練習中に「カチッ」と嫌な音がしたり、ふとラケットを見るとフレームに線が入っていたり…。大切なバドミントンラケットにヒビを見つけると、とてもショックですよね。「もうこのラケットは使えないのかな?」「どうしてヒビが入ってしまったんだろう?」と、不安になる方も多いのではないでしょうか。特に、バドミントンの上達を目指して日々練習に励んでいる方にとって、ラケットは自分の分身ともいえる大切な相棒です。
この記事では、そんなあなたの悩みを解決するために、バドミントンラケットのヒビについて、その原因から対処法、そして未来のヒビを防ぐための予防策まで、分かりやすく解説していきます。ヒビの種類や危険度の見分け方、修理の可能性、さらには日頃からできるラケットケアまで、この記事を読めば、ラケットのヒビに関する疑問や不安が解消され、より一層バドミントンに集中できるようになるはずです。
バドミントンラケットにヒビが!まず確認すべきこと

愛用のラケットにヒビのようなものを見つけてしまったら、まずは慌てずに状態をしっかり確認することが大切です。それが本当にプレーに影響する深刻な「ヒビ」なのか、あるいは表面的な「塗装の剥がれ」なのかを見極める必要があります。また、ヒビの位置によっても危険度は大きく変わってきます。ここでは、ヒビを発見した際に最初に確認すべきポイントを詳しく見ていきましょう。
ヒビの種類と見分け方(塗装の剥がれか、内部のヒビか)
ラケットのフレームに見られる線が、単なる塗装の剥がれなのか、それともフレーム本体のカーボンにまで達しているヒビなのかを判断するのは、時に難しいことがあります。 しかし、いくつか見分けるためのポイントがあります。
まず、塗装の剥がれは、ラケットの表面にできた傷で、爪で軽く触ってみると、塗装が欠けている段差やざらつきを感じることが多いです。 特に、シャトルを打つ際に床やネットポストに軽く接触してしまった場合などに起こりやすいです。
一方、内部のヒビは、フレームの芯材であるカーボンが損傷している状態です。見た目では細い線にしか見えなくても、指でその周辺を軽く押してみたり、ラケットを軽く振ってみたりした際に「ピシッ」という微かな音がしたり、打球感が明らかに変わったりすることがあります。 また、ヒビの部分から細い筋が伸びているように見える場合も、内部にまで達している可能性が高いでしょう。
ヒビの場所ごとの危険度
ラケットのどの部分にヒビが入っているかによって、その危険度は大きく異なります。特に注意が必要なのは、フレームの上部(先端側)やT字ジョイント部分です。
フレームの上部は、スマッシュなどの強打時に最も大きな力がかかる部分であり、ここにヒビが入ると、プレー中に突然折れてしまう危険性が高まります。また、T字ジョイント部分は、シャフトとフレームをつなぐ重要な箇所で、ここの損傷はラケット全体の剛性に大きく影響し、コントロール性能の低下や予期せぬ破損につながる可能性があります。
逆に、フレームの側面などは、ダブルスでの接触などで傷がつきやすい場所ですが、比較的負荷が少ないため、表面的なヒビであれば、すぐに折れる危険性は低いかもしれません。しかし、どのような場所であってもヒビが入っていることに変わりはなく、注意深く観察を続ける必要があります。
ヒビが入ったラケットを使い続けるリスク
ヒビが入ったラケットを使い続けることには、いくつかのリスクが伴います。最も大きな危険は、プレー中にラケットが突然折れてしまうことです。折れたフレームの破片が自分や他のプレーヤーに当たり、怪我につながる恐れがあります。特に、高速でスマッシュを打つ際などに折れると、非常に危険です。
また、ヒビが入っているとラケットの剛性が落ち、フレームが歪みやすくなります。 これにより、シャトルを打った時の反発力が弱まったり、コントロールが安定しなくなったりと、パフォーマンスの低下に直結します。上達を目指している人にとっては、これは大きなマイナス要因となります。
さらに、ヒビが入った状態でガットを張ろうとすると、張っている最中にテンションに耐えきれず、完全に折れてしまうこともあります。 多くのスポーツ店では、ヒビの入ったラケットへのガット張りを断られる可能性が高いです。
ラケットにヒビが入る主な原因

大切なラケットを長く使い続けるためには、なぜヒビが入ってしまうのか、その原因を知ることが重要です。ヒビの原因は、プレー中のアクシデントだけでなく、日頃の扱いやメンテナンスにも関係しています。主な原因を理解し、予防につなげていきましょう。
プレー中の接触(ラケット同士、床、シャトル以外との接触)
最も一般的で分かりやすい原因は、プレー中の接触です。特にダブルスでは、パートナーとラケット同士がぶつかってしまうことがあります。 高速でスイングしている最中にラケット同士が衝突すると、その衝撃は非常に大きく、一瞬でヒビが入ったり、折れたりしてしまいます。
また、低いシャトルを拾おうとして床にラケットをぶつけてしまったり、ネット際のプレーでネットポストに当ててしまったりすることも原因となります。 ラケットのフレームは非常に軽量かつ精密に作られているため、シャトルを打つ以外の強い衝撃には耐えられないことが多いのです。
ガットの張りすぎ(高テンションによるフレームへの負荷)
意外に思われるかもしれませんが、ガットを強く張りすぎること(高テンション)も、ラケットにヒビが入る大きな原因の一つです。 ガットは常にフレームを内側に向かって引っ張っており、その力はテンションが高ければ高いほど強くなります。
ラケットにはそれぞれ「推奨テンション」が設定されており、それを超える強さでガットを張ると、フレームに過度な負担がかかり続けます。 この状態が続くと、金属疲労のようにカーボンの組織が徐々に劣化し、ある日突然、打球の衝撃でヒビが入ってしまうことがあります。特に、もともとあった小さな傷からヒビが広がるケースも少なくありません。
経年劣化や保管方法の問題
ラケットも消耗品であり、長年使用していると経年劣化が進みます。何度もシャトルを打ち、ガットを張り替えるうちに、フレームのカーボン素材は少しずつ疲労し、反発力も低下していきます。 一般的に、週に数回練習する人でラケットの寿命は約1年から3年、初心者の場合は5年から10年とも言われていますが、使用頻度や扱い方によって大きく変わります。
また、保管方法もラケットの寿命に大きく影響します。特に、高温多湿な場所での保管は避けるべきです。 夏場の車内など、高温になる場所にラケットを放置すると、フレームが変形したり、素材が劣化したりする原因となります。 必ずラケットケースに入れ、直射日光の当たらない涼しい場所で保管することが大切です。
不適切なガットの張り方(一本張り、二本張りなど)
ガットの張り方も、ラケットへの負担に関係しています。ガットの張り方には、主に「一本張り」と「二本張り」があります。メーカーの多くは、フレームへの負担が均等にかかりやすい「二本張り」を推奨しています。
不慣れな人が自己流で張ったり、適切でない張り方をしたりすると、フレームの特定の部分に負荷が集中し、歪みやヒビの原因となることがあります。 ガットの張り替えは、信頼できる専門のショップに依頼するのが最も安全で確実です。ショップによっては、ラケットの状態をチェックし、ヒビやグロメットの劣化などを指摘してくれることもあります。
ラケットにヒビが見つかった時の対処法

ラケットにヒビを見つけてしまった場合、どうすればよいのでしょうか。完全に諦めてしまう前に、いくつかの選択肢があります。修理という方法もあれば、これを機に新しいラケットへの買い替えを検討するタイミングかもしれません。それぞれのメリット・デメリットを理解し、自分にとって最適な方法を選びましょう。
専門ショップでの修理は可能か?
「ヒビが入ったり折れたりしたラケットはもう終わり」と思われがちですが、実は専門の工房で修理することが可能です。 完全に折れてしまったものでも、複数箇所が破損していても、修理を受け付けてくれるサービスがあります。
修理は、破損した部分にカーボンクロスなどを当てて補強し、強度を取り戻すという方法が一般的です。 これにより、再びガットを張って使用できるようになります。 高価なラケットや、思い入れのあるラケットを簡単に手放したくない場合に、修理は有効な選択肢となります。日本全国から修理を受け付けている工房もあります。
修理のメリット・デメリット
ラケットを修理することには、メリットとデメリットの両方があります。
| メリット | デメリット |
|---|---|
| 新品を購入するより安価 | 元の性能(バランスや打球感)とは変わってしまう可能性がある |
| 思い出のラケットを再び使える | 修理箇所が再び破損するリスクがある |
| 練習用ラケットとして活用できる | 公式な大会では使用できない可能性がある |
| 環境にやさしい | 修理に時間がかかる |
応急処置の方法と注意点(基本的には非推奨)
自分で接着剤やテープを使って応急処置を試みる人もいますが、これは基本的におすすめできません。 なぜなら、自己流の修理では十分な強度を確保することが難しく、プレー中に破損して怪我をするリスクが非常に高いからです。
また、不適切な接着剤を使用すると、カーボンの素材をさらに傷めてしまう可能性もあります。専門の修理工房では、材料力学に基づいた知識と専用の機材を使って修理を行っています。 安全にラケットを使い続けるためには、自己判断での修理は避け、専門家に相談することが賢明です。
買い替えを検討するタイミング
修理という選択肢がある一方で、ラケットの買い替えを検討すべきタイミングもあります。
- ヒビが複数箇所にある、または広範囲にわたる場合: 修理費用が高額になったり、修理しても十分な性能が期待できなかったりします。
- 同じラケットを長年(3年以上など)使用している場合: ヒビの箇所以外も経年劣化が進んでいる可能性が高いです。 フレーム全体が「へたって」いると、打球感や反発力も落ちています。
- 自分のプレースタイルが変わってきた、上達してきたと感じる場合: ラケットのヒビをきっかけに、自分の現在のレベルやプレースタイルに合った新しいラケットを探してみるのも、さらなる上達につながる良い機会です。
- メーカーの保証期間内である場合: 通常の使用(シャトルを打つなど)で破損した場合は、保証規定に則って無償または有償での交換が可能な場合があります。購入した店舗やメーカーの保証内容を確認してみましょう。
大切なラケットをヒビから守るための予防策

ラケットにヒビが入る原因が分かれば、それを防ぐための対策も見えてきます。日頃から少し気をつけるだけで、大切なラケットを長く使い続けることができます。ここでは、すぐに実践できる具体的な予防策をいくつかご紹介します。バドミントンを楽しみ、上達していくために、ぜひ習慣にしてみてください。
適切なガットテンションの選び方
自分のレベルやパワーに合っていない高すぎるテンションは、ラケットへの負担を増大させ、ヒビの原因になります。 ショップでガットを張る際に、「おまかせで」と頼むのではなく、自分のプレースタイルや感覚を店員さんに伝え、相談しながら決めることが大切です。
一般的に、初心者は低いテンションから始めるのがおすすめです。 力がなくてもシャトルが飛びやすく、腕への負担も少ないというメリットがあります。 上達に合わせて少しずつテンションを上げていくことで、ラケットへの負担を抑えつつ、自分に合ったセッティングを見つけることができます。
レベル別テンション目安
| レベル | 推奨テンション(ポンド) |
| :— | :— |
| 初心者(ジュニア・女性) | 16~19ポンド |
| 中級者(女性・男子中高生) | 18~22ポンド |
| 上級者(男性社会人・競技者) | 22ポンド以上 |
この表はあくまで一般的な目安です。ラケットの推奨テンションも必ず確認しましょう。
正しい保管方法(高温多湿を避ける、ケースに入れる)
練習が終わった後、ラケットをどのように保管していますか? 特に夏場の車内や直射日光が当たる場所への放置は絶対に避けましょう。 高温はフレームの変形や素材の劣化を早める最大の敵です。
ラケットは必ず専用のケースに入れ、風通しの良い涼しい場所で保管してください。 また、使用後はグリップの汗などを乾いた布で拭き取っておくと、グリップの劣化を防ぎ、ラケットを清潔に保つことができます。 こうした小さな習慣が、ラケットの寿命を延ばすことにつながります。
プレー中に気をつけるべきこと(ダブルスでの連携など)
プレー中のラケット同士の接触は、ヒビの最も多い原因の一つです。特にダブルスでは、パートナーとの連携と声かけが非常に重要になります。二人の間や、どちらが取るか迷うようなシャトルに対しては、「オーライ!」「マエ!」「まかせた!」など、積極的に声を出し合い、接触を避ける意識を持ちましょう。
また、無理な体勢でシャトルを拾いに行くと、床にラケットをぶつけやすくなります。日頃から正しいフットワークを身につけ、余裕を持った体勢で打球できるように練習することも、結果的にラケットを守ることにつながります。
グロメットの定期的な交換の重要性
「グロメット」というパーツをご存知でしょうか。これは、フレームの穴にはめ込まれているプラスチック製の小さな部品で、ガットが直接フレームに触れて傷つけないように保護する重要な役割を担っています。
このグロメットは消耗品で、ガットを張り替えるたびに潰れたり、プレー中の衝撃で削れたりします。 劣化したグロメットを放置したままガットを張ると、ガットのテンションでフレームが削られ、陥没やヒビの原因になってしまいます。
まとめ:バドミントンラケットのヒビと上手に付き合い、上達を目指そう

この記事では、バドミントンラケットのヒビについて、その見分け方から原因、対処法、そして予防策までを詳しく解説しました。
- ヒビの確認: まずは塗装の剥がれか内部のヒビかを見極め、場所ごとの危険度を把握することが重要です。
- 主な原因: プレー中の接触だけでなく、ガットの高すぎるテンション、不適切な保管方法、グロメットの劣化なども大きな原因となります。
- 対処法: ヒビが入っても専門工房での修理が可能です。 ただし、メリット・デメリットを理解し、練習用としての使用を前提に考えましょう。 状態によっては買い替えも前向きな選択肢です。
- 予防策: 適切なガットテンションを選び、正しい保管方法を心掛け、グロメットを定期的に交換することが、ラケットを長持ちさせる秘訣です。
ラケットのヒビはショックな出来事ですが、その原因を知り、正しく対処することで、大切な道具とより長く付き合っていくことができます。日頃のメンテナンスを習慣にし、ラケットを大切に扱う心を持つことは、バドミントンの技術上達にもつながるはずです。この記事で得た知識を活かし、これからも安心してバドミントンを楽しんでください。


