールのクッション性がなくなると、足への衝撃が大きくなったり、フィット感が悪くなったりします。
まとめ:バドミントンシューズが破れたら、それは上達の証!

バドミントンシューズが破れてしまうのは、決してネガティブなことばかりではありません。それはあなたが練習に励み、フットワークを駆使してコートを駆け回った「努力の証」です。どこがどのように破れたのかを観察することで、自分のフットワークの癖や、シューズに求める性能がより明確になります。
破れた原因を理解し、それを次のシューズ選びに活かすことこそ、さらなる上達へのステップとなります。そして、機能が低下したシューズを使い続けるリスクを理解し、ソールのすり減りやクッション性の低下といったサインを見逃さずに、適切なタイミングで買い替えることが、怪我を防ぎ、常に最高のパフォーマンスを発揮するためには不可欠です。
新しく迎えた相棒を、日々の適切なお手入れで大切に扱うことで、より長くあなたのプレーを支えてくれるでしょう。シューズが破れたことをきっかけに、自身の足元を見つめ直し、バドミントンへの理解を一層深めていきましょう。


