バドミントンを始めたばかりのころ、「よし、打つぞ!」と意気込んでラケットを振ったのに、シャトルに当たらず空振り…なんて経験はありませんか? 誰もが通る道とはいえ、何度も空振りしてしまうと、恥ずかしい気持ちになったり、楽しさが半減してしまったりしますよね。
しかし、安心してください。空振りしてしまうのには、必ず原因があります。 なぜ空振りしてしまうのか、その理由を正しく理解し、ちょっとしたコツを掴んで練習すれば、誰でも確実にシャトルを捉えられるようになります。
この記事では、バドミントン初心者が空振りしてしまう主な原因から、具体的な改善方法、そして今日から始められる効果的な練習メニューまで、分かりやすく解説していきます。この記事を読んで、空振りの悩みから解放され、もっとバドミントンを楽しみましょう!
バドミントンの空振り、なぜ起こる?主な原因を探る

ナイスショットを決めようと思ったのに、ラケットが空を切ってしまう…。バドミントン初心者にありがちな「空振り」ですが、それにはいくつかの共通した原因が隠されています。自分がどのタイプに当てはまるのか、まずは原因をしっかりと把握することが上達への第一歩です。
シャトルとの距離感がつかめていない
ラケットの長さも含めて、どの位置でシャトルを捉えれば一番力が伝わりやすいのか、という感覚(これを「打点」といいます)が身についていないと、シャトルに近すぎたり遠すぎたりしてしまい、空振りにつながります。 特に、バドミントンは前後左右に激しく動くスポーツなので、動きながら最適な打点に入るのは、慣れるまで少し難しく感じるかもしれません。
例えば、高く上がったシャトルを打とうとするとき、落下地点を予測して素早く移動する必要がありますが、予測がずれてしまうと、いざスイングする段階で「思ったよりシャトルが近い(または遠い)」となり、慌てて体勢を崩して空振りしてしまいます。 この距離感を養うには、反復練習で体に覚えさせることが何より大切です。
正しいフォームで打てていない
自己流のフォームや、崩れたフォームでラケットを振っていることも空振りの原因になります。 バドミントンのスイングは、ただ腕の力だけで振るのではなく、体の回転や体重移動を使って、しなやかにラケットを振り抜くことが重要です。
初心者によく見られるのが、当てたい気持ちが強すぎて力んでしまい、スイングの軌道が安定しないケースです。 力が入ると筋肉が硬直し、スムーズなラケット操作ができなくなります。 その結果、シャトルに対してラケットの面がまっすぐ当たらなかったり、スイングのタイミングがずれたりして空振りしやすくなるのです。
また、ラケットを大きく振り回しすぎている場合も注意が必要です。 大振りになると、その分スイングの軌道が大きくなり、コントロールが難しくなります。まずはコンパクトなスイングを意識して、確実にシャトルをミートさせる感覚を養うことが大切です。
フットワークが追いついていない
「フットワーク」とは、コート内を効率的に移動するための足さばきのことです。バドミントンは、このフットワークが非常に重要なスポーツと言われています。 どんなにスイングがきれいでも、シャトルの落下地点に素早く入れなければ、結局は無理な体勢で打つことになり、空振りやミスショットの原因となってしまいます。
例えば、相手にコートの奥へと高く打ち返された(クリアを打たれた)場合、素早く後ろに下がるフットワークが必要になります。このとき、一歩目の反応が遅れたり、足の運び方がスムーズでなかったりすると、シャトルの下に十分に入りきれず、結局は体勢が崩れて空振りしてしまいます。
フットワークは、単に速く動くことだけが目的ではありません。 いかに効率よく、少ない歩数で、次のショットに備えた体勢を作りながら移動できるかがポイントです。 安定したショットを打つためには、しっかりとした土台となるフットワークの習得が不可欠なのです。
目線がブレてシャトルを最後まで見ていない
「ボールをよく見て!」と他のスポーツでもよく言われますが、バドミントンも全く同じです。空振りしてしまう人に共通する特徴として、インパクト(シャトルがラケットに当たる)の瞬間まで、シャトルをしっかりと見ていないことが挙げられます。
特に初心者のうちは、ラケットを振ることに意識が集中しすぎてしまい、インパクトの直前にシャトルから目を離してしまうことがよくあります。 また、打ちたい方向を早く確認しようとして、顔が先にそちらを向いてしまうのも原因の一つです。目線がブレると、当然シャトルとの微妙な距離感もずれてしまい、空振りにつながります。
空振りを克服する!正しいフォームの基本

空振りをなくし、安定したショットを打つためには、正しいフォームを身につけることが欠かせません。ここでは、美しいだけでなく、効率的に力をシャトルに伝えるためのフォームの基本を、一つひとつ丁寧に解説していきます。
リラックスした構えとグリップの握り方
すべてのショットは、まず正しい構えから始まります。構えの基本は、両足を肩幅より少し広めに開き、膝を軽く曲げて重心を少し落とすことです。 こうすることで、どの方向にもスムーズに動き出せるようになります。 このとき、上半身はリラックスさせ、いつでも素早く反応できるように準備しておくことが大切です。
そして、ラケットの握り方(グリップ)も非常に重要です。基本となるのは「イースタングリップ」と呼ばれる握り方で、ラケットの面を地面と垂直にし、上から握手するように握ります。
正しいテイクバックと打点の位置
「テイクバック」とは、ショットを打つ前にラケットを後ろに引く動作のことです。このテイクバックを正しく行うことで、スムーズで力強いスイングが生まれます。
頭の上で打つショット(オーバーヘッドストローク)の場合、まず体を半身(右利きなら左肩を相手に向ける)にします。 そして、ラケットを持った方の肘を後ろに引き、肩の高さまで上げます。 このとき、ラケットヘッド(ラケットの先端)が下がらないように注意しましょう。ラケットを持っていない方の手は、バランスをとるために斜め前に上げると、体全体が安定します。
そして最も重要なのが「打点」です。打点とは、シャトルを捉える位置のことで、空振りをなくすためには、この打点を常に体の少し前で捉えることがポイントです。 打点が体の真上や後ろになってしまうと、力がうまく伝わらないだけでなく、体勢が崩れて空振りの原因になります。 自分の利き腕が伸びきる少し手前、最も力が入りやすい位置でシャトルを捉える意識を持ちましょう。
体の軸を意識したスムーズな体重移動
バドミントンのショットは、腕の力だけで打つものではありません。体の軸(体幹)をしっかりと保ち、下半身からの力を上半身、そして腕、ラケットへと連動させることで、パワフルで安定したショットが可能になります。
オーバーヘッドストロークを例にとると、テイクバックの際には後ろ足(右利きなら右足)に体重を乗せます。そして、スイングを開始すると同時に、体の回転を使って体重を前足(右利きなら左足)へと移動させていきます。この体重移動によって生まれたエネルギーが、スイングスピードを加速させるのです。
このとき、体の軸がブレてしまうと、力が分散してしまい、スイングも不安定になります。おへその下あたり(丹田)に軽く力を入れるようなイメージで、体の中心を意識すると、軸が安定しやすくなります。鏡の前で素振りをしたり、自分のフォームを動画で撮影したりして、体の軸がまっすぐに保たれているかを確認するのも効果的です。
フォロースルーの重要性
「フォロースルー」とは、インパクト後にラケットを振り抜く動作のことです。シャトルを打った後なので、ついおろそかになりがちですが、実は安定したショットを打つために非常に重要な動きなのです。
インパクトの瞬間にスイングを止めてしまうと、ラケットの面がブレやすくなり、ショットが安定しません。また、体に急ブレーキをかけることになるため、怪我の原因にもなりかねません。
正しいフォロースルーは、スイングの一連の流れの中で自然に行われます。ラケットを振り抜いた後、その勢いのまま、腕を体の反対側(右利きなら左側)に持っていくようなイメージです。 これにより、スイングの軌道が安定し、シャトルに最後まで力を加え続けることができます。また、次の動作へスムーズに移行するためにも、フォロースルーは欠かせない動きです。
今日からできる!空振り改善のための効果的な練習法

原因と正しいフォームが分かったら、あとは実践あるのみです。ここでは、空振りを克服し、確実にシャトルを捉える感覚を養うための効果的な練習方法をいくつかご紹介します。一人でできるものもあるので、ぜひ日々の練習に取り入れてみてください。
まずは素振りから!フォームと軌道の確認
シャトルを実際に打つ前に、まずは正しいフォームで素振りをする習慣をつけましょう。素振りは、ただラケットを振るだけの単純な練習に見えますが、空振りをなくすための基礎を作る、非常に重要なトレーニングです。
目的は、自分のスイング軌道を確認し、安定させることにあります。毎回同じ軌道でラケットを振ることができれば、シャトルを捉える確率も格段にアップします。大きな鏡の前で自分のフォームをチェックしながら行うのが最も効果的です。体の軸はブレていないか、テイクバックは正しくできているか、そしてラケットがスムーズに振り抜けているか、一つひとつの動きを丁寧に確認しましょう。
その際、ただやみくもに速く振るのではなく、「ここでシャトルを捉える」という打点を意識しながら、ゆっくりと振ることから始めてください。正しい打点でラケットの面がシャトルに対してまっすぐ当たるイメージを頭の中で描きながら行います。慣れてきたら、徐々にスイングスピードを上げていきましょう。また、タオルを使って素振りをするのもおすすめです。タオルの先端に結び目を作って少し重くし、それを振ることで、遠心力を感じながら、しなやかなスイングを身につけることができます。
手投げノックで打点を体に覚えさせる
フォームがある程度固まってきたら、次は実際にシャトルを打つ練習です。しかし、いきなり速いシャトルを打ち返すのは難易度が高いので、まずはパートナーにシャトルを優しく投げてもらう「手投げノック」から始めましょう。
手投げノックの最大のメリットは、シャトルのスピードがゆっくりで、軌道も安定しているため、打点とタイミングを合わせることに集中できる点です。ラケットを振ることだけに意識を向けることができるので、空振りが多い初心者にとっては最適な練習法と言えます。
まずは、自分の打ちやすい高さ、つまり最適な打点にシャトルを投げてもらい、確実にミートさせる感覚を養います。このとき、強く打つ必要はありません。リラックスして、ラケットの真ん中(スイートスポットと呼ばれ、最も効率よく力を伝えられる部分)に「コン」と当てることを意識してください。
慣れてきたら、少し前に投げてもらったり、後ろに投げてもらったりして、一歩、二歩動いてから打つ練習へとステップアップしていきましょう。この練習を繰り返すことで、実戦での距離感のズレが少しずつ修正されていきます。
風船やタオルを使った感覚トレーニング
体育館が使えない日でも、自宅でできる感覚トレーニングを取り入れることで、上達のスピードは変わってきます。特におすすめなのが、風船やタオルを使った練習です。
風船は、シャトルよりもはるかにゆっくりと落ちてくるため、目で追いやすく、落下地点を予測する練習になります。ラケットで風船をポンポンとリフティングしてみましょう。風船の中心を正確に捉えないと、あらぬ方向に飛んでいってしまうため、自然とラケットの真ん中に当てる集中力と、面の向きをコントロールする感覚が養われます。天井の低い室内でも安全に行えるのが嬉しいポイントです。
一方、タオルはスイングの練習に役立ちます。タオルの端を持ち、鞭(むち)のようにしならせて振ってみてください。正しく振れると、「ビュッ!」と鋭い風切り音が鳴るはずです。この音が鳴る場所が、最もスイングスピードが速くなっているポイントであり、理想的な打点になります。手首や腕の力だけでなく、体全体を使ってしなやかに振る感覚を掴むのに非常に効果的です。この練習は、肩や肘を痛めにくいというメリットもあります。これらの地道なトレーニングが、コート上でのパフォーマンスに必ず繋がっていきます。
実戦で空振りを減らすための意識とコツ

基本のフォームや練習方法を学んだら、次は実際のラリーやゲームで空振りを減らすための意識の持ち方やコツを掴んでいきましょう。技術だけでなく、少し考え方を変えるだけでも、ミスは大きく減らせます。
焦らず、まずはシャトルを当てることを意識する
ゲームになると、つい「強いスマッシュを打ちたい!」「相手が取れないコースを狙いたい!」という気持ちが先行してしまいがちです。しかし、その焦りや力みが、フォームを崩し、空振りを誘発する最大の原因となります。
空振りに悩んでいる段階では、まず「強い球を打つこと」や「コースを狙うこと」は一旦忘れましょう。 目標をぐっとシンプルにして、「とにかくラケットにシャトルを当てること」「相手のコートに返すこと」だけに集中するのです。
スイングも、フルスイングである必要はありません。7割程度の力で、コンパクトに振ることを心がけてください。まずは確実にラケットの真ん中、スイートスポットでシャトルを捉える感覚を最優先します。シャトルがラケットに当たる瞬間まで、ボールから絶対に目を離さないという基本も、試合中は特に意識しましょう。確実に当てて返すことができれば、それだけでラリーは続きます。この「当てる」という成功体験を積み重ねていくことで、徐々に自信がつき、心にも余裕が生まれてきます。その余裕ができてから、少しずつショットの強さやコースを意識していくのが、上達への着実なステップです。
相手の動きをよく見て落下地点を予測する
バドミントンは、ただ飛んできたシャトルに反応するだけのスポーツではありません。相手が打つ前から、次にどこへシャトルが飛んでくるかを予測することで、試合を有利に進めることができます。そして、この予測能力は空振りを減らすことにも直結します。
なぜなら、落下地点を素早く予測できれば、その分早く動き出すことができ、余裕を持ってシャトルの下に入れるからです。十分な時間があれば、焦ることなく正しいフォームで打つ準備ができ、結果として空振りやミスショットが劇的に減ります。
では、どこを見て予測すれば良いのでしょうか。注目すべきは、相手がシャトルを打つ瞬間の体勢、ラケットの面の向き、そしてスイングの大きさです。
| 相手の動き | 予測されるショット |
|---|---|
| 体を大きくひねり、大振りのスイング | コートの奥を狙う「クリア」や「スマッシュ」の可能性が高い |
| コンパクトで、ラケットの面が上を向いている | ネット際に落とす「ドロップ」や「ヘアピン」の可能性が高い |
| ラケットの面がまっすぐ前を向いている | 直線的に飛んでくる「ドライブ」の可能性が高い |
もちろん、最初はなかなか予測通りにはいかないかもしれません。しかし、常に「相手は次に何をしてくるだろう?」と考えながらプレーする癖をつけることが重要です。この意識を持つことで、ボールへの反応速度が見違えるように向上していくでしょう。
パートナーと協力してラリーを続ける練習
試合形式の練習も大切ですが、空振りをなくすためには、勝ち負けを目的とせず、純粋に「ラリーを続けること」を目的とした練習を積極的に取り入れましょう。これは「基礎打ち」とも呼ばれ、ウォーミングアップでもよく行われます。
この練習では、パートナーとお互いに、相手が打ちやすい、返しやすい場所にシャトルをコントロールして打ち合います。厳しいコースを狙ったり、速いスマッシュを打ったりする必要は一切ありません。目的は、あくまでラリーを長く続けることです。
この練習には、たくさんのメリットがあります。まず、リラックスした状態で何度もシャトルを打つことができるため、正しいフォームや、シャトルとの距離感を体に染み込ませるのに最適です。また、ラリーが続くことで、フットワークを使って動くことにも慣れていきます。何より、ラリーが続くと単純に楽しいものです。この「楽しい」という感覚が、モチベーションを維持し、練習の質を高めてくれます。まずは10回、次は20回と、目標回数を決めてパートナーと協力して取り組んでみてください。空振りへの恐怖心がなくなり、自然とシャトルを捉えられるようになっているはずです。
まとめ:バドミントンの空振りを克服して、もっと楽しもう!

今回は、バドミントンで空振りしてしまう原因とその克服法について、詳しく解説してきました。
空振りの主な原因は、「シャトルとの距離感」「フォームの乱れ」「フットワークの遅れ」「目線のブレ」という4つのポイントに集約されます。これらの原因を一つひとつ理解し、正しいフォームを身につけ、手投げノックや素振りといった地道な基礎練習を繰り返すことが、上達への一番の近道です。
そして、実戦では「強い球を打とう」「コースを狙おう」と焦る気持ちをぐっと抑え、まずはラケットの真ん中に確実に当てることだけを意識してみてください。ラリーを続けることを目標に練習すれば、自然と自信がつき、空振りへの恐怖心もなくなっていきます。
空振りがなくなれば、ラリーが続くようになり、バドミントン本来の楽しさ、奥深さをさらに感じられるようになるはずです。この記事が、あなたのバドミントンライフをより豊かにする一助となれば幸いです。


