バドミントン ダブルス サーブ 狙い所をマスターして試合を有利に進めるコツ

バドミントン ダブルス サーブ 狙い所をマスターして試合を有利に進めるコツ
バドミントン ダブルス サーブ 狙い所をマスターして試合を有利に進めるコツ
技術・戦術と練習方法

バドミントンのダブルスにおいて、サーブは単なる試合開始の合図ではありません。実は、その一打でラリーの主導権を握れるかどうかが決まる、非常に重要な攻撃の第一手なのです。特にダブルスでは、ショートサーブの精度や配球が勝敗に直結すると言っても過言ではありません。

初心者から中級者へとステップアップするためには、闇雲に打つのではなく「どこに打てば相手を崩せるか」という戦術的な視点が不可欠です。この記事では、バドミントン ダブルス サーブ 狙い所を中心に、相手を翻弄するための具体的なコースや打ち分けのコツを詳しく解説します。

サーブの狙い所を理解することで、相手の強烈なアタックを封じ、自分たちが有利に攻撃を展開できるようになります。安定したサーブを身につけ、ペアでの勝利を掴み取りましょう。基本から応用まで、実践で役立つ知識を詰め込みましたので、ぜひ最後までチェックしてください。

バドミントン ダブルス サーブ 狙い所の基本:4つの重要ポイント

ダブルスのサーブにおいて、狙うべき場所は大きく分けて4つあります。それぞれのコースには明確な役割があり、相手を前後に動かしたり、窮屈な体勢に追い込んだりする効果があります。まずは基本となる狙い所を整理していきましょう。

【ダブルスのサーブで狙うべき4つの基本コース】

1. T字(センターラインとサービスラインの交点)

2. ワイド(サイドライン側の角)

3. ボディ(相手の体、特に利き手の肩や腰)

4. ロング(バックバウンダリーライン付近)

最も基本となる「T字」付近へのコントロール

ダブルスで最も多用され、かつ最も安定した狙い所とされるのが、センターラインとショートサービスラインが交差する「T字」と呼ばれるエリアです。ここに正確にコントロールされたサーブは、レシーバーにとって非常に返しにくいものとなります。なぜなら、コートの真ん中にシャトルが来るため、角度をつけた返球がしにくくなるからです。

T字を狙う最大のメリットは、相手の返球コースを限定させられる点にあります。真ん中に集めることで、クロスへの大きな展開を防ぎ、自分たちの正面付近にシャトルを返させやすくなります。これにより、サーブ側のペアは次に打つべき球の予測が立てやすくなり、3打目での攻撃につなげやすくなるのです。

ただし、T字へのサーブはネットの上を通過する高さが重要になります。少しでも浮いてしまうと、相手に上から叩かれるリスクがあるため、ネットギリギリを通過する軌道を常に意識しましょう。練習では、シャトルがネットの白帯をかすめるくらいの高さを安定して狙えるように繰り返すことが大切です。

また、T字への配球は「迷い」を生じさせる効果もあります。特にペア同士のコミュニケーションが不足している相手の場合、どちらが取るか一瞬判断が遅れることがあります。こうした心理的な揺さぶりも、T字狙いの隠れたメリットと言えるでしょう。

相手を揺さぶる「ワイド」への配球

次に見逃せない狙い所が、サイドラインぎりぎりを狙う「ワイド」への配球です。T字へのサーブを意識している相手に対し、不意に外側へ打つことで、相手の守備範囲を広げさせることができます。ワイドへ打たれたシャトルを取るためには、レシーバーは横に大きく踏み出す必要があり、体勢を崩しやすくなります。

ワイドへのサーブが効果を発揮するのは、相手がセンター寄りに構えている時や、T字へのサーブを待ち構えて前傾姿勢になっている時です。外側に振ることで相手のラケットワークを制限し、甘い球を上げさせたり、サイドラインを割るミスを誘ったりすることが可能になります。特にバックハンド側へのワイド展開は、多くのプレーヤーにとって苦手なコースとなります。

しかし、ワイドへのサーブにはリスクも伴います。コートの外側へ向かって打つため、少しでもコントロールを誤るとサイドアウト(ラインの外に出ること)になりやすいのです。また、角度をつけた返球を許してしまう可能性もあるため、自分たちのペアがサイドのスペースをしっかりカバーできる準備をしておく必要があります。

ワイドを狙う際は、最初から外を向いて構えるのではなく、あくまでT字を狙うフォームと同じ構えから、手首の角度だけでコースを変えるのがコツです。相手にコースを読ませない工夫を凝らすことで、ワイドへのサーブはより強力な武器へと進化します。

返球を制限させる「ボディ」への攻撃

意外と忘れがちなのが、相手の体そのものを狙う「ボディ」へのサーブです。バドミントンではシャトルが体に近すぎると、ラケットを振るスペースがなくなり、正確なショットが打てなくなります。この性質を利用して、レシーバーの胸元や利き手の肩、腰のあたりを狙ってサーブを打ちます。

ボディへの狙い所として特におすすめなのが、利き手の肘付近です。この位置にシャトルが来ると、フォアハンドで取るかバックハンドで取るかの判断が一瞬遅れ、窮屈なフォームで返球せざるを得なくなります。その結果、レシーブが甘くなりやすく、ネット前にポトリと落ちるようなヘアピンや、力のないロブが返ってくる確率が高まります。

ボディを狙う際は、シャトルのスピードも重要です。あまりに遅いサーブだと相手に回り込まれてしまいますが、少し低く直線的な軌道で体に向かっていくサーブは、トッププレーヤーでも嫌がる戦術です。相手が執拗にプッシュ(上から叩くショット)を狙って前に詰めてくる場合に、非常に有効な牽制手段となります。

ただし、相手の体に直接当てるのではなく、あくまで「打ちにくい位置」に置くイメージを持つことが大切です。相手の立ち位置や構えをよく観察し、どのあたりが一番ラケットを出しにくい「ポケット」になっているかを探る観察眼を養いましょう。

油断を突く「ロングサービス」の有効活用

ダブルスではショートサーブが主体ですが、だからこそ時折混ぜる「ロングサービス(フリックサーブ)」が大きな効果を発揮します。相手がショートサーブを警戒して前重心になっている隙を突き、後方のサービスラインぎりぎりまでシャトルを飛ばすショットです。これにより、相手の攻撃のリズムを根底から崩すことができます。

ロングサービスを成功させる最大のコツは、テイクバック(ラケットを引く動作)をショートサーブと全く同じにすることです。打つ直前までショートサーブだと思わせ、インパクトの瞬間に手首を鋭く返してシャトルを高く、遠くへ飛ばします。相手が「前だ!」と判断して踏み込んだ瞬間に頭上を越されると、相手は後ろに大きくのけ反ることになり、チャンスボールが返ってきやすくなります。

ただし、ダブルスのロングサービスラインはシングルスよりも手前に設定されているため、あまり高く上げすぎると相手に飛びつかれて強烈なスマッシュを浴びる危険があります。軌道としては、相手のジャンプしても届かない高さを確保しつつ、なるべく速いスピードで奥まで届かせる「ドリブンサービス」に近い感覚が理想的です。

ロングサービスは、ここぞという場面で使うからこそ価値があります。例えば、接戦の終盤や、相手がイライラして強引に前に出てきている時などが絶好のタイミングです。相手に「後ろもあるぞ」と思わせるだけで、相手は前に詰めづらくなり、結果としてショートサーブも決まりやすくなるという相乗効果が得られます。

ダブルスのロングサービスは、エンドライン(一番後ろの線)ではなく、その一つ手前のラインが有効範囲です。シングルスと混同してアウトにならないよう、コートのラインをしっかり再確認しておきましょう。

レシーバーの構えから見抜くサーブの打ち分け術

効果的なサーブを打つためには、相手の状況をよく観察することが欠かせません。レシーバーは、自分が得意な返球をしようとして、無意識に特定の構えをとっていることが多いものです。その癖を読み解くことで、次の一打の最適なコースが見えてきます。

相手の立ち位置、ラケットの高さ、足の向きなど、情報源はたくさんあります。これらを瞬時に分析し、相手が最も嫌がる場所へシャトルを送り届ける技術を磨いていきましょう。ここでは、相手の観察ポイントとそれに応じた対策を深掘りします。

相手の立ち位置によるコースの選択

レシーバーがサービスラインのどこに立っているかは、最も分かりやすい指標です。例えば、センターライン(T字)にべったりと寄って構えている相手は、クロス方向への返球やボディへのサーブを警戒している可能性が高いと言えます。この場合、あえてサイドライン側のワイドを狙うことで、相手を大きく外側へ動かすことができます。

逆に、サイド側に余裕を持って立っている相手には、迷わずセンター(T字)を狙いましょう。真ん中に打つことで、相手はラケットを内側に絞り込むような動きを強いられ、自由なコースへの打ち分けが難しくなります。また、極端に前に詰めて立っている場合は、ロングサービスの絶好のチャンスです。足元ではなく、頭上を抜く意識を持つことが重要です。

さらに、前後だけでなく左右の微妙なズレにも注目してください。レシーバーが右足を出しているか左足を出しているかによって、一歩目の踏み出しやすさが変わります。一般的に、出している足とは逆の方向へ動かされるのを嫌う傾向があるため、その死角を突くような配球が非常に効果的です。

試合の序盤では、相手がどの位置に立つことを好むのかをチェックしましょう。人によっては、特定のコースを隠すために極端な立ち位置をとることもあります。その「隠したい場所」こそが、実は最大の弱点であることも少なくありません。

利き手とラケットの持ち方で狙いを変える

相手が右利きか左利きかを確認するのは基本中の基本ですが、さらに踏み込んで「ラケットをどう持っているか」も観察しましょう。ダブルスのレシーブではバックハンドで構える人が多いですが、そのラケットの高さやヘッド(先端)の向きに注目してください。ヘッドが上がっている選手は上からの叩きに強く、逆に下がっている選手は下からの拾いに自信がある傾向があります。

もし相手がバックハンドで高い位置にラケットを構えているなら、安易なショートサーブはプッシュの餌食になります。このような相手には、ラケットが届かないくらい低い位置を通すか、あるいは肘のあたりを狙ってフォアかバックかの判断を迷わせるボディショットが有効です。構えが固まっている時ほど、体の中心への攻めは効き目があります。

また、グリップ(持ち方)を短く持っているか長く持っているかもヒントになります。短く持っている相手は、ネット前での素早い操作を得意としていますが、遠い位置への対応が少し遅れることがあります。この場合、ワイドへの揺さぶりや、少し長めのサーブが効果を発揮しやすくなります。

逆に長く持っている相手は、リーチを活かした守備範囲の広さが武器ですが、至近距離での細かい操作は苦手なことが多いです。相手の「懐(ふところ)」に潜り込むような、食い込むサーブを意識してみましょう。相手のラケットワークの特性を見抜くことが、サーブの成功率を飛躍的に高めます。

視線や重心の偏りを見逃さない

一流のプレーヤーは、相手の「目」や「重心」を見てコースを判断します。レシーバーも人間ですので、次に狙おうとしている方向に無意識に目線が向いたり、そちら側にわずかに体重が乗ったりするものです。サーブを打つ瞬間に相手の目をチラリと見ることで、相手の狙いを予測するヒントが得られます。

例えば、相手がネットの白帯(上の縁)をじっと見つめている時は、ショートサーブをプッシュしようと強く意気込んでいるサインかもしれません。その殺気を感じたら、無理にショートで勝負せず、フリック(ロングサーブ)で相手の出鼻をくじくのが賢明です。逆に、相手の視線が少し泳いでいたり、重心が後ろに残っていたりする場合は、落ち着いて精度の高いショートサーブをT字に沈めましょう。

また、相手が呼吸を整えている最中なのか、それとも攻撃準備が完璧に整った瞬間なのかを見極めることも大切です。バドミントンは心理戦の側面が強いため、相手が「早く打ってこい」と焦っている時はあえてワンテンポ遅らせ、相手が油断した瞬間に打つといった駆け引きも有効です。

重心がどこにあるかを見分けるには、相手の膝の曲がり具合や腰の高さをチェックしてください。腰が沈み込んでいる時は、前後左右どこにでも動けるニュートラルな状態ですが、かかとが浮いて前掛かりになっている時は、前への意識が極端に強い状態です。観察力を磨くことで、サーブの狙い所はより鮮明になります。

相手をよく見る余裕がない時は、まず自分の呼吸を整えることから始めましょう。自分が落ち着くことで、自然と相手の些細な変化に気づけるようになります。

ダブルスで優位に立つためのショートサーブの質を高める練習法

狙い所が決まっても、そこへ正確にコントロールできなければ意味がありません。特にダブルスでは、ネットの上のわずか数センチの差が、チャンスになるかピンチになるかを分かれます。ここでは、ショートサーブの質を極限まで高めるための具体的な練習のポイントを紹介します。

質の高いショートサーブとは、単にネットを越えるだけでなく「相手が下から触らざるを得ない」軌道を描くものです。そのためには、シャトルの捉え方や腕の振りを徹底的に安定させる必要があります。毎日の練習に取り入れて、無意識でも高精度なサーブが打てるレベルを目指しましょう。

ネットギリギリを通す高低のコントロール

ショートサーブにおいて最も重要なのは、ネットの白帯からいかに離さずにシャトルを通過させるかです。理想は、シャトルがネットを越えた瞬間に急降下を始める軌道です。これを実現するためには、打点をできるだけ高く設定し、上から下へ、あるいは水平に押し出すようなイメージで打つことが求められます。

練習方法としては、ネットの白帯のすぐ上に細い紐を一本張り、その間を通す練習が非常に効果的です。視覚的に通すべき場所を限定することで、集中力が高まり、繊細な感覚が養われます。最初はゆっくりで構いません。確実に狙った高さを通せるようになったら、徐々にシャトルのスピードを上げていきましょう。

また、膝の使い方も高低のコントロールに影響します。棒立ちで打つのではなく、軽く膝を曲げて下半身を安定させることで、手の動きがぶれにくくなります。腕だけで打とうとせず、体全体を一つのユニットとして、静かに、かつ正確にシャトルを送り出す意識を持ってください。

さらに、シャトルを放す手(左手)の位置も固定しましょう。毎回同じ位置からシャトルを落とすことで、インパクトの瞬間が安定し、高さのバラつきを抑えることができます。こうした小さな動作の積み重ねが、試合の緊張した場面での安定感を生みます。

シャトルのコルクの向きと回転の意識

意外と意識されていないのが、打つ直前のシャトルの向きです。ダブルスのショートサーブでは、シャトルのコルク(先端)を自分の方に向け、羽の部分を少し斜めにして持つのが一般的です。これにより、インパクトの瞬間にシャトルがスムーズに飛び出し、安定した軌道を描きやすくなります。

ここで一歩進んだ技術として、シャトルにわずかな回転を加える(スピンサーブ)方法もありますが、まずは無回転で「揺れない」サーブを打てるようになることが先決です。空中でシャトルがフラフラせず、真っ直ぐにターゲットへ向かっていくサーブは、レシーバーにとって距離感が掴みにくく、非常に厄介なものです。

インパクトの際は、ラケット面でシャトルを「叩く」のではなく「運ぶ」または「押し出す」という感覚を大事にしてください。弦(ガット)の上をシャトルが滑るようなイメージを持つと、距離の微調整がしやすくなります。フォアハンドではなくバックハンドで打つ人が多いのは、この繊細な押し出しの操作がバックハンドの方がやりやすいためです。

練習では、シャトルのコルクがラケットのどの位置に当たっているかも意識しましょう。スイートスポット(一番よく飛ぶ場所)よりもやや先端寄りで打つと、シャトルの勢いを殺しやすく、ショートサーブ特有の「止まるような軌道」が作りやすくなります。自分なりのベストな打点を見つけることが上達への近道です。

メンタル面を安定させるルーティンの確立

サーブは自分のタイミングで始められる唯一のプレーですが、それゆえに緊張やプレッシャーがダイレクトに影響します。試合の重要な局面で「手が震えてネットにかけてしまった」という経験は誰にでもあるはずです。こうしたミスを防ぐために有効なのが、サーブを打つ前の「ルーティン」を作ることです。

ルーティンとは、決まった動作を毎回同じ順番で行うことです。例えば、「コートの角で一度深呼吸をする」「シャトルを三回軽く握り直す」「レシーバーの足元を一度見る」といった一連の流れを決めます。これを毎回の練習から徹底することで、脳が「いつも通りの動作だ」と認識し、過度な緊張を和らげてくれます。

また、ルーティンを行うことで、相手のペースを乱すこともできます。相手が急いで構えようとしている時に、あえてゆっくりと自分のリズムでルーティンをこなすことで、主導権を引き寄せることができます。逆に、自分たちのリズムが良い時は、ルーティンを簡潔にしてテンポよく進めるのも一つの戦術です。

メンタルの安定は、技術の精度を支える土台です。サーブ練習の時から、常に試合のスコアや状況をイメージし、緊張感を持って取り組んでください。「この一本が決まれば勝ちだ」という場面を想定してルーティンを繰り返すことで、本番に強いサーブが身につきます。

【サーブルーティンの具体例】

1. サービスラインの手前で立ち止まり、ペアと目を合わせる

2. 深呼吸をして肩の力を抜く

3. ラケットを構え、狙うコース(T字など)を心の中で唱える

4. レシーバーの状態を最終確認し、一定のリズムで打つ

サーブ後の3打目を有利にするペアとの連携と戦術

ダブルスにおいて、サーブは打って終わりではありません。むしろ、サーブを打った後の「3打目」を自分たちが攻撃できるかどうかが、サーブ戦術の真の目的です。そのためには、パートナーとの事前の打ち合わせや、打った後の素早い動き出しが必要不可欠となります。

良いサーブを打っても、その後の準備ができていなければ、相手のレシーブに逆襲されてしまいます。サーブから始まる一連の流れを一つのパッケージとして考え、ペアとしてどのようにコートを守り、攻めるかを共有しておきましょう。ここでは連携を強化するためのポイントを解説します。

サーブ後のホームポジションへの戻り方

ショートサーブを打った後、サーバー(打った人)は即座にネット前の攻撃に備える必要があります。この際、自分の打ったサーブのコースに応じて、どこを守るべきかが決まります。例えば、T字(センター)に打った場合は、相手からの返球はセンター付近に集まりやすいため、ネットのど真ん中で構えるのが基本です。

一方、ワイド(外側)に打った場合は、相手は角度をつけた返球をしてくる可能性が高くなります。そのため、サーバーは少しだけワイド側に重心を置き、ストレートのヘアピンやクロスへのプッシュに素早く反応できるように準備します。この「打ったコースに合わせた微修正」ができるようになると、ネット前での失点が劇的に減ります。

また、構える高さも重要です。ショートサーブの後は、ラケットを胸より高い位置に掲げ、相手のレシーブを上から叩ける準備をしておきましょう。ラケットを下げていると、せっかく浮いてきたチャンスボールを叩けず、逆にネット際に落とされて不利な状況に追い込まれてしまいます。ネット前は「速さ」が命です。

足元のフットワークも忘れてはいけません。サーブのインパクト直後に、軽くホップするようにして両足の体重を均等にする「スプリットステップ」を行うことで、前後左右どの方向への返球にも最短距離で動き出せるようになります。サーバーは「自分がネット前の番人だ」という自覚を持って構えましょう。

パートナーにコースを伝える重要性

ダブルスでは、後ろで控えているパートナーとの連携が勝敗を分けます。パートナーは、サーバーが「どこにサーブを打つか」をあらかじめ知っていることで、次にどこにシャトルが返ってくるかを高い確率で予測できるようになります。そのために有効なのが、背中の後ろで行う「ハンドサイン」です。

指を一本立てれば「ショートのセンター」、二本なら「ショートのワイド」、拳なら「ロングサーブ」といったように、簡単な合図を決めておきます。これにより、パートナーはサーバーの動きを注視しなくても、打つ前から守備位置や攻撃のイメージを固めることができます。特にロングサーブを打つ時は、パートナーが事前に下がっておかないと、相手のスマッシュに反応できなくなります。

この情報の共有があるだけで、ペアの動きは劇的にスムーズになります。もし相手のレシーブがこちらのバック側に飛んできても、事前に予測ができていれば一歩目の動き出しが早くなり、余裕を持って力強いショットを返すことができます。逆にサインなしで打ってしまうと、パートナーは「待ち」の姿勢になり、反応がどうしても遅れてしまいます。

サインを出すのが難しい場合は、練習中から「自分はこういう場面ではここを狙う」という傾向を話し合っておくだけでも効果があります。お互いの意図を理解し、補い合う関係を築くことが、ダブルスの醍醐味であり強さの源です。

相手のプッシュを想定した構えと準備

どれほど精度の高いサーブを打っても、レベルが上がれば相手は果敢にプッシュ(上から叩くショット)を狙ってきます。この時、驚いて逃げ腰になってしまうのが最も良くありません。良いサーブを打ったという自負があるなら、むしろ「プッシュを打たせて、それをカウンターで仕留める」という強気の姿勢を持ちましょう。

プッシュを返すコツは、ラケットを体の前でコンパクトに構え、相手のショットの威力を利用して軽く当てるだけという意識を持つことです。大きなスイングは必要ありません。相手のスピードを吸収するようにして、ネット際に柔らかく返す(ヘアピン)か、あるいは空いているスペースへパッシングショットとして飛ばします。

また、後ろのパートナーも、相手のプッシュが自分の顔付近に来ることを常に想定しておく必要があります。特にショートサーブがわずかに浮いた瞬間、相手は牙を剥いてきます。その一撃をしのいでラリーを継続できれば、強引に打ってきた相手は体勢を崩していることが多いため、こちらに逆転のチャンスが生まれます。

練習では、わざと甘いサーブを打って、それをプッシュしてもらい、返す練習を取り入れるのも良いでしょう。恐怖心をなくし、「プッシュが来ても大丈夫」と思えるようになれば、サーブ自体の精度もリラックスして高めることができるようになります。守備からの攻撃こそ、ダブルスの醍醐味です。

パートナーとの連携を深めるためには、ミスをした時こそ声を掛け合うことが大切です。「今のサーブは良かったよ」「次はこう動くね」といった具体的なコミュニケーションが、ペアの信頼関係を強固にします。

ミスを減らしてプレッシャーを与えるための考え方

サーブにおけるミスは、相手にタダで一点を献上するだけでなく、自分たちの流れを断ち切ってしまう精神的なダメージも大きいです。しかし、「絶対にミスをしてはいけない」という過度なプレッシャーは、筋肉を硬直させ、さらなるミスを招きます。ここでは、安定したメンタルでサーブに臨むための思考法を提案します。

ミスをゼロにするのは不可能ですが、ミスを最小限に抑えつつ、相手に「この人のサーブは一筋縄ではいかない」と思わせるプレッシャーを与えることは可能です。技術だけでなく、心の持ち方を少し変えるだけで、サーブの成功率は驚くほど向上します。

ネットミスを恐れない攻めの姿勢

ショートサーブで最も多いミスはネットにかけることです。これを恐れるあまり、安全に高く打ってしまうと、今度は相手にプッシュされる絶好球になってしまいます。大切なのは「ネットミスは攻めた結果である」と割り切ることです。もちろん練習では精度を追求しますが、試合では100点満点のサーブを毎回打とうとする必要はありません。

「ネットの白帯の上5センチを通れば合格」といったように、自分の中で許容範囲を持っておくと、気持ちが楽になります。余裕を持つことで結果的に余計な力が抜け、シャトルが自然とネットギリギリを通るようになることも多いのです。攻めの姿勢を崩さず、たとえミスをしても「次はもう少しだけ高さを調整しよう」と前向きに切り替えましょう。

また、ダブルスはペアで戦うものです。自分がサーブでミスをしても、次のラリーでパートナーがカバーしてくれるという信頼感があれば、思い切ったコースを狙えるようになります。一人で責任を背負いすぎず、二人で一点を取りに行くという意識が、安定したサーブを生む秘訣です。

プレッシャーを強く感じる場面では、一度コートの外を見て、会場の広さや天井の高さを確認し、視野を広げてみてください。狭くなっていた視界が戻ることで、空間把握能力が正常に働き、シャトルのコントロールがしやすくなります。

相手に予測させないためのリズムの変化

サーブを打つまでのタイミングが常に一定だと、相手はリズムを合わせやすくなり、レシーブの精度も上がってしまいます。そこで、あえて「リズムを変える」という工夫をしてみましょう。構えてからすぐに打つ場合もあれば、数秒間を置いてから打つ場合も作るのです。

相手がレシーブの構えを固めて、筋肉に力を込めている瞬間は、長く維持するのが難しいものです。そのタイミングで少しだけ待つことで、相手の集中力を削ぎ、反応を鈍らせることができます。逆に、相手がまだリラックスしている段階でパッと打ってしまうのも、意表を突く効果があります。

ただし、自分自身がリズムを崩してミスをしては本末転倒です。あくまで自分の呼吸は一定に保ちながら、打つ瞬間の「溜め」や「早打ち」をコントロールできるようになりましょう。これは技術というよりは、相手との駆け引きを楽しむ感覚に近いです。

リズムの変化は、点数が離されている場面や、相手に勢いがある時に特に有効です。試合の流れを一度リセットし、自分たちのペースに引き戻すためのツールとして活用してください。相手に「いつ打ってくるかわからない」と思わせること自体が、大きなプレッシャーになります。

点数状況に応じたサーブの選択

試合の局面によって、狙うべきコースやサーブの種類を使い分ける判断力も重要です。例えば、試合の序盤であれば、4つの基本コースを満遍なく使い、相手がどのコースを苦手としているか、どんなレシーブをしてくるかを探る「偵察」の期間に充てます。

中盤、競り合っている場面では、最も得意で安定しているコース(多くの場合はT字へのショートサーブ)を中心に据え、ミスによる失点を最小限に抑えます。ここで不用意なロングサービスを打ってミスをするのは避けたいところですが、相手が完全にショートサーブを読んでいると感じたら、勇気を持って一本ロングを混ぜる決断も必要です。

そして終盤、19平点やデュースといった極限の緊張状態では、相手も同様にプレッシャーを感じています。ここでは、相手の最も嫌がるコース(例えばバックハンド側のワイドやボディ)を狙い、相手のミスを誘うのがセオリーです。あるいは、あえて基本に忠実なT字へ最高精度のサーブを放ち、実力で勝負するのも一つの手です。

どのような状況でも、ペアと「次はどうする?」という意思疎通を欠かさないでください。二人で決めた戦術であれば、たとえその結果ミスになっても後悔は少なく、次のポイントへ切り替えやすくなります。状況判断力を磨くことが、勝てるプレーヤーへの条件です。以下の表に、状況別の推奨されるサーブ戦略をまとめました。

試合の局面 優先する狙い所 戦術的な意図
序盤(0〜7点) 全コース(T字、ワイド、ボディ) 相手の弱点やクセを分析する
中盤(8〜15点) T字メイン + ボディ 安定感を重視し、主導権をキープする
終盤(16点〜) 相手の弱点コース or ロング 勝負どころで相手の予測を外す
リードしている時 精度の高いショートサーブ 隙を見せず、着実にポイントを重ねる
追い上げたい時 フリック(ロング)やリズム変化 相手の勢いを止め、ミスを誘発する

バドミントン ダブルス サーブ 狙い所のまとめ

まとめ
まとめ

バドミントンのダブルスにおいて、サーブの狙い所を意識することは、単にミスを防ぐだけでなく、攻撃の主導権を握るために不可欠な要素です。基本となるT字、ワイド、ボディ、ロングの4つのコースを状況に応じて使い分けることで、相手を翻弄し、自分たちが有利な展開を作り出すことができます。

効果的なサーブを打つためには、まず相手の立ち位置やラケットの構え、さらには重心の偏りなどを鋭く観察する目を養いましょう。相手の弱点を見抜き、そこを突く配球ができるようになれば、レシーブからの強烈なプッシュを封じることが可能になります。また、ショートサーブの質を高めるための練習や、ルーティンによるメンタルの安定も、ここぞという場面での精度を支えてくれます。

さらに、ダブルス特有のペアとの連携を忘れてはいけません。ハンドサインなどで狙い所を共有し、サーブ後の3打目に備えることで、ペアとしての攻撃力は飛躍的に向上します。ミスを恐れすぎず、戦略的にコースを選択する姿勢こそが、相手にプレッシャーを与え、勝利を引き寄せる鍵となります。

この記事で学んだバドミントン ダブルス サーブ 狙い所の知識を、ぜひ明日の練習や試合から実践してみてください。小さな意識の変化が、あなたのプレー、そしてペアの戦績を大きく変えるはずです。安定したサーブを武器に、ダブルスの面白さをより深く味わっていきましょう。

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