バドミントンで使う筋肉を徹底解説!上達につながる鍛え方と効果的なトレーニング

技術・戦術と練習方法

「もっと速いスマッシュを打ちたい」「どんなに振られても追いつけるフットワークが欲しい」バドミントンが上手くなりたいと願うあなたなら、一度はそう考えたことがあるのではないでしょうか。その上達の鍵を握るのが、実はバドミントンのプレーで使われる筋肉を正しく理解し、効果的に鍛えることです。

バドミントンは、ただ腕の力だけでシャトルを打つスポーツではありません。力強いショットは安定した下半身と体幹から生み出され、俊敏なフットワークは脚全体の筋肉が連動してこそ可能になります。

この記事では、バドミントンで特に重要となる筋肉を上半身・下半身・体幹に分けて、それぞれの役割と具体的なトレーニング方法を分かりやすく解説します。自分の体のどこを意識すれば、プレーがどう変わるのか。その繋がりを知ることで、あなたのバドミントンはきっと次のステージへと進化するはずです。

 

バドミントンで使う重要な筋肉とは?

バドミントンは、狭いコートの中を激しく動き回り、一瞬の判断で多彩なショットを打ち分ける非常にハードなスポーツです。 全身の筋肉を巧みに使うことが、高いパフォーマンスを発揮するために不可欠です。 バドミントンのプレーで使われる筋肉は、大きく「上半身」「下半身」「体幹」の3つに分けることができます。 これらをバランス良く鍛えることが、上達への近道となります。

上半身の筋肉(スマッシュやクリアに不可欠)

力強いスマッシュや、コートの奥深くまで飛ばすクリアを打つためには、上半身の筋肉が欠かせません。 特に重要になるのが、肩周りの三角筋(さんかくきん)や腕の上腕三頭筋(じょうわんさんとうきん)、そして背中にある広背筋(こうはいきん)です。 三角筋は腕を振り上げる動作、上腕三頭筋はシャトルを打つ瞬間に腕を伸ばす力、広背筋はラケットを振り抜くパワーを生み出します。

また、ラケットを巧みに操作し、ドライブやレシーブといった細かいショットの精度を高めるためには、前腕の筋肉も重要です。 これらの筋肉が連動することで、威力とコントロールを兼ね備えたショットが可能になります。

下半身の筋肉(俊敏なフットワークの源)

バドミントンの特徴である、コート内を縦横無尽に駆け巡る俊敏なフットワークは、強靭な下半身の筋肉によって支えられています。 特に、一歩目の踏み出しやジャンプに重要なのが、太ももの前側にある大腿四頭筋(だいたいしとうきん)と、お尻の大臀筋(だいでんきん)です。 大腿四頭筋はブレーキをかける動作や踏み込みに、大臀筋は力強く地面を蹴り出すパワーの源となります。

さらに、急な方向転換や低い体勢を維持するためには、太ももの裏側にあるハムストリングスや、ふくらはぎの下腿三頭筋(かたいさんとうきん)も重要な役割を担っています。 これらの筋肉が不足すると、シャトルに追いつけなかったり、試合後半で足が動かなくなったりする原因になります。

体幹の筋肉(安定したプレーの土台)

上半身と下半身の力をスムーズに連動させ、ブレのない安定したプレーを実現するために最も重要なのが体幹の筋肉です。 体幹とは、腹筋や背筋など、胴体部分の筋肉の総称です。 体幹がしっかりしていると、どんな体勢からでもバランスを崩さずに力強いショットを打つことができます。

例えば、スマッシュを打つ際に体がブレてしまう、フットワークで動いた後に体勢が崩れやすい、といった悩みは体幹の弱さが原因かもしれません。プランクなどのトレーニングで体幹を鍛えることは、ショットの安定性向上だけでなく、腰痛などの怪我予防にも繋がるため、すべてのプレイヤーにとって非常に重要です。

 

【上半身編】ショットの威力と精度を高める筋肉

バドミントンの華であるスマッシュや、ラリーの主導権を握るクリア。これらのショットの質を決定づけるのが上半身の筋肉です。単に腕力だけでなく、肩、胸、背中といった大きな筋肉が連動することで、爆発的なパワーと正確なコントロールが生まれます。ここでは、各部位の筋肉がショットにどう貢献するのかを詳しく見ていきましょう。

肩周りの筋肉(三角筋・回旋筋腱板)

肩周りの筋肉は、バドミントンのあらゆるショットの起点となる非常に重要な部分です。特に三角筋(さんかくきん)は肩を覆う大きな筋肉で、腕を振り上げる(テイクバックする)動作で中心的な役割を果たします。 この三角筋が強いと、より高い打点から力強くシャトルを捉えることができ、スマッシュやクリアの威力向上に直結します。

さらに、肩の奥深くにある回旋筋腱板(かいせんきんけんばん)、いわゆるインナーマッスルも忘れてはなりません。この筋肉は、肩関節を安定させ、スムーズな回旋運動をサポートする役割があります。フォームが崩れたり、無理な体勢で打ち続けたりすると、この回旋筋腱板を痛めてしまうケースが少なくありません。 軽いダンベルやチューブを使ったトレーニングでインナーマッスルを鍛えることは、ショットの安定性向上だけでなく、肩の怪我を予防するためにも非常に大切です。

腕の筋肉(上腕三頭筋・前腕筋群)

ラケットを直接操作する腕の筋肉は、ショットの最終的な出力と繊細なコントロールを担います。特に、腕の裏側にある上腕三頭筋(じょうわんさんとうきん)は、肘を伸ばす際に使われる筋肉で、スマッシュやプッシュなど、シャトルを前方に強く押し出す動きでパワーを発揮します。 腕立て伏せ(プッシュアップ)や懸垂(チンニング)は、この上腕三頭筋を効果的に鍛えるトレーニングです。

また、肘から手首にかけての前腕筋群(ぜんわんきんぐん)は、手首の動き(屈曲、伸展、回内、回外)をコントロールします。 バドミントンでは、ヘアピンやカット、ドライブなど、繊細なラケットワークが求められる場面が多く、この前腕筋群の強さと柔軟性がショットの精度を大きく左右します。 リストカールなどのトレーニングで手首を鍛えることで、相手を揺さぶる多彩なショットを繰り出すことが可能になります。

胸と背中の筋肉(大胸筋・広背筋)

一見、バドミントンとは関係が薄そうに思える胸や背中の筋肉ですが、実は強力なショットを生み出すための縁の下の力持ちです。胸の大きな筋肉である大胸筋(だいきょうきん)は、腕を内側に閉じる動きで力を発揮し、フォアハンドのストロークにパワーを加えます。

そして、特に重要なのが背中に広がる広背筋(こうはいきん)です。 この筋肉は、腕を後ろから前へ大きく振り抜く動作、つまりスマッシュを打つための一連のスイング動作で絶大なパワーを生み出します。 体幹から生み出されたエネルギーを腕に伝え、最終的にシャトルに爆発的なスピードを与えるのが広背筋の役割です。懸垂(チンニング)は、この広背筋を鍛えるのに非常に効果的なトレーニングとして知られています。 力強いスマッシュを打ちたいのであれば、腕だけでなく、この広背筋を意識して鍛えることが不可欠です。

【下半身編】コートを支配するフットワークを生む筋肉

バドミントンは「足のスポーツ」とも言われるほど、フットワークが勝敗を大きく左右します。どんなに素晴らしいショットを持っていても、シャトルの落下点に素早く入れなければ意味がありません。その俊敏で安定したフットワークの土台となるのが、下半身の筋肉です。ここでは、コートを支配するために不可欠な下半身の筋肉について解説します。

お尻の筋肉(大臀筋・中臀筋)

お尻の筋肉、特に大臀筋(だいでんきん)は、バドミントン選手が絶対に鍛えるべき筋肉の一つです。 大臀筋は人間の中でも特に大きな筋肉で、地面を力強く蹴り出して前へ進む推進力や、高くジャンプする際のパワーの源となります。 力強い踏み込みからスマッシュを打つ時や、ネット前から後ろへ素早く下がる時など、爆発的な動き出しには大臀筋の力が必要です。

また、お尻の横側にある中臀筋(ちゅうでんきん)は、左右への動きや片足で着地した際の安定性に関わる重要な筋肉です。バドミントンでは、サイドステップで左右に振られる場面が多く、この中臀筋が弱いと体がブレてしまい、次の動作へスムーズに移ることができません。スクワットやランジといったトレーニングは、これらの臀筋群を総合的に鍛えるのに非常に効果的です。

太ももの筋肉(大腿四頭筋・ハムストリングス)

太ももの筋肉は、フットワークにおけるストップ、スタート、そして低い姿勢の維持に不可欠です。前のめりになったシャトルに追いつくための踏み込みや、打った後の体勢の立て直しには、太ももの前側にある大腿四頭筋(だいたいしとうきん)が重要な役割を果たします。 この筋肉は、体重を支えながらブレーキをかける動作で主に働きます。

一方、太ももの裏側にあるハムストリングスは、大腿四頭筋と対になる筋肉で、急な方向転換や前後の素早い切り返し動作をサポートします。 この二つの筋肉のバランスが悪いと、膝への負担が大きくなり、怪我の原因となることもあります。 ランジのように前後に足を開くトレーニングは、大腿四頭筋とハムストリングスをバランス良く鍛えるのに適しています。

ふくらはぎの筋肉(下腿三頭筋)

ふくらはぎの筋肉、下腿三頭筋(かたいさんとうきん)は、バドミントンの軽やかなフットワークを生み出す上で欠かせない筋肉です。 この筋肉は、つま先で地面を蹴る動き、つまりジャンプや細かいステップワークに直接関わっています。 ネット際の攻防や、相手のドロップに素早く反応する時など、瞬発的な動きの多くは下腿三頭筋の力によって生み出されます。

また、下腿三頭筋は着地時の衝撃を吸収するクッションの役割も担っており、連続したフットワークによる足への負担を軽減します。 この筋肉が疲労すると、足が思うように動かなくなったり、アキレス腱の断裂といった深刻な怪我につながるリスクも高まります。 カーフレイズ(つま先立ち運動)のような簡単なトレーニングでも効果的に鍛えることができるので、日々の練習にぜひ取り入れてみてください。

【体幹編】ブレない軸を作る!プレーの安定性を支える筋肉

どれだけ上半身や下半身の筋肉を鍛えても、それらを繋ぎ、力を効率的に伝える「体幹」が弱ければ、パフォーマンスは頭打ちになってしまいます。体幹は文字通り体の幹(みき)であり、あらゆる動作の土台となります。 ブレない軸を作ることで、ショットは安定し、フットワークは力強くなります。

腹筋群(腹直筋・腹斜筋)

一般的に「腹筋」として知られる腹直筋(ふくちょっきん)は、体を前に曲げる動作や、上半身を安定させる役割があります。スマッシュを打つ際に体を「く」の字に曲げてタメを作る動きや、打った後の体勢を素早く元に戻す動きで重要になります。

さらにバドミントンで特に意識したいのが、お腹の横側にある腹斜筋(ふくしゃきん)です。バドミントンのショットの多くは、体をひねる回旋運動によって生み出されます。 この「ひねり」の動作で中心的な役割を果たすのが腹斜筋です。 腹斜筋を鍛えることで、体の回転がスムーズかつ力強くなり、スマッシュの威力を格段にアップさせることができます。また、左右に振られた際に体幹が崩れるのを防ぎ、安定したレシーブを可能にします。レッグツイストやサイドプランクといったトレーニングが効果的です。

背筋群(脊柱起立筋)

背骨に沿って存在する脊柱起立筋(せきちゅうきりつきん)は、美しい姿勢を保ち、上半身を支える重要な筋肉です。バドミントンでは、低い姿勢でのレシーブや、ネット前でのヘアピンなど、前傾姿勢を保つ場面が多くあります。この時に、背中が丸まらずに良い姿勢をキープできるのは、脊柱起立筋がしっかりと働いているからです。

この筋肉が弱いと、長時間の試合や練習で姿勢が崩れやすくなり、腰への負担が増大してしまいます。 結果として、腰痛の原因になったり、プレーの質が低下したりする可能性があります。また、体を反らせる動きにも関わるため、オーバーヘッドストロークでの大きなスイングにも貢献します。 スクワットやデッドリフトといった基本的なトレーニングでも鍛えられますが、背筋を意識して行うことが重要です。

インナーマッスル(体幹深層筋)

体幹の中でも、体のより深層部に位置するインナーマッスルは、関節を安定させ、体の軸を内側から支える重要な役割を担っています。 これらの筋肉は、大きな力を発揮するというよりは、体のバランスを保ち、アウターマッスル(表層の筋肉)が効率よく働くための土台作りをしています。

バドミントンでは、前後左右への急な切り返しや、ジャンプからの着地など、常にバランスを保つことが求められます。この時に体の軸がブレないように内側で支えているのが、インナーマッスルです。

インナーマッスルを鍛える代表的なトレーニングがプランクです。 地味なトレーニングに見えますが、継続することで体の安定性が格段に向上し、ショットのミスが減る、動きに無駄がなくなるといった効果が期待できます。 さらに、怪我をしにくい体作りにも繋がるため、全てのプレイヤーにおすすめのトレーニングです。

バドミントン上達のための効果的な筋力トレーニング

バドミントンで使うべき筋肉が分かったら、次はいよいよ実践です。ここでは、バドミントンのパフォーマンス向上に直結する効果的なトレーニングメニューを、自宅でできるものとジムで行うものに分けてご紹介します。大切なのは、正しいフォームで行い、継続することです。

自宅でできる簡単トレーニングメニュー

特別な器具がなくても、自宅で手軽に始められるトレーニングはたくさんあります。まずは毎日の習慣にすることを目指しましょう。

トレーニング名 主に鍛えられる筋肉 やり方とポイント 目安回数
スクワット 大腿四頭筋、大臀筋、ハムストリングス ①足を肩幅に開いて立つ。
②背筋を伸ばしたまま、椅子に座るようにお尻をゆっくり下げる。
③太ももが床と平行になるまで下げ、ゆっくりと元に戻る。
ポイント:膝がつま先より前に出ないように注意する。
10~15回 × 3セット
ランジ 大腿四頭筋、大臀筋 ①足を前後に大きく開く。
②前の膝が90度になるまで、ゆっくりと腰を真下に下ろす。
③地面を蹴って元の姿勢に戻り、逆の足も同様に行う。
ポイント:上半身が前に倒れないように、まっすぐな姿勢を保つ。
左右10回ずつ × 3セット
プランク 体幹(腹筋群、背筋群) ①うつ伏せになり、肘とつま先で体を支える。
②頭からかかとまでが一直線になるように意識し、その姿勢をキープする。
ポイント:お尻が上がったり下がったりしないように注意する。
30秒~1分 × 3セット
カーフレイズ 下腿三頭筋(ふくらはぎ) ①足を肩幅に開いて立つ。
②かかとをゆっくりと最大限まで上げ、少しキープしてからゆっくり下ろす。
ポイント:壁などに手をついてバランスを取りながら行うと安全。
20回 × 3セット

ジムで行う本格トレーニングメニュー

より高いレベルを目指すなら、ジムの器具を使ったトレーニングで、特定の筋肉に強い負荷をかけることも効果的です。ただし、自己流で行うと怪我のリスクもあるため、トレーナーの指導を受けるか、正しいフォームをしっかり学んでから行いましょう。

トレーニング名 主に鍛えられる筋肉 やり方とポイント
懸垂(チンニング) 広背筋、上腕三頭筋 ①肩幅よりやや広くバーを握り、体を持ち上げる。
②胸をバーに近づけるように意識し、ゆっくりと下ろす。
ポイント:反動を使わず、背中の筋肉で引き上げるイメージを持つ。
ベンチプレス 大胸筋、上腕三頭筋、三角筋 ①ベンチに仰向けになり、バーベルを胸の上で構える。
②胸までゆっくり下ろし、力強く押し上げる。
ポイント:肩甲骨を寄せて、胸を張った姿勢を維持する。
デッドリフト 脊柱起立筋、大臀筋、ハムストリングス ①足元に置いたバーベルを、背筋を伸ばしたまま持ち上げる。
②膝と股関節を同時に伸ばし、直立姿勢になる。
ポイント:腰が丸まらないように常に意識する。
ダンベルショルダープレス 三角筋 ①ベンチに座り、耳の横あたりでダンベルを構える。
②弧を描くように頭の上まで持ち上げ、ゆっくり下ろす。
ポイント:肘を伸ばしきらないところで止めると、肩への負荷が抜けにくい。

トレーニングの頻度と注意点

筋力トレーニングは、やればやるほど良いというわけではありません。筋肉は、トレーニングによって傷つき、その後の休息(回復)期間中に以前より強く再生する「超回復」という現象を繰り返して成長します。

トレーニング頻度の目安: 週2〜3回

同じ部位のトレーニングは、筋肉の回復を待つために48〜72時間ほど間隔を空けるのが理想的です。

また、トレーニングを行う際は以下の点に注意しましょう。

  • ウォームアップとクールダウンを忘れずに: 練習前には動的ストレッチで筋肉を温め、練習後には静的ストレッチで筋肉をほぐすことが怪我の予防に繋がります。
  • バランスよく鍛える: 特定の筋肉だけを鍛えるのではなく、全身の筋肉をバランス良くトレーニングすることが重要です。
  • 痛みを感じたら中止する: トレーニング中に痛みを感じた場合は無理をせず、すぐに中止してください。 痛みが続く場合は、専門医に相談しましょう。
  • 栄養と睡眠をしっかりとる: 筋肉の材料となるタンパク質を十分に摂取し、質の良い睡眠をとることも、効果的な体作りには欠かせません。

まとめ:バドミントンの筋肉を理解して、さらなる高みへ

この記事では、バドミントン上達のために知っておきたい重要な筋肉と、その効果的なトレーニング方法について解説しました。力強いショットは上半身の筋肉、俊敏なフットワークは下半身の筋肉、そしてプレー全体の安定性は体幹の筋肉がそれぞれ支えています。 これらは独立して働くのではなく、互いに連動することで、初めて高いパフォーマンスが発揮されます。

大切なのは、どの筋肉がどの動きに関わっているのかを意識しながらプレーし、トレーニングに取り組むことです。 例えば、スマッシュを打つときには腕だけでなく背中の広背筋を、フットワークではお尻の大臀筋を使うイメージを持つだけで、力の伝わり方は大きく変わるはずです。

今回ご紹介したトレーニングを参考に、ぜひ日々の練習に筋力トレーニングを取り入れてみてください。自分の体と向き合い、必要な筋肉を的確に鍛えることが、あなたのバドミントンを次のレベルへと引き上げる確実な一歩となるでしょう。

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