バドミントン女子ダブルス界において、ひときわ異彩を放ち、多くのファンから愛されているのが「サクメイ」の愛称で知られる櫻本絢子選手と宮浦玲奈選手のペアです。左利き同士という非常に珍しい組み合わせでありながら、世界トップクラスの実力を誇る彼女たちのプレーには、どのような秘密が隠されているのでしょうか。
この記事では、櫻本・宮浦ペアの特徴と強みを、バドミントン初心者の方にも分かりやすく解説します。二人のプレースタイルや戦術的なメリット、そして再結成を経てさらに強まった絆など、彼女たちの魅力を深掘りしていきましょう。これを読めば、次の試合観戦がもっと楽しくなるはずです。
櫻本・宮浦ペア(サクメイ)の特徴と強み:世界でも希少なダブルサウスポー

櫻本・宮浦ペアの最大の特徴と言えば、何といっても二人とも左利き(サウスポー)であることです。ダブルスの世界において、右利きと左利きのペアは珍しくありませんが、両者が左利きというケースは非常に稀です。この特殊な構成が、彼女たちの唯一無二の強みを生み出す原動力となっています。
彼女たちはヨネックスのバドミントンチームに所属しており、長年一緒にプレーしてきたからこそ得られる深い信頼関係があります。一度はペアを解消した時期もありましたが、再結成後はさらに円熟味を増したプレーを見せています。まずは、このペアの基本的なプロフィールと、左利きならではの優位性について見ていきましょう。
櫻本・宮浦ペアのプロフィール
| 項目 | 櫻本 絢子(さくらもと あやこ) | 宮浦 玲奈(みやうら れな) |
|---|---|---|
| 生年月日 | 1995年8月19日 | 1995年7月25日 |
| 出身地 | 福岡県 | 東京都 |
| 利き腕 | 左利き | 左利き |
| 主なプレースタイル | 後衛からの強打と前衛の鋭さ | 巧みな配球と粘り強いレシーブ |
世界中のペアを翻弄するダブルサウスポーの特殊性
バドミントンのダブルスにおいて、多くの選手は右利きとの対戦に慣れています。そのため、左利きから放たれるシャトルの軌道や角度は、対戦相手にとって非常に予測しにくいものです。櫻本・宮浦ペアの場合、どちらが打っても左利き特有の回転やコースになるため、相手は試合中ずっと違和感を抱えながらプレーすることになります。
特にレシーブの場面では、相手が「ここなら右利きのバックハンド側だ」と狙って打った球が、彼女たちにとっては得意なフォアハンド側になることが多々あります。この混乱を誘発できる点が、他のペアには真似できない大きなアドバンテージとなっています。攻撃面でも、二人ともがクロス(対角線)方向に鋭いショットを打ち込めるため、相手の守備を容易に崩すことができます。
また、左利き同士だとコートのセンター(中央)付近の球をどちらが取るかという判断も、右利きのペアとは逆になります。彼女たちはこの連携を長年の経験で完璧にマスターしており、センターを突かれても隙を見せません。この「慣れによる優位性」を最大限に活かしているのが彼女たちの特徴です。
圧倒的なスピード感と攻撃的なコンビネーション
櫻本・宮浦ペアの強みは、その攻撃の速さにあります。バドミントンのダブルスでは「攻め続けること」が勝利への近道ですが、彼女たちは一度攻撃の形を作ると、怒涛の連続攻撃を仕掛けます。サウスポーから繰り出される角度のあるスマッシュは、相手の足元を鋭く突き、返球を甘くさせます。
二人のローテーション(コート内での動きの入れ替わり)も非常にスムーズです。前衛と後衛が目まぐるしく入れ替わりながら、常にどちらかが攻撃的な姿勢を保っています。これは、お互いの動きを熟知しているからこそ成せる業であり、相手に息をつく暇を与えないスピード感のある展開を作り出します。
特に、櫻本選手のパワーと宮浦選手のスピードが噛み合った瞬間の攻撃力は圧巻です。相手がレシーブで粘ろうとしても、次々と繰り出される鋭いコースのショットに、最終的にはミスを誘われてしまいます。この積極果敢なアタッキングスタイルこそが、サクメイの真骨頂と言えるでしょう。
長年の絆が生み出す阿吽の呼吸と安心感
二人は実業団の同期として出会い、長年同じチームで切磋琢磨してきました。ペアとしての活動期間が長いため、言葉を交わさなくてもお互いの考えていることが分かると言います。この精神的なつながりは、試合中の苦しい場面で大きな支えとなります。ミスが続いたときや、相手にリードされているときでも、お互いを信じてプレーを立て直すことができます。
一度ペアを離れた経験があるからこそ、お互いの大切さや、二人でプレーすることの楽しさを再認識したと言います。この「再結成」というストーリーが、彼女たちのプレーに深みと余裕を与えています。技術的な強さだけでなく、こうした精神的なタフさと連帯感も、彼女たちが世界で戦い続けられる大きな要因です。
観客席から見ていても、二人が楽しそうに、かつ真剣にシャトルを追う姿は印象的です。応援したくなるような明るい雰囲気を持っており、それがチーム全体の士気を高めることにもつながっています。信頼関係に裏打ちされたスムーズな連携は、ダブルス競技における理想的な形の一つと言えるかもしれません。
二人のプレースタイル:パワーとテクニックの融合

櫻本・宮浦ペアの特徴を語る上で欠かせないのが、個々の高い技術とそれらが融合した際の爆発力です。櫻本選手は後衛からの強力なショットを得意とし、宮浦選手は前衛での細かいタッチや広範囲をカバーする守備に長けています。この役割分担が明確でありながら、状況に応じて柔軟に入れ替わる機動力も持ち合わせています。
彼女たちのプレースタイルは、現代バドミントンのトレンドである「高速化」に対応しつつ、サウスポー特有の「変化」を加えたものです。単に速いだけでなく、シャトルの軌道を絶妙にコントロールすることで、相手のタイミングを外すテクニックが随所に見られます。ここでは、それぞれの役割と戦術について詳しく解説します。
バドミントンにおいて「ローテーション」とは、前衛(ネット近く)と後衛(後ろ側)の選手が入れ替わる動きのことです。攻撃時には縦に並び、守備時には横に並ぶのが基本ですが、櫻本・宮浦ペアはこの切り替えが非常に速いのが特徴です。
櫻本絢子の破壊力ある強打と勝負強さ
櫻本選手の最大の武器は、体全体を使って打ち込むパワフルなスマッシュです。左利き特有のシュート回転がかかったスマッシュは、相手のラケットを弾き飛ばすほどの威力があります。彼女が後衛に位置したとき、相手ペアは常に強烈なプレッシャーを感じることになります。また、スマッシュだけでなく、ドロップショットのキレも鋭く、緩急をつけた攻撃で翻弄します。
彼女は前衛でもその能力を発揮します。ネット際でのプッシュ(叩きつけるショット)は反応が非常に速く、相手の甘い返球を決して見逃しません。勝負どころで見せる集中力も高く、接戦になればなるほど彼女の放つ一撃がチームを勝利へと導きます。エースアタッカーとしての自覚と実力を兼ね備えた選手と言えます。
また、櫻本選手は非常にガッツあふれるプレーが持ち味で、コートを縦横無尽に駆け回ります。どんなに厳しい体勢からでも、シャトルを相手コートにねじ込む執念は、観ている人を熱くさせます。彼女の存在感そのものが、ペアの攻撃的な姿勢を象徴しているといっても過言ではありません。
宮浦玲奈の精密なゲームメイクと守備力
宮浦選手は、ペアのバランスを整える司令塔のような役割を担っています。彼女の魅力は、正確なラケットワークから繰り出される配球の良さです。相手の動きを冷静に分析し、空いているスペースにシャトルを運ぶ能力に長けています。彼女が作る絶妙な配球が、櫻本選手の強打を引き出す「お膳立て」となっています。
守備面においても、宮浦選手の貢献度は計り知れません。相手の強打を柔軟にいなし、カウンター(逆襲)につなげるレシーブ技術は世界トップレベルです。広いコートをカバーするフットワークも軽く、相手が「決まった」と思ったショットでも、驚異的な粘りで見事に返球します。この粘り強さが、ペア全体の安定感を生んでいます。
さらに、宮浦選手は前衛での「読み」が非常に鋭いです。相手が次にどこへ打ってくるかを察知し、先回りしてシャトルを捉えるプレーは芸術的です。派手なスマッシュだけでなく、こうした玄人好みのテクニカルなプレーが、サクメイの強さを支える重要な土台となっているのです。
変幻自在のローテーションと速攻プラン
二人のコンビネーションにおいて最も驚かされるのが、攻撃のスイッチが入った瞬間の加速です。どちらかがチャンスを作ると、もう一人が阿吽の呼吸で詰め寄り、連続して叩き込むスタイルを得意としています。この際、右利きのペアであれば「フォアとバック」の制限がありますが、彼女たちは両者が左利きのため、センター付近の球を処理する際にも攻撃の手が緩みません。
二人のローテーションは非常に円滑で、どちらが前でも後ろでも高いパフォーマンスを発揮できます。櫻本選手が前で仕掛け、宮浦選手が後ろから正確にコントロールする形もあれば、その逆も当然あります。この「どちらがどこにいても強い」という状況は、対戦相手からすると非常に守りにくいものです。
また、サービスまわりの「3球目攻撃」などのショートラリーにも長けています。試合序盤から積極的にプレッシャーをかけ、相手に主導権を渡さない戦略を徹底しています。こうした速攻型のプレースタイルが、世界中の強豪ペアを苦しめる要因となっています。一瞬の隙を突いて畳みかける彼女たちの攻撃は、まさにバドミントンの醍醐味を感じさせてくれます。
櫻本絢子と宮浦玲奈の経歴と再結成までの歩み

櫻本・宮浦ペアがこれほどまでに強い絆で結ばれているのには、彼女たちが歩んできた歴史に理由があります。二人はジュニア時代からその才能を嘱望されてきましたが、常に順風満帆だったわけではありません。共に実業団チームのヨネックスに入社し、ペアとして活動を開始したときから、彼女たちの物語は大きく動き出しました。
一度は日本代表から外れたり、ペアを解消して別のパートナーと組んだりした経験。それら全てのプロセスが、現在の彼女たちを形成する大切なパーツとなっています。ここでは、サクメイコンビがどのようにして生まれ、一度離れ、そして再結成に至ったのか、そのドラマチックな軌跡を振り返ってみましょう。
ヨネックスでの出会いと初期の躍進
櫻本選手と宮浦選手は、同じ1995年生まれの同学年です。櫻本選手は九州の名門・九州国際大学付属高校、宮浦選手は東京の強豪・日本橋女学館高校(現在の開智日本橋学園)で活躍していました。高校卒業後、二人は名門ヨネックスバドミントンチームに入社します。ここで同期として出会ったことが、全ての始まりでした。
入社当初からペアを組んだ二人は、すぐにその頭角を現します。2018年には、ワールドツアーでなんと5連勝(大会5連続優勝)を飾るという驚異的な記録を打ち立てました。当時、日本の女子ダブルスは世界最強と言われていましたが、その中でも「サクメイ」の名前は一気に全国区、そして世界へと知れ渡ることになりました。
この時期の彼女たちは、若さゆえの勢いと圧倒的な攻撃力を武器に、格上の選手たちを次々と破っていきました。サウスポー同士という珍しさも手伝い、「日本女子複の次世代を担う新星」として大きな期待を寄せられていたのです。
ペア解消とそれぞれが経験した苦難の道
しかし、勝負の世界は甘くありません。2019年以降、怪我や調子の波もあり、思うような結果が出ない時期が続きました。層の厚い日本女子ダブルスの中で、日本代表の枠を維持し続けることは並大抵のことではありません。苦悩の末、二人は一度ペアを解消し、別の道を歩むことを選択します。
櫻本選手は別のパートナーと組み、新たなスタイルを模索しました。一方、宮浦選手も別の選手とのペアで国内大会に挑むなど、それぞれが自らの課題と向き合う日々を過ごしました。この期間、二人は「自分に足りないものは何か」「ダブルスで勝つためには何が必要か」を個別に追求することになります。
別の相手と組むことで、改めて自分たちのプレースタイルの特徴や、かつてのパートナーであった相手の良さに気づかされたと言います。この「離れていた時間」こそが、二人の選手としての幅を広げ、客観的に自分たちを見つめ直す貴重な充電期間となりました。決して無駄な時間ではなかったことが、後の結果で証明されることになります。
再結成で果たした世界へのカムバック
2022年、ファンや関係者が待ち望んでいた知らせが届きます。櫻本選手と宮浦選手のペア再結成です。再び同じコートに立った二人は、かつての勢いに加え、離れていた期間に得た経験値を融合させました。再結成直後から、彼女たちは国内外の大会で再び好成績を収め始めます。
特筆すべきは、以前よりもプレーに「深み」が出たことです。ただ勢いで押すだけでなく、相手の弱点を突く冷静な判断力や、試合の流れを読む力が格段に向上していました。全日本総合バドミントン選手権などの大きな大会でも上位に食い込み、再び日本代表(A代表)への返り咲きを果たしました。
再結成した彼女たちの表情からは、再び二人で戦える喜びが溢れています。一度は諦めかけたかもしれない夢に向かって、もう一度手を組んで走り出した「サクメイ」の姿は、多くのバドミントン愛好家に勇気を与えました。不屈の精神で這い上がってきた経歴こそが、今の彼女たちの強さの源泉なのです。
ダブルスにおける左利きペアの戦術的メリット

櫻本・宮浦ペアを象徴する「ダブルサウスポー」という構成は、戦術的に見ても非常に興味深いものです。通常の右利きペアと対峙する場合と比較して、相手選手は物理的にも心理的にも多くのストレスを強いられます。これは、バドミントンという競技がコンマ数秒の判断を競うスポーツであるため、わずかな違和感が大きなミスにつながるからです。
彼女たちは、この「左利きであること」を単なる特徴にとどめず、明確な戦術として昇華させています。相手が嫌がるコース、相手が戸惑うタイミングを熟知しており、それを組織的に実行する力があります。ここでは、ダブルサウスポーが持つ具体的なメリットと、彼女たちがどのようにそれを試合で活かしているのかを詳しく紐解いていきます。
「サウスポー」とは野球などで左投げの投手を指す言葉ですが、スポーツ全般で左利きを指す際に使われます。バドミントンでも左利きの選手は非常に貴重で、対策が難しい存在として重宝されます。
相手のバックハンドを狙うアングルショット
右利きの選手にとって、最も対応が難しいショットの一つが、左利きの選手から放たれるクロスへのスマッシュやドロップです。櫻本・宮浦ペアは、二人ともがこの「角度のあるショット」を自在に操ります。通常、右利き同士の対戦では想定されない角度からシャトルが飛んでくるため、相手はラケットを合わせるのが一歩遅れてしまいます。
特に、相手ペアのセンター(二人の間)を狙う際、左利きからのショットは右利きペアのバックハンド側に食い込むような軌道になります。バックハンドはフォアハンドに比べて強い球を返しにくいため、彼女たちはここを執拗に攻めることでチャンスを作り出します。これは、二人ともが左利きだからこそ、常に左右両側から嫌な角度で攻め続けられるという強みです。
また、ネット際でのプレーにおいても、左利き特有のタッチは相手を惑わせます。クロスカット(斜めに切るように打つ球)などは、右利きとは逆の回転がかかるため、相手がネット際でシャトルを触る瞬間に微妙なズレが生じます。この「わずかなズレ」を積み重ねることで、相手のミスを誘うのが彼女たちの得意パターンです。
レシーブ時における守備範囲の逆転現象
守備面においても、ダブルサウスポーは強力な武器になります。通常、右利きのペアを相手にする場合、攻撃側は相手の左肩付近(バックハンド側)を狙うのがセオリーです。しかし、櫻本・宮浦ペアに対してこれをやると、彼女たちにとってはフォアハンドで強打し返せる絶好球になってしまいます。相手は無意識に「左=バック」という習慣があるため、ついミスを犯してしまうのです。
二人が横並びで守っているとき、センターに飛んできた球に対して、二人ともがフォアハンドで待てるという状況も生まれます。これにより、相手は安易にセンターを突くことができなくなり、コースが限定されていきます。守備範囲が重なる部分でも、攻撃的なレシーブで返せる確率が高まるため、守りから攻めへの転換(カウンター)が非常にスムーズに行われます。
また、彼女たちはレシーブの際、シャトルを高く上げるだけでなく、相手の足元に低く沈めるリターンを多用します。これも左利きのアングルを活かすことで、相手が次に強打しにくい場所へと運びます。相手の攻撃を無力化し、自分たちのペースに引き込むための緻密な計算が、その守備には隠されています。
サイドアウトを誘発するシャトルの回転と軌道
バドミントンのシャトルは、羽の重なり方によって一定の回転がかかっています。左利きの選手が打つショットは、右利きの選手が打つものとは逆の回転がかかるように感じられ、これが軌道に微妙な変化を与えます。櫻本・宮浦ペアのショットは、空中での「伸び」や「沈み」が独特で、相手はアウトだと思って見逃した球がインになったり、逆にインだと思って手を出した球がサイドアウトになったりすることがあります。
特にサイドラインぎりぎりを狙うショットにおいて、この回転の違いは大きな効果を発揮します。彼女たちがストレートに打ち抜くスマッシュは、相手から逃げていくような軌道を描くことが多く、ラケットの芯で捉えることを困難にします。こうした「物理的な軌道の違い」を味方につけている点は、ダブルサウスポーならではの特権です。
試合が進むにつれて相手も慣れてくるものですが、彼女たちは試合の中でショットの質やコースを細かく変化させます。相手がようやく慣れ始めた頃に別の球種を混ぜることで、常に「打ちにくい」という感覚を植え付け続けます。これが、スタミナだけでなく精神的な消耗も相手に強いる、彼女たちの隠れた強みなのです。
日本女子ダブルス界における櫻本・宮浦ペアの立ち位置

日本のバドミントン女子ダブルスは、世界で最も層が厚いカテゴリーの一つとして知られています。オリンピック金メダリストや世界選手権王者がひしめき合う中で、櫻本・宮浦ペアはどのようなポジションにいるのでしょうか。彼女たちは、実力派のベテランでありながら、常に進化を続けるチャレンジャーとしての側面も持っています。
国内には志田・松山ペア(シダマツ)や福島・廣田ペア(フクヒロ)、永原・松本ペア(ナガマツ)といった超強力なライバルが存在します。こうした中で、サクメイコンビは「第4のペア」として、あるいはそれ以上の存在感を放つ「ジョーカー」のような役割を果たしてきました。ここでは、日本代表チーム内での立ち位置や、ライバルとの関係性について触れていきます。
日本女子ダブルスの主なライバルペア
- 志田千陽・松山奈未(シダマツ):スピードとコンビネーションが武器。
- 福島由紀・廣田彩花(フクヒロ):圧倒的なレシーブ力とスタミナ。
- 永原和可那・松本麻佑(ナガマツ):長身を活かした高い打点からの攻撃。
- 櫻本絢子・宮浦玲奈(サクメイ):左利きペアならではの変化と爆発力。
強豪ひしめく日本代表での激しい代表争い
日本バドミントン界において、女子ダブルスの代表枠を勝ち取ることは、世界大会で優勝することと同じくらい、あるいはそれ以上に難しいと言われています。櫻本・宮浦ペアも、この熾烈な争いの中に身を置いています。彼女たちは一度A代表から外れた経験があるからこそ、その重みを誰よりも理解しており、一試合一試合にかける執念には凄まじいものがあります。
彼女たちの存在は、日本代表全体のレベルを底上げしています。左利きペアという独特のスタイルを持つ彼女たちと練習することで、他のペアは「左利き対策」を日常的に行うことができます。また、彼女たち自身もトップペアを相手に練習することで、より高い精度の技術を磨いています。このように、切磋琢磨し合える環境の中で、独自の地位を確立してきました。
国際大会の派遣枠を巡るポイント争いでは、常に上位のペアと肉薄する戦いを見せています。誰が勝ってもおかしくない状況の中で、サクメイが勝利を収めることは珍しくありません。日本代表の層の厚さを象徴するペアとして、国内外から常にマークされる存在となっています。
他のトップペアにはない「サクメイ」だけの個性
他の日本勢トップペアと比較した際、櫻本・宮浦ペアの最大の個性は、やはり「予測不能な爆発力」です。シダマツペアのような超高速ラリーや、フクヒロペアのような鉄壁の守備とはまた異なる、サウスポー由来の鋭いアングル攻撃が彼女たちの持ち味です。一度波に乗ると、どんな格上のペアであっても手が付けられないほどの勢いを見せます。
また、戦術の柔軟性も際立っています。相手の特徴に合わせて、櫻本選手が後ろで打ちまくるスタイルから、宮浦選手が前で攪乱するスタイルまで、状況に応じて自分たちの色を自在に変えることができます。この「掴みどころのなさ」こそが、対戦相手にとっての脅威となります。
さらに、彼女たちは非常に明るく、見ていて元気になるようなプレーをします。ミスをしてもお互いを励まし合い、笑顔を絶やさずにプレーする姿は、ファンの心を掴んで離しません。技術だけでなく、こうしたキャラクター性も、日本女子ダブルス界における彼女たちの重要な「個性」として定着しています。
次世代への指針としての役割とベテランの味
現在の櫻本・宮浦ペアは、年齢的にも経験的にもチームを引っ張る立場にあります。若手選手たちにとっては、一度どん底を経験しながらも再結成して再び世界で戦う彼女たちの姿は、大きな道標となっています。苦労を知っているからこその重みのある言葉や態度は、後輩たちに良い影響を与えています。
また、ベテランと呼ばれる域に入ってもなお、新しい技術を取り入れようとする向上心も彼女たちの魅力です。かつての勢い任せのプレーから、頭を使った効率的なプレーへとシフトしており、その進化は止まることを知りません。長年のキャリアで培った「試合勘」や「勝負のあや」を読み取る力は、若手にはない大きな武器です。
彼女たちは、単に自分の勝利だけを追い求めるのではなく、日本バドミントン界全体が強くなることを願ってプレーしています。そうした広い視野を持ったベテランペアとしての存在が、日本の女子ダブルスのレベルを世界一に保ち続けている要因の一つと言えるでしょう。これからも彼女たちの背中を見て、多くの選手が育っていくはずです。
櫻本・宮浦ペア(サクメイ)の特徴と強みまとめ
櫻本・宮浦ペアの特徴と強みについて、多角的な視点から詳しく解説してきました。最後に、彼女たちの魅力を簡潔に振り返ってみましょう。サクメイの強さは、単なる技術力の高さだけでなく、以下の要素が複雑に、そして美しく組み合わさることで生まれています。
櫻本・宮浦ペアの強み:4つのポイント
- 希少なダブルサウスポー:左利き同士という構成が、相手に予測不能な軌道とストレスを与えます。
- 攻撃的なコンビネーション:櫻本のパワーと宮浦のテクニックが融合し、高速ローテーションで相手を圧倒します。
- 深い信頼関係と再結成の絆:一度ペアを離れたからこそ得られた、お互いへの尊敬と揺るぎない連帯感があります。
- 百戦錬磨の経験値:数多くの国際大会を戦い抜いてきたキャリアが、苦しい場面での粘り強さを支えています。
彼女たちは、これからも日本女子ダブルス界の重要な一翼を担い、世界を舞台に戦い続けてくれるでしょう。左利きならではのトリッキーなプレーと、熱いハートでシャトルを追う姿は、観る者に感動を与え、バドミントンの楽しさを教えてくれます。次に彼女たちの試合を観る際は、ぜひそのサウスポー特有のアングルや、二人の絶妙な連携に注目してみてください。
再結成からさらなる高みを目指す「サクメイ」の物語は、まだ終わっていません。これからの活躍からも目が離せません。この記事を通じて、櫻本・宮浦ペアの魅力がより多くの人に伝わり、彼女たちへの応援の輪が広がることを願っています。



