バドミントンの試合で、相手の裏をかいて得点を決めるプレーは非常に爽快ですよね。特にネット際での攻防において、バドミントンのフェイントやスピンネットのやり方をマスターしていると、試合の主導権を握る大きな武器になります。
しかし、「なかなかシャトルが回転しない」「フェイントをかけても相手に読まれてしまう」と悩んでいる方も多いのではないでしょうか。繊細なタッチが要求されるこれらの技術は、がむしゃらに練習するだけではなかなか身につきません。
この記事では、バドミントン初心者から中級者の方に向けて、スピンネットの具体的な打ち方や、効果的なフェイントのバリエーションをわかりやすく解説します。基本から実践的なコツまで詳しくお伝えしますので、ぜひ日々の練習に取り入れてみてください。
バドミントンにおけるフェイントとスピンネットの重要性とやり方の基本

バドミントンの試合において、単にシャトルを相手コートに返すだけでなく、相手のタイミングをずらす技術は勝利に直結します。まずはフェイントとスピンネットがなぜ重要なのか、その基本となる考え方を見ていきましょう。
フェイントが試合展開に与える大きな影響
バドミントンでのフェイントは、相手の予測を裏切り、足を止めたり逆を突いたりするために欠かせない技術です。相手が「次はここに来る」と予測して動き出した瞬間に、異なるコースや速度でシャトルを打つことで、相手のバランスを崩すことができます。
フェイントが成功すると、相手は体勢を崩して無理な体勢でレシーブすることになります。その結果、返球が甘くなり、こちらが攻撃のチャンスを得やすくなるのです。たとえ直接得点につながらなくても、相手に「何を打ってくるかわからない」というプレッシャーを与える効果もあります。
精神的な揺さぶりをかけることで、相手のミスを誘発しやすくなるのもフェイントの大きなメリットです。技術的な難易度は高いですが、使いこなせるようになると格上の選手とも対等以上に渡り合える可能性が広がります。
スピンネットの基本的な仕組みとメリット
スピンネットとは、ネット際でシャトルを打つ際にコルク(シャトルの先端部分)を切り、シャトルを不規則に回転させながら相手コートに落とす技術です。通常のヘアピンショットに比べて、シャトルが空中やネット上で不規則な動きをします。
このショットの最大のメリットは、相手が非常に打ち返しにくくなる点です。シャトルが回転しているため、相手がラケットで触れた瞬間に予期せぬ方向へ飛んでいったり、ネットに引っかかったりする確率が格段に上がります。
また、スピンをかけることでシャトルの滞空時間を調整したり、ネットギリギリで急激に落下させたりすることも可能です。スピンネットは攻めのヘアピンとして、ネット前の主導権を奪うために非常に強力なショットと言えるでしょう。
スピンネットとヘアピンの違い
・ヘアピン:シャトルの下にラケットを入れ、優しく持ち上げてネットを越すショット。
・スピンネット:ラケット面を斜めに動かしてコルクを擦り、回転を加えて不規則に落とすショット。
初心者がまず意識すべきラケットワークのコツ
フェイントやスピンネットを成功させるためには、力強いスイングよりも繊細な指先のコントロールが重要です。多くの初心者は腕全体を使って打とうとしてしまいますが、これでは動きが大きくなりすぎて相手に読まれてしまいます。
基本となるのは、グリップを柔らかく握ることです。ガチガチに握りしめてしまうと、手首の可動域が狭まり、シャトルに回転をかけたり瞬時にコースを変えたりすることができません。指先でラケットを転がすような感覚を持つことが大切です。
また、インパクト(シャトルを打つ瞬間)の直前まで同じフォームを維持することも意識しましょう。どのショットを打つ時も同じ構えであれば、相手は予測を立てにくくなります。この「予備動作の共通化」こそが、高度なテクニックの土台となります。
ネット際で差をつける!スピンネットの具体的な打ち方と練習方法

スピンネットを習得するには、シャトルに回転をかける独特の感覚を身につける必要があります。ここでは、具体的なやり方と上達のためのステップを紹介します。
シャトルのコルクを切るように打つ感覚を掴む
スピンネットで最も重要なのは、シャトルを「叩く」のではなく「擦る(こする)」という感覚です。シャトルのコルク部分の側面を、ラケットのガット(網目)でなぞるように動かすことで、鋭い回転が生まれます。
イメージとしては、包丁で何かを薄くそぎ落とすような動きや、マッチを擦るような手首の使い方に近いです。ラケットを垂直に動かすのではなく、横や斜め方向にスライドさせることで、シャトルが不規則に回り始めます。
まずはシャトルを自分の手で持ち、ラケットを軽く当てて横に滑らせてみてください。シャトルがくるくると回る様子を確認しながら、どのような角度で当てれば効率よく回転がかかるかを探っていくのが近道です。
ラケットの面を寝かせて回転をかける手順
具体的な打ち方の手順としては、まずシャトルの落下地点に素早く入り、ラケット面を少し上向きに寝かせた状態で準備します。シャトルがラケットに触れる瞬間に、手首を内側や外側にひねりながら面を動かします。
このとき、肘を支点にするのではなく、手首と指先をメインに使うのがコツです。親指と人差し指でラケットの向きを微調整し、シャトルの勢いを利用しながら回転を加えます。無理に大きな力を入れる必要はありません。
フォアハンドであれば外側から内側へ、バックハンドであれば内側から外側へ払うように打つのが一般的ですが、逆の動きで回転をかける方法もあります。自分にとって一番スムーズに回転がかかる方向を見つけていきましょう。
スピンをかける方向は一方向だけでなく、クロスの方向にラケットを動かしながらストレートに落とすなど、複数を使い分けるとさらに効果的です。
ネットギリギリを狙うための高さ調節
スピンがいくらかかっていても、ネットから高く浮いてしまっては相手のプッシュ(叩きつけるショット)の餌食になってしまいます。回転をかけつつ、いかにネットの白帯(上端の白い部分)をかすめる低さで通すかが勝負です。
高さを抑えるためには、打点(シャトルを打つ位置)をできるだけ高い位置に保つことが重要です。シャトルが落ちてくるのを待つのではなく、自分から迎えに行くように足を出し、高い打点で触れることで、ネットを越えるための余計な角度をつけずに済みます。
また、シャトルの勢いを殺す感覚も必要です。相手の球が速い場合は、ラケットを少し引くようにして衝撃を吸収しつつ、回転を加えます。繊細なタッチが必要なため、毎回の練習で「ネットの高さ」を常に意識して取り組みましょう。
一人でできるヘアピン・スピンネットの基礎練習
スピンネットの感覚を養うには、一人で行える練習が非常に有効です。まずはシャトルを自分で真上に投げ、それが落ちてくるところをスピンをかけながら拾い上げる練習を繰り返しましょう。自分の目の前でシャトルがどう回転するかをじっくり観察できます。
次に、壁に向かってごく至近距離でシャトルを打ち、跳ね返ってきたものをスピンで返す練習もおすすめです。連続して行うことで、手首の柔軟性と反応速度が鍛えられます。この際、ラケットを強く振るのではなく、当てる角度だけでコントロールすることを意識してください。
慣れてきたら、コートのネットを使って練習します。自分でシャトルをネット際へ投げ、それを追いかけてスピンネットを打つ自作自演の練習です。実際にネットを越える感覚と、落ちる場所の正確さを養うことができます。
相手の足を止める!効果的なフェイントのやり方とバリエーション

バドミントンのフェイントには、いくつかのパターンがあります。相手に読ませないためのテクニックを具体的に見ていきましょう。
フォームの「溜め」で相手を迷わせる技術
フェイントの基本であり、最も効果的なのが「ホールド(溜め)」という技術です。シャトルを打つ瞬間に一瞬だけラケットの動きを止め、相手が動き出すタイミングを遅らせたり、予測を狂わせたりします。
通常、選手は相手がラケットを振るリズムに合わせて動き出します。しかし、インパクトの直前でわずかに静止する時間を作ることで、相手は「いつ打ってくるのか」と疑心暗鬼になり、足が床に張り付いたような状態になります。
この「溜め」を作った後に、ネット際にポトンと落とすのか、それとも奥へ押し出す(クリアやロブ)のかを使い分けるのが非常に強力です。一瞬の静止が、相手にとっての致命的な遅れを生み出します。
クロスに見せかけてストレートに打つネットプレー
ネット際でのフェイントとして多用されるのが、ラケットの振る方向と実際に飛ばす方向を変えるテクニックです。例えば、大きくクロス(斜め方向)に振るように見せかけ、インパクトの瞬間に手首を返してストレート(真っ直ぐ)に落とします。
これを行うには、体の向きを工夫する必要があります。体全体をクロスの方向へ向け、いかにもクロスに打つという雰囲気を出しながら、腕の振りだけでコースを変えます。視線もクロスの方向へ向けておくと、相手をより強く騙すことができます。
逆に、ストレートに打つと見せかけてクロスにヘアピンを打つのも効果的です。この場合は、ギリギリまでラケットを真っ直ぐ出し、最後に親指や指先でクッとコースを変える繊細な操作が求められます。
スマッシュの構えからドロップに変える基本のフェイント
後方(リアコート)からのフェイントで代表的なのが、全力でスマッシュを打つような大きなバックスイングから、急減速してドロップを打つやり方です。これはダブルス・シングルスを問わず非常に有効な手段です。
ポイントは、肩の動きや踏み込みの強さを、本物のスマッシュと全く同じにすることです。相手が強打を警戒して重心を低くしたり後ろに下げたりした瞬間、ネット際にシャトルを落とされると、対応するのは極めて困難です。
打つ瞬間に腕の力を抜き、シャトルを優しく「置く」イメージで打ちます。このとき、ラケットの振りが止まりすぎるとバレてしまうため、フォロースルー(打った後の腕の振り)までスマッシュに似せることが成功の鍵です。
視線や体の向きを使った心理的な揺さぶり
技術的な操作だけでなく、人間の心理を利用したフェイントも存在します。最も使いやすいのは視線です。次に打ちたいコースとはあえて逆の方向をチラッと見るだけで、意識の高い相手ほどその情報を信じて動いてしまいます。
また、体の入れ方も重要です。例えば、サイドへ追い込まれた際、苦し紛れにクリアを打つような体勢を見せながら、実際にはドロップやカットを打つといった工夫です。自分の体全体を使って「嘘」をつく楽しさを覚えると、フェイントの精度はさらに上がります。
ただし、これらのフェイントは基本的なショットが正確に打てることが前提です。基礎ができていないままフェイントばかり狙うと、自分自身のミスが増えてしまうため、バランスを考えながら取り入れていきましょう。
フェイントとスピンネットを実戦で成功させるためのポイント

練習ではうまくできても、いざ試合になると成功しないということも多いはずです。実戦でこれらの技術を活かすための秘訣を解説します。
相手のポジションと重心移動を観察する
効果的なフェイントやスピンネットを打つためには、自分側の状況だけでなく、相手が今どこにいて、どこに動こうとしているかを把握する必要があります。相手が予測を立てて、特定の方向へ重心を傾けた瞬間が最大のチャンスです。
例えば、相手がネット前を警戒して前に突っ込んできそうな気配があれば、スピンネットを打つフリをして奥へロブを打つのが有効です。逆に、相手が後ろに下がろうとしているなら、丁寧なスピンネットで前に落とすのがベストです。
視野を広く持ち、相手の足元をぼんやりと見るようにすると、重心の移動が察知しやすくなります。自分の打つショットを決めてから動くのではなく、相手の状況を見てから最終的なコースを決定する余裕を持ちましょう。
常に同じフォームから複数の選択肢を持つ
フェイントの本質は「どのショットが来るかわからない」という状態を作ることです。そのためには、一つの構えから少なくとも2つ、理想的には3つの異なるショットを打てるようになる必要があります。
ネット前であれば、同じ低い構えから「ストレートヘアピン」「クロスヘアピン」「ロブ」の3つを。後方であれば「スマッシュ」「ドロップ」「クリア」を、同じ打点とフォームから打ち分けられるように練習します。
特定のショットのときだけフォームが変わってしまうと、上級者にはすぐに見破られてしまいます。自分を鏡で見たり、動画を撮ったりして、予備動作に差が出ていないかをチェックするのが非常に効果的です。
上達のチェックリスト
・打つ直前まで力を抜いているか?
・足の踏み込みのリズムを一定にできているか?
・視線だけでコースを教えてしまっていないか?
ミスを恐れずにチャレンジするメンタル
スピンネットやフェイントは非常に繊細な技術であるため、どうしてもミスがつきものです。特にスピンネットはネットに引っかけるリスクが高く、試合の重要な場面で使うのをためらってしまうこともあるでしょう。
しかし、ミスを恐れて安全なショットばかり打っていては、相手にとって怖い選手にはなれません。「1回ミスしても、次は決めて相手を混乱させてやる」という強気な姿勢が、結果として精度の高いショットを生みます。
練習試合など、負けても良い場面で積極的に挑戦し、成功体験を積み重ねることが大切です。自信を持って打てるときほど、無駄な力が抜けてスピンもフェイントも成功しやすくなります。
状況に応じた最適なショットの選択基準
どんなに素晴らしいフェイントでも、使いどころを間違えると逆効果です。例えば、自分が大きく崩されているときや、息が上がって体勢が不十分なときに無理なフェイントを狙うと、自滅する可能性が高くなります。
基本的な選択基準としては、自分が余裕を持ってシャトルの下に入れるときにフェイントやスピンネットを狙うようにします。また、試合の序盤でいくつかのパターンを見せておき、終盤の大事なポイントでそれらを逆手に取るといった戦術も有効です。
「ここぞ」という場面で使うからこそ、フェイントは光ります。常に100%の力で変化球を投げるのではなく、ストレート(基本ショット)を主軸にしつつ、アクセントとしてこれらの技術を織り交ぜていきましょう。
上達を加速させる!練習メニューと上級者のコツ

最後に、フェイントやスピンネットを自分のものにするための、より実践的な練習方法と上級者が意識しているポイントを紹介します。
ノック形式で繰り返す反復練習の重要性
特定の技術を身につけるには、ノック練習(球出し練習)が最適です。コートの反対側から連続してシャトルを出してもらい、ネット際でのスピンネットやフェイントの練習に集中しましょう。
まずは特定のコースにスピンネットを打つ練習を10球から20球一組で行います。次に、球出しの人の合図や自分の判断で、打つ瞬間にコースを変えるフェイントの練習に移行します。これにより、咄嗟の判断力が養われます。
疲れてくると指先の感覚が鈍くなるため、短時間で集中して行うのがコツです。ビデオ撮影を行い、自分のラケット面がどう動いているか、相手から見てどう見えるかを客観的に分析することも上達への近道となります。
指先の感覚を研ぎ澄ますグリップの握り方
上級者の多くは、ショットの瞬間にグリップの握りの強さを細かく変えています。構えているときは「卵を握るような」優しさで持ち、打つ瞬間にだけ必要な分だけ指に力を入れます。
スピンネットの場合、親指の腹と人差し指の付け根でラケットのシャフトを転がすように操作します。バックハンドなら親指をグリップの広い面(サムアップ)に当てて支点にし、フォアハンドなら人差し指を引っかけるようにして面を操作します。
この指先の自由度を保つために、グリップテープの状態にも気を配りましょう。滑りやすいテープでは指先が安定せず、繊細なコントロールができません。自分に合った太さや質感のグリップを見つけることも、技術向上の重要な要素です。
フットワークと連動させた実践的な動き
足が止まった状態で手先だけで打つフェイントは、実戦ではほとんど役に立ちません。常にフットワークの一部として、シャトルの落下地点へ力強く踏み込む動きの中に、繊細なラケットワークを組み込む必要があります。
特にネット前では、最後の一歩を大きく力強く踏み出すことで、相手に「ロブを打つのではないか」「強く打つのではないか」という錯覚を与えやすくなります。足の動きで「剛」を見せ、手先で「柔」を表現するギャップがフェイントの威力を倍増させます。
踏み込んだ足の膝を柔軟に使うことで、打点の高さを微調整しやすくなります。上半身がブレないように体幹を安定させ、下半身のエネルギーを指先へ伝えていくイメージで練習してみましょう。
フットワークの最後の一歩で、あえて少し遅れて入る「フェイント的な足運び」も存在します。上級者を目指すなら、足の動きの緩急も意識してみましょう。
プロの試合動画からフェイントのタイミングを学ぶ
トップ選手のプレーには、教科書には載っていないような絶妙なフェイントがたくさん隠されています。世界レベルの試合動画をスロー再生などで観察し、どのタイミングで「溜め」を作り、どこに視線を送っているかを確認してみてください。
特にダブルスの前衛や、シングルスのネットプレーヤーの動きは参考になります。「ここで打つのか!」という驚きを感じるショットがあれば、それを自分の練習で真似(まね)してみることから始めましょう。
技術そのものをコピーするだけでなく、そのショットに至るまでの前後の流れを理解することが重要です。どのような状況でそのフェイントが選ばれたのかという「戦術眼」を養うことで、あなたのバドミントンはより奥深いものになるはずです。
| 技術要素 | 意識するポイント | 期待できる効果 |
|---|---|---|
| スピンネット | コルクの側面を擦るように打つ | シャトルが不規則に揺れ、相手のミスを誘う |
| ホールド(溜め) | インパクト直前で一瞬止まる | 相手の動き出しを遅らせ、足を止めさせる |
| 逆モーション | 体の向きと逆方向に打つ | 相手の逆を突き、エースショットにする |
| 視線のフェイント | 打つ方向とは別の方を見る | 心理的な誘導で予測を狂わせる |
バドミントンのフェイントとスピンネットを習得して勝利を掴むまとめ
バドミントンにおいて、フェイントとスピンネットのやり方をマスターすることは、単なるテクニックの習得以上の意味を持ちます。それは、相手との駆け引きを楽しみ、試合を有利に進めるための強力な武器を手に入れるということです。
スピンネットを成功させるには、シャトルのコルクを繊細に擦る感覚と、ネットギリギリを通す高い打点が不可欠です。また、フェイントを実戦で活かすためには、どのショットを打つときも同じフォームから始動し、インパクトの瞬間に指先で変化をつける技術を磨く必要があります。
これらの技術は一朝一夕で身につくものではありませんが、毎日の練習の中で指先の感覚を研ぎ澄ませ、相手の動きを観察する習慣をつけることで、確実に上達していきます。ミスを恐れず、遊び心を持って新しい打ち方にチャレンジしてみてください。
今回ご紹介したコツや練習方法を一つずつ実践していくことで、あなたのネットプレーは見違えるほど鋭くなるはずです。相手を翻弄し、思い通りに試合をコントロールする楽しさを、ぜひコートの上で体感してください。



