線審の見極め方と速いシャトルを追うコツを掴んで正確なジャッジをする方法

線審の見極め方と速いシャトルを追うコツを掴んで正確なジャッジをする方法
線審の見極め方と速いシャトルを追うコツを掴んで正確なジャッジをする方法
ルールと初心者向け情報

バドミントンの試合において、線審の役割は非常に重要です。特に時速300キロを超えることもあるスマッシュや、ライン際ギリギリに落ちるシャトルの判定は、勝敗を左右する大きなポイントになります。しかし、慣れていないと「速すぎて見えない」「どこを見ていればいいのか分からない」と悩むことも多いのではないでしょうか。

この記事では、バドミントン競技における線審の見極め方や速いシャトルを追うコツを詳しく解説します。審判としての基本的な姿勢から、視線の動かし方、際どい判定を下すための技術まで、初心者の方にも分かりやすくまとめました。自信を持ってジャッジができるよう、実践的なテクニックを身につけていきましょう。

  1. 線審の見極め方と速いシャトルを追うコツの基本:正しい姿勢と準備
    1. 判定の精度を高めるための着席姿勢
    2. 担当ラインへの集中力と視界の確保
    3. シャトルの速さに慣れるための視覚的準備
  2. 速いシャトルを追うコツ:動体視力を活かしたトラッキング技術
    1. インパクトの瞬間から落下を予測する
    2. 周辺視野を活用した状況把握
    3. 着地の瞬間まで目を離さない「瞬き」のコントロール
  3. ライン際の見極め方:インとアウトの判定基準をマスターする
    1. シャトルの「コルク」を基準にする原則
    2. ラインの「外側」の境界線を意識する
    3. 「アンシーン(見えなかった)」の正しい使い方
  4. 正確なジャッジを支える視線移動のテクニック
    1. 「点」と「線」を使い分ける視線の切り替え
    2. 残像に惑わされないための視覚リセット
    3. ダブルス特有の「重なり」を克服する視点
  5. 線審のジャッジ力を高める実戦的な練習方法
    1. 練習試合で積極的に線審を買って出る
    2. 動画を活用したシミュレーショントレーニング
    3. 動体視力を鍛える日常の工夫
  6. ミスを恐れず自信を持ってジャッジするためのメンタル術
    1. 判定は「即断即決」が基本
    2. 選手や観客の声に惑わされない
    3. 失敗を引きずらず、次の球に集中する
  7. 線審の見極め方や速いシャトルを追うコツをマスターして信頼される審判へ

線審の見極め方と速いシャトルを追うコツの基本:正しい姿勢と準備

正確なジャッジを行うためには、まず自分自身の姿勢と準備を整えることが欠かせません。シャトルが速ければ速いほど、体が安定していないと視界がぶれてしまい、正確な判断が難しくなるからです。まずは、線審として座る際の大原則から確認していきましょう。

判定の精度を高めるための着席姿勢

線審として椅子に座る際、背筋をピンと伸ばし、足は肩幅程度に開いてしっかりと地面につけるのが基本です。猫背になったり、足を組んだりしてしまうと、視界が狭まるだけでなく、咄嗟の動きに対応できなくなります。特に速いシャトルを追う際は、頭を動かさずに目線だけで追う必要があるため、土台となる体が安定していることが不可欠です。

また、両手は膝の上に置くか、椅子の脇を軽く握るようにして、上半身が前後左右に揺れないように固定します。バドミントンは非常にスピード感のあるスポーツですので、ほんの一瞬の目線のブレがミスジャッジに繋がります。自分が担当するラインに対して、視線が常に水平かつ一定の高さを保てるような姿勢を維持することを意識してください。

さらに、座る位置の微調整も重要です。審判台や椅子の配置は決まっていますが、その範囲内で最もラインが見えやすい角度を探しましょう。自分の担当するラインが真っ直ぐに見える位置に体を向け、シャトルの落下地点を「点」ではなく「線」の延長上で捉えられる準備を整えておくことが、見極め方の第一歩となります。

担当ラインへの集中力と視界の確保

線審は自分の担当するラインに全責任を持つ必要があります。試合が始まると、どうしてもラリー全体を追いかけてしまいがちですが、線審の役割はあくまで「ラインを通過したか、触れたか」を判断することです。シャトルが空中にあるうちは全体をぼんやりと視野に入れ、シャトルが自分の担当ラインに近づいてきた瞬間にピントを合わせる感覚を持ちましょう。

特に複数のラインを担当する場合(例えばバック境界線とサイドラインの両方など)、視線の切り替えが重要になります。シャトルの軌道から「どちらのラインに落ちそうか」を瞬時に予測し、落下が予想されるラインに視線を固定します。このとき、周囲の観客や他のコートの動きに惑わされないよう、自分の担当エリアに強い意識を向けることが、速いシャトルを追うコツに繋がります。

また、視界を遮るものがないか確認することも大切です。ダブルスの試合では選手がラインの前に立つこともありますが、その場合でも隙間からラインが見えるように少しだけ頭の位置を調整します。ただし、判定の瞬間に頭を大きく動かすのは厳禁です。あらかじめ「ここからなら見える」というポイントを確保し、不動の姿勢でシャトルを待ち構えるようにしてください。

シャトルの速さに慣れるための視覚的準備

試合前のウォーミングアップの時間(基礎打ち)は、選手だけでなく線審にとっても貴重な準備時間です。選手がスマッシュやドライブを打っている際、そのスピードに目を慣らしておくことが重要です。トップ選手のスマッシュは初速が非常に速いため、いきなり本番で対応しようとしても目が追いつかないことが多々あります。

ウォーミングアップ中に、シャトルがコートのどこに落ち、どのような角度でラインに刺さるのかをシミュレーションしておきましょう。シャトルの飛来する音を聞き、その音と視覚情報をリンクさせることで、反応速度を高めることができます。音がしてから目で追うのではなく、ラケットがシャトルに当たる瞬間の「インパクトの音」をトリガーにして、落下地点へ視線を先回りさせる意識を持つと良いでしょう。

視覚的な情報の処理能力を高めるためには、目のトレーニングも有効です。遠くのネット際から手前のラインまで、視線を素早く往復させる動作を繰り返すことで、焦点の切り替えがスムーズになります。バドミントンのスピード感に対応できるよう、試合開始の合図がかかる前に、自分なりのルーティンで目の準備運動を済ませておきましょう。

【線審の基本姿勢チェックポイント】

・背筋を伸ばし、両足をしっかり地面につける

・頭を動かさず、視線だけでシャトルを追う

・ウォーミングアップ中にシャトルのスピードに目を慣らす

速いシャトルを追うコツ:動体視力を活かしたトラッキング技術

バドミントンのトップレベルのラリーでは、シャトルを目で追い続けるだけでは判定が間に合わないことがあります。そこで重要になるのが、シャトルの軌道を予測し、落下地点を待ち伏せするような視線の動かし方です。ここでは、速いシャトルを正確に捉えるための具体的なテクニックを紹介します。

インパクトの瞬間から落下を予測する

速いシャトルを追うコツの中で最も重要なのは、相手がシャトルを打った瞬間に「どこら辺に落ちるか」を瞬時に予測することです。選手のフォームやラケットの角度、そして打球音から、シャトルのスピードと方向を読み取ります。シャトルがネットを越えるのを待ってから視線を動かしていては、スマッシュの判定には間に合いません。

インパクトの瞬間、シャトルの軌道の「入り口」を確認したら、視線を一度落下が予想される「出口(ライン際)」へ飛ばします。これを「待ち伏せ」と呼びます。シャトルが空中で動いている間は、その軌道を周辺視野(中心以外の広い視界)で捉え、着地の瞬間に中心視野(ピントが合う狭い視界)でラインを監視するイメージです。

この技術を習得すると、シャトルを線で追うのではなく、点で捉えることができるようになります。特に速いドライブやスマッシュの場合、シャトルが消えたように感じることもありますが、落下地点を事前に予測して待ち構えていれば、ラインを越えたかどうかを冷静に判別できるようになります。

周辺視野を活用した状況把握

線審はラインだけを見ていれば良いわけではありません。選手の足の動きや、シャトルの全体的な流れを把握するために「周辺視野」を活用することが求められます。周辺視野とは、一点を凝視している時にその周りに見えている広い範囲のことです。これを上手く使うことで、速いシャトルの予兆を察知しやすくなります。

例えば、選手が大きく仰け反ってスマッシュを打とうとしている場合、そのシャトルは深いラインに飛んでくる可能性が高くなります。このような視覚情報を周辺視野で取り入れつつ、意識のメインは自分の担当ラインに置いておきます。シャトルがラインに近づくまではリラックスして広い視野を持ち、重要な局面で一気に集中力を高める強弱が大切です。

周辺視野を鍛えるには、普段の練習から「コート全体を見ながら、特定のラインの動きに反応する」という練習を取り入れるのが効果的です。これにより、速いラリーの中でもパニックにならず、自分の仕事であるライン判定に専念できるようになります。視界を「点」で固めすぎず、「面」で捉える意識を持つことが、正確なジャッジへの近道です。

着地の瞬間まで目を離さない「瞬き」のコントロール

非常に初歩的なことのように思えますが、ジャッジの瞬間に瞬きをしてしまうことはミスジャッジの大きな原因になります。特に緊張している場面や、ラリーが長く続いて目が疲れてきた時は、無意識に瞬きが増えてしまいがちです。重要な局面、特にシャトルがライン際に飛んできたときは、意識的に「目をカッと見開く」感覚を持ちましょう。

また、シャトルが床に設置した瞬間に判定を下す必要がありますが、この「瞬間の捉え方」にもコツがあります。シャトルが床に触れてから跳ね返るまでの一連の動作をスローモーションのようにイメージするのです。速いシャトルは床に当たった瞬間に変形したり、そのまま滑ったりすることがありますが、その初動を逃さないことが重要です。

目の乾燥を防ぐために、シャトルがデッド(プレーが止まっている状態)になっている間に意識的に瞬きをして目を休めておきましょう。サーブが打たれる直前からは瞬きを我慢し、一球入魂の構えを作ります。速いシャトルを追うコツは、こうした小さな視覚管理の積み重ねによって成り立っているのです。

速いシャトルを追うときは、「打球音」を聞いた瞬間に視線を落下地点へ飛ばす「先回り」の意識が不可欠です。

ライン際の見極め方:インとアウトの判定基準をマスターする

バドミントンのルールにおいて、シャトルがラインに少しでも触れていれば「イン」となります。しかし、速いシャトルがライン上に落ちたとき、どのように見極めればよいのでしょうか。ここでは、判定に迷いやすいケースとその判断基準について深掘りしていきます。

シャトルの「コルク」を基準にする原則

バドミントンの判定で最も重要なルールは、「シャトルのコルク(基部)がラインに触れたかどうか」で判断するということです。シャトルの羽根の部分がラインに触れていても、コルクがラインの外側であれば「アウト」になります。速いシャトルを追う際は、羽根のふわっとした動きに惑わされず、重みのあるコルクの着地点を注視してください。

スマッシュなどの速い打球の場合、コルクが床に当たった瞬間に少し潰れたり、滑ったりすることがあります。このとき、最初に床に触れた「接地点」がラインの内側か外側かを見極める必要があります。ラインの白い塗装と床の色の境目をしっかりと見つめ、コルクの底がその境界線を踏んでいるかどうかを判断します。

判定に迷った際、多くの人が「羽根の動き」を見て判断してしまいますが、これは間違いの元です。特に風がある体育館や、シャトルが回転しながら落ちてくる場合は、羽根の軌道は不安定になります。常に「コルクの先端」に意識を集中させ、そこが床にコンタクトした一点のみを確認することが、正確な見極め方の王道です。

ラインの「外側」の境界線を意識する

バドミントンのライン(幅4cm)自体はコートの中に含まれます。つまり、ラインの外側の縁(エッジ)よりも少しでも外にコルクが落ちればアウトであり、ラインの上に1ミリでも乗っていればインとなります。線審としては、ラインの外側の「キワ」を常に監視している必要があります。

特によくある難しい判定は、シャトルのコルクがラインの外側の縁ギリギリに落ちた場合です。このとき、自分の視点がラインの真上にあるか、あるいはラインの外側から見ているかによって見え方が変わります。理想的なのは、自分の担当ラインを真っ直ぐ、あるいは少し角度を持ってラインの外側から見ることです。これにより、ラインとシャトルの間の「隙間」が見えやすくなります。

もしラインとシャトルの間にわずかでも隙間が見えたら、それは確実に「アウト」です。逆に、隙間が見えずにシャトルがラインを遮るように重なった場合は「イン」となります。この「隙間があるかないか」という基準を持つことで、速いシャトルに対しても迷いなくジャッジを下せるようになります。

「アンシーン(見えなかった)」の正しい使い方

どれだけ集中していても、選手の影に隠れたり、あまりの速さに視線が追いつかなかったりして、着地点が見えないことがあります。このような場合に、勘でジャッジを下すことは絶対に避けてください。確信が持てない場合は、「アンシーン(Unseen)」のシグナルを主審に送るのが正しい対応です。

アンシーンは、両手で目を覆うジェスチャーで行います。これは線審としての「敗北」ではなく、公平な試合運営のための「勇気ある判断」です。アンシーンが出された場合、主審が判定を下すか、主審も見えていなければ「レット(やり直し)」となります。曖昧な判定をして選手に不信感を与えるよりも、ルールに基づいた正しいシグナルを送る方が信頼されます。

ただし、アンシーンを多用しすぎるのは避けるべきです。事前の準備、正しい姿勢、そして速いシャトルを追うコツを実践していれば、大抵の打球は見極められるはずです。「見えなかったらアンシーンがあるから大丈夫」という甘えを持つのではなく、「絶対に全神経を集中させて捉える」という覚悟を持って椅子に座ることが大切です。

バドミントンのルールでは、線審が「アンシーン」を出した場合、最終決定権は主審に委ねられます。主審が確信を持って判定できる場合は主審の判定が優先され、主審も見えていなければ再ラリー(レット)となります。

正確なジャッジを支える視線移動のテクニック

シャトルを追いかけるとき、眼球の動かし方一つで情報の精度が変わります。ただ漠然と眺めるのではなく、バドミントン特有のスピードに対応するための「視線のマネジメント」を学びましょう。

「点」と「線」を使い分ける視線の切り替え

ラリー中、視線は常に変化し続ける必要があります。相手が打つ瞬間は、ラケットとシャトルのコンタクトを「点」で見ます。その後、シャトルがネットを越えて自分のラインに向かってくる間は、その軌道を「線」として大まかに把握します。そして、最も重要な落下直前には、再び視点を「点」に絞り込みます。

この「点→線→点」の切り替えをスムーズに行うことが、速いシャトルを追うコツです。ずっと「点」でシャトルを追おうとすると、眼筋(目の筋肉)が疲労し、肝心の着地の瞬間に焦点がぼやけてしまいます。ラリーの進行に合わせて適度に目のピントを緩め、勝負どころで一気に絞るという緩急をつけるようにしましょう。

具体的には、シャトルが自分の担当エリアから遠いときはリラックスして全体を眺め、シャトルがネットの高さ付近まで来たら担当ラインに視線を固定します。ラインの先で待ち構え、そこを通過するシャトルを「迎撃」するような視線の使い方が、高い精度を生み出します。

残像に惑わされないための視覚リセット

非常に速いスマッシュの場合、目がシャトルの「残像」を追ってしまうことがあります。残像を追いかけてしまうと、実際の着地点よりも奥にシャトルが落ちたように感じてしまい、アウトをインと間違える原因になります。これを防ぐためには、視線を固定する場所を「床のライン」に設定することが重要です。

シャトルを追うのではなく、あらかじめ「ラインの縁」を見ておき、そこにシャトルが飛び込んでくるのを待つのです。自分の目がカメラの三脚のように固定されていれば、動いているシャトルがラインに対してどこに位置しているのかが明確になります。自分が動いている(目を動かしている)状態で動く物を見るよりも、止まっている状態(目を固定している)で動く物を見る方が、圧倒的に正確です。

また、一本のラリーが終わるごとに、一度遠くを見たり、まばたきをしたりして、目の緊張をリセットしましょう。次のサーブが始まるまでの数秒間で「視覚のリセット」を行うことで、常にフレッシュな状態で速いシャトルを追うことができるようになります。疲れを溜めないことも、審判としての重要なスキルです。

ダブルス特有の「重なり」を克服する視点

ダブルスの試合は、線審にとって最も難易度が高い場面の一つです。4人の選手が激しく動き回るため、視界が遮られることが頻繁にあるからです。特にトップアンドバック(前後に分かれる陣形)の際、前衛の選手が自分の担当ラインの視界に入り込むことがよくあります。

このような場合、あらかじめ「選手が動くこと」を想定し、少しだけ体を左右に傾けて死角を最小限にします。また、選手の足元越しにラインを見るテクニックも有効です。シャトルが選手の体の後ろ側に隠れてしまったとしても、足元のラインが空いていれば、シャトルがそこを通過したか、あるいはラインの外に消えたかを判断する材料になります。

もし完全に選手とシャトルが重なってしまったら、前述の「アンシーン」の出番です。しかし、できる限り「見える角度」を瞬時に見つけ出す努力を怠らないでください。選手の動きを予測しながら、自分にとってのベストな視点を常に微調整し続けることが、ダブルスでの正確な見極め方に繋がります。

項目 コツ・ポイント
視線の切り替え 打球時は点、飛行時は線、着地時は点で捉える
残像対策 シャトルではなく、落下地点のラインを固定して見る
ダブルス対策 選手の足元や隙間を狙い、死角を最小限にする

線審のジャッジ力を高める実戦的な練習方法

線審の技術は、知識だけでなく経験によって磨かれます。普段の練習中から審判の意識を持つことで、いざという時に落ち着いて正確な判断ができるようになります。ここでは、日常生活や部活動で取り組めるトレーニングを紹介します。

練習試合で積極的に線審を買って出る

最も効果的な練習は、やはり実際のラリーを見ることです。練習試合や部活動のゲームの際、積極的に線審の椅子に座りましょう。その際、単に「入った・出た」を言うだけでなく、なぜインだと思ったのか、自分の視線はどこにあったのかを自己分析する習慣をつけます。

特に速いシャトルを打つ選手がいるコートで線審をすることは、絶好のトレーニング機会です。スマッシュの軌道、ドライブのスピード、ヘアピンの繊細なライン際など、様々なパターンを経験することで、見極め方の引き出しが増えていきます。判定が際どかった際は、後で選手に「今の、自分にはこう見えたんだけど実際どうだった?」と確認してみるのも良い勉強になります。

実際の試合と同様の緊張感を持って練習に臨むことで、本番のプレッシャーにも強くなります。審判も選手と同じように、経験値が積み重なることで「この角度のこのスピードなら、ここに落ちる」という感覚が鋭敏になっていくものです。

動画を活用したシミュレーショントレーニング

最近ではYouTubeなどでトッププレイヤーの試合動画を簡単に見ることができます。この動画を活用して、線審の視点でジャッジの練習をするのも非常に有効です。カメラの角度は線審と異なりますが、速いシャトルを目で追うトレーニングとしては十分活用できます。

動画を再生しながら、シャトルがライン際に飛んできた瞬間に「イン!」や「アウト!」と声に出したり、心の中で判定したりしてみましょう。スロー再生を使って、自分の判定が正しかったか確認できるのも動画ならではのメリットです。特に国際大会などのハイスピードなスマッシュを目に焼き付けておくことで、一般的な試合のシャトルがゆっくりに見えるようになる効果もあります。

また、自分が担当する可能性のあるライン(サイドラインやバックラインなど)を意識して、そのライン周辺だけを注視し続ける練習も効果的です。視界の中にある特定の情報だけを抽出し、正確に処理する「選択的注意」の能力を高めることができます。自宅でもできる簡単な方法ですので、ぜひ取り入れてみてください。

動体視力を鍛える日常の工夫

線審の見極め方を向上させるためには、日常のちょっとした時間でも動体視力を意識することが大切です。例えば、走行中の電車や車から見える標識をパッと読み取ったり、飛んでいる鳥の動きを頭を動かさずに目で追ったりするだけでもトレーニングになります。

また、お手玉やボールを使ったジャグリングなども、複数の動く対象を把握する能力を養うのに適しています。バドミントンはシャトル一つですが、周りの選手の動きやラインの配置を同時に把握する線審にとって、広い視野と動体視力は強力な武器になります。特別な器具を使わなくても、意識次第で目の能力は向上させることができます。

さらに、目のコンディショニングにも気を配りましょう。長時間のスマホ使用やPC作業は目のピント調節機能を低下させ、速いシャトルを追う妨げになります。試合前日は目を十分に休め、万全の状態でコートに立てるように管理することも、優れた線審への第一歩と言えるでしょう。

【ジャッジ力を高める3ステップ】

1. 練習試合で多くのラリーを経験し、判定の感覚を養う

2. トップ選手の動画を見て、速いシャトルのスピードに目を慣らす

3. 日常生活で動体視力を意識し、視覚の感度をキープする

ミスを恐れず自信を持ってジャッジするためのメンタル術

線審にとって、技術と同じくらい重要なのがメンタルです。ミスを恐れて自信のない態度をとると、選手や観客からの不信感を招き、さらなるプレッシャーに繋がってしまいます。ここでは、堂々とジャッジを下すための心の持ち方を解説します。

判定は「即断即決」が基本

線審の判定において、迷いを見せることは厳禁です。シャトルが床に着いた瞬間に、はっきりと大きな動作でハンドシグナルを出しましょう。たとえ心の中で「今のは際どかったな」と思っていても、出すシグナルは自信に満ちたものでなければなりません。キビキビとした動作は、その判定に説得力を与えます。

一瞬でも遅れてジャッジを出すと、選手は「今、迷ったな」と察知します。それが原因で抗議を受けたり、試合の流れが滞ったりすることもあります。判定のスピード感こそが、線審の信頼性を担保するのです。速いシャトルを追うコツを掴んでいれば、反射的に体が動くはずですので、自分の直感を信じてアクションを起こしましょう。

また、声を出して判定する場合(地方大会など)は、お腹の底からハッキリとした声を出すように心がけます。自分の判定に責任を持ち、毅然とした態度を貫くことが、円滑な試合運営には欠かせない要素です。審判は「第3の選手」として、試合という舞台を支える誇りを持ってください。

選手や観客の声に惑わされない

大きな試合になると、選手がアピールをしてきたり、観客席から野次が飛んできたりすることもあります。しかし、線審はそれらの外部情報に一切耳を貸してはいけません。あなたの目が見たものがすべてです。ラインの最も近くにいて、最も集中してその瞬間を見ていたのはあなた自身だという自負を持ってください。

選手の反応を見て判定を変えることは絶対に許されません。判定が下された後、選手が不服そうな顔をしても、あなたは次のプレーに集中するだけです。もし選手から直接何か言われたとしても、基本的には主審が対応します。線審は主審とアイコンタクトを取り、毅然として自分の席に留まりましょう。

他人の評価を気にしすぎると、目が曇ってしまいます。冷静さを保つためには、呼吸を整え、常に「自分の目に見えた事実」だけを忠実にアウトプットすることに専念してください。揺るぎないメンタルを持つことが、結果として最も正確な見極め方に繋がっていくのです。

失敗を引きずらず、次の球に集中する

人間である以上、100%完璧なジャッジを続けるのは難しいこともあります。もし後から「今の判定、間違っていたかもしれない」と気づいたとしても、それをいつまでも引きずってはいけません。後悔はさらなるミスを招く原因になり、集中力を削いでしまいます。

ミスをしたと思ったら、心の中で短く反省し、即座に次のサーブに意識を切り替えます。バドミントンは展開が早いため、過去のことに囚われている余裕はありません。「今のミスは、次の正確なジャッジで取り返す」という前向きな思考を持ちましょう。大切なのは、試合の最後まで高い集中力を維持し続けることです。

主審によって判定をオーバールール(覆される)されることもありますが、それも審判の仕組みの一つです。自分の判定が否定されたと感じるのではなく、より正確な判断をチームで行ったと考え、気持ちをリセットして次のラリーに備えてください。強靭なメンタルこそが、速いシャトルを追うコツを最大限に引き出す力となります。

信頼される線審は、判定の正確さだけでなく、その「堂々とした態度」によって試合の品格を支えています。

線審の見極め方や速いシャトルを追うコツをマスターして信頼される審判へ

まとめ
まとめ

ここまで、バドミントンの線審における見極め方や速いシャトルを追うコツを多角的にお伝えしてきました。線審は単なる補助的な役割ではなく、フェアで白熱した試合を実現するために欠かせない存在です。あなたの真剣な眼差しが、選手の努力を正当に評価することに繋がります。

正確なジャッジを行うためのポイントを振り返ると、まずは「正しい姿勢と事前の準備」を整えることが基本です。そして、動体視力を活かした「先回りの視線移動」を行い、シャトルのコルクとラインの縁を「点」で捉える技術を磨きましょう。そして、どのような場面でも「自信を持って毅然とした態度」で判定を下すことが重要です。

日々の練習や動画学習を通じて、少しずつ速いシャトルに目を慣らしていけば、必ず正確な見極めができるようになります。審判としてのスキルを高めることは、バドミントンという競技への理解を深めることにも繋がります。ぜひこの記事で紹介したテクニックを実践し、選手や関係者から信頼される素晴らしい線審を目指してください。

タイトルとURLをコピーしました