バドミントンを楽しんでいる最中に「パキッ」という嫌な音と共にラケットが折れてしまった経験はありませんか?愛用のラケットが折れると、ショックが大きいですよね。特に、上達を目指して練習に励んでいる方にとっては、練習が中断してしまうだけでなく、精神的なダメージも受けてしまいます。
この記事では、なぜバドミントンのラケットが折れるのか、その主な原因を詳しく解説します。さらに、折れてしまった時の正しい対処法や、大切なラケットを長持ちさせるための予防策、そして折れにくいラケットの選び方まで、幅広くご紹介します。ラケットが折れる原因を知ることは、あなたのバドミントン上達にも繋がります。この記事を読んで、ラケットとの付き合い方をマスターし、より一層バドミントンを楽しみましょう。
ラケットが折れる!考えられる主な原因

バドミントンのラケットは非常に軽量で精密に作られているため、些細なことが原因で折れてしまうことがあります。プレー中のアクシデントだけでなく、普段の扱い方や保管方法もラケットの寿命に大きく影響します。ここでは、ラケットが折れてしまう主な原因を5つのポイントに分けて、やさしく解説していきます。これらの原因を知ることで、未然に破損を防ぐためのヒントが見つかるはずです。
プレー中の接触(ラケット同士・床・支柱)
バドミントンのプレー中にラケットが折れる最も一般的な原因は、何らかの物体との接触です。特にダブルスの試合では、パートナーのラケットとぶつかってしまう「ラケットクラッシュ」が頻繁に起こります。高速でスイングしている最中にラケット同士が衝突すると、その衝撃は想像以上に大きく、フレームにひびが入ったり、最悪の場合は真っ二つに折れてしまったりします。
また、低いシャトルを拾おうとして床にラケットをぶつけてしまったり、ネット際のプレーで支柱に当ててしまったりすることも破損の大きな原因となります。 これらの衝撃は、その場では目に見える損傷がなくても、フレーム内部に微細なダメージを蓄積させ、後々のプレー中に突然折れる原因となることも少なくありません。 一見大丈夫そうに見えても、一度強い衝撃が加わったラケットは、本来の強度を失っている可能性があることを覚えておきましょう。
ガットの張力によるフレームへの負荷
バドミントンのラケットには、シャトルを弾き返すために「ガット」と呼ばれる糸が張られています。このガットは、プレーヤーの好みやレベルに応じて様々な強さ(テンション)で張られますが、特に高いテンションで張られたガットは、常にフレームを内側へと引っ張る強い力を加えています。 メーカーが推奨する適正テンションを超えてガットを張ると、フレームはその力に耐えきれず、変形したり、ひび割れや破損を引き起こしたりするリスクが高まります。
また、ガットが1本でも切れた状態で放置することも非常に危険です。 ガットが切れると、張力のバランスが崩れ、フレームの特定の部分に過度な負荷がかかり、歪みや破損の原因となります。 そのため、ガットが切れた際には、速やかにすべてのガットを切り、フレームへの負荷を取り除いてあげることが大切です。
経年劣化や金属疲労
どんなに大切に扱っていても、ラケットは消耗品であり、使用に伴って少しずつ劣化していきます。ラケットの主な素材であるカーボンは、度重なるショットの衝撃によって徐々に「金属疲労」のような状態に陥ります。金属疲労とは、繰り返し力が加わることで素材の強度が低下し、最終的には小さな力でも破壊に至る現象のことです。
バドミントンの場合、スマッシュなどの強いショットを打つたびに、フレームには目に見えない微細なダメージが蓄積されていきます。このダメージが積み重なることで、ある日突然、強い衝撃を与えたわけでもないのに、ショットの瞬間に「パキッ」と折れてしまうことがあります。特に、長年愛用しているラケットや、使用頻度が高いラケットは、経年劣化によるリスクが高まるため注意が必要です。
不適切な保管方法(高温多湿・車内放置)
ラケットの寿命はプレー中だけでなく、保管方法にも大きく左右されます。特に注意したいのが、高温と多湿です。ラケットのフレーム素材であるカーボンは熱に弱く、高温の環境下に置かれると変形や強度の低下を招く恐れがあります。
同様に、湿気の多い場所での保管も、グリップの劣化やフレーム内部への影響が懸念されます。 ラケットを保管する際は、直射日光が当たらず、風通しの良い、温度変化の少ない場所を選ぶことが重要です。また、ラケットバッグに重い荷物を詰め込みすぎて、ラケットに圧力がかかってしまうことも破損の原因となり得ます。 ラケットは専用のケースに入れ、他の荷物と分けて保管することを心がけましょう。
シャトルの打ち損じ(フレームショット)
シャトルをラケットのガットが張られている面(フェイス)ではなく、フレーム部分で打ってしまう「フレームショット」も、ラケットが折れる原因の一つです。 フレームはガット面に比べて強度が高くありません。そのため、高速で飛んでくるシャトルをフレームで捉えてしまうと、その一点に強い衝撃が集中し、ひび割れや破損につながることがあります。
特に、バドミントンを始めたばかりの方や、まだスイングが安定していない方はフレームショットが多くなりがちです。 上達を目指す過程でフレームショットを完全になくすことは難しいかもしれませんが、打点がずれている、シャトルを最後まで見ていない、スイングが安定していないといった原因を見直し、正確にシャトルを捉える練習を重ねることが、ラケットを守ることにも繋がります。
ラケットが折れてしまった時の正しい対処法

愛用のラケットが折れてしまったら、誰でもショックを受け、慌ててしまうものです。しかし、そんな時こそ冷静な対応が求められます。折れたラケットをどうすれば良いのか、保証は使えるのか、修理は可能なのか。ここでは、万が一ラケットが折れてしまった場合に取るべき正しいステップを解説します。適切な対処法を知っておくことで、被害を最小限に抑え、次のアクションへスムーズに移ることができます。
まずは落ち着いて状況を確認
プレー中にラケットが折れてしまったら、まずはプレーを中断し、安全を確保しましょう。折れたラケットの破片が飛び散っている可能性もあるため、自分や周りの人が怪我をしないように注意してください。次に、ラケットのどの部分が、どのように折れてしまったのかを冷静に確認します。ひびが入っているだけなのか、完全に折れてしまっているのか、破損箇所は1箇所なのか複数箇所なのか。
この状況確認は、後の保証や修理の相談をスムーズに進めるために非常に重要です。また、なぜ折れてしまったのか、原因を振り返ることも大切です。他のラケットとぶつかったのか、床にぶつけたのか、それとも普通にシャトルを打った瞬間に折れたのか。原因によって、メーカーの保証対象になるかどうかが変わってくる場合があります。
保証期間内か確認しよう(保証書の有無)
ラケットの状態を確認したら、次にメーカーの保証が適用されるかどうかをチェックしましょう。多くのメーカーでは、ラケットに対して購入日から一定期間の保証を設けています(例:3ヶ月間)。 まずは、ラケットを購入した際に受け取った保証書を探し、保証期間内であるかを確認してください。保証書には、購入日、販売店、製品情報などが記載されています。
保証の申請には、この保証書と購入時のレシート(領収書)が必要になる場合がほとんどです。 ただし、保証期間内であっても、すべての破損が保証の対象になるわけではありません。通常の使用(シャトルを打つなど)による破損は保証の対象となる可能性がありますが、ラケット同士の衝突や床・壁への打ち付け、不適切な保管などが原因の場合は対象外となることがほとんどです。
メーカーや販売店への相談方法
保証が適用される可能性がある場合は、まずはラケットを購入した販売店に相談するのが基本的な流れです。 相談する際は、以下のものを準備していくとスムーズです。
| 準備するもの | 目的・理由 |
|---|---|
| 破損したラケット | 破損状況を正確に判断してもらうため。 |
| 保証書 | 保証期間や製品情報を証明するため。 |
| 購入時のレシート | 購入日や購入店舗を証明するため。 |
販売店にラケットを持ち込み、破損した時の状況をできるだけ詳しく説明しましょう。その後、販売店を通じてメーカーにラケットが送られ、破損原因の調査が行われます。調査の結果、製造上の欠陥など、メーカー側の問題であると判断された場合に、無償での修理や交換といった保証対応が受けられます。 調査には時間がかかる場合もありますが、自己判断で処分してしまわずに、まずは専門家である販売店に相談することが重要です。
ラケットの修理は可能?メリットとデメリット
メーカーの保証が適用されない場合や、保証期間が過ぎてしまっている場合でも、「修理」という選択肢があります。 最近では、折れたラケットを修理してくれる専門の工房も存在します。
修理のメリット
- 費用を抑えられる: 新しいラケットを購入するよりも安価で済むことが多いです。
- 愛着のあるラケットを使い続けられる: 思い入れのあるラケットを手放さずに済みます。
修理のデメリット
- 性能が元通りにはならない: 修理によってラケットの重量やバランスが変化し、打球感が変わってしまう可能性があります。
- 強度の低下: 修理した箇所は、元の状態よりも強度が落ちるため、再破損のリスクがあります。
- 公式試合で使えない場合がある: 規定によっては、修理したラケットの使用が認められないケースも考えられます。
これらのメリット・デメリットを考慮すると、修理したラケットは、メインの試合用としてではなく、練習用やサブのラケットとして活用するのが現実的と言えるでしょう。 思い出のラケットを何とか手元に残したいという場合には、修理を検討してみる価値はあります。
大切なラケットを長持ちさせるための予防策

ラケットが折れる原因や、折れてしまった時の対処法を知ることも大切ですが、バドミントン上達を目指すなら、そもそも「ラケットを折らない」ための工夫を日頃から行うことが最も重要です。高価なラケットを少しでも長く、最高の状態で使い続けるためには、日々のちょっとした心がけが欠かせません。ここでは、大切なラケットの寿命を延ばし、破損のリスクを減らすための具体的な予防策をご紹介します。
正しいラケットの選び方
ラケットを長持ちさせるための第一歩は、自分のレベルやプレースタイルに合ったラケットを選ぶことから始まります。 例えば、まだ筋力が十分でない初心者の方が、上級者向けのシャフト(ラケットの棒の部分)が硬いラケットを使うと、無理な力でスイングしてしまい、フレームに負担をかけたり、フレームショットが多くなったりする原因になります。
逆に、パワーヒッターが軽量で柔らかすぎるラケットを使うと、物足りなさを感じて余計な力が入ってしまうかもしれません。ラケットには、重量、グリップサイズ、シャフトの硬さ、スイングバランス(ヘッドヘビー、イーブン、ヘッドライト)など、様々な要素があります。 これらの特性を理解し、自分の体力や技術レベル、目指すプレースタイルに合ったものを選ぶことが、無理のないスイングフォームを身につけ、結果的にラケットへの負担を減らすことに繋がります。
適切なガットのテンション管理
ガットのテンション(張りの強さ)は、打球感やコントロール性能に大きく影響しますが、同時にラケットフレームへの負荷にも直結します。 メーカーは各ラケットに推奨テンションを設定しており、この範囲を超えてガットを張ることはフレームの破損リスクを著しく高めます。 上級者になるほど高いテンションを好む傾向にありますが、自分のスイングスピードやパワーに見合わない高すぎるテンションは、フレームに常に過剰なストレスを与え続けることになります。
また、ガットは張った瞬間から少しずつ緩んでいく消耗品です。 たとえ切れていなくても、長期間同じガットを使い続けるとパフォーマンスが低下するだけでなく、テンションが不均一になりフレームに悪影響を及ぼす可能性もあります。一般的には、週に1回プレーするなら3〜4ヶ月に1回程度の張り替えが推奨されています。 自分のプレー頻度に合わせて定期的にガットを張り替え、常に適正なテンションを保つことが、ラケットを長持ちさせる秘訣です。
正しい保管方法を徹底する
プレー以外の時間、ラケットをどのように保管しているかも、その寿命に大きく関わってきます。前述の通り、ラケットの素材であるカーボンは熱に非常に弱いため、高温になる場所での保管は絶対に避けるべきです。 特に夏場の車内や直射日光の当たる場所に放置することは、フレームの変形や強度低下の直接的な原因となります。 また、湿気の多い場所もグリップの劣化などを早めるため適していません。 ラケットの保管に最適なのは、
です。使用後は、ラケットケースに入れ、立てかけて保管するのが理想的です。ラケットバッグに入れる際も、他の重い荷物の下敷きにならないよう注意し、フレームに不要な圧力がかからないように配慮しましょう。 こうした日々の丁寧な扱いが、ラケットのコンディションを良好に保ちます。
フレームショットを減らす練習をしよう
技術的な側面からラケットを守るために最も効果的なのが、フレームショットを減らすことです。フレームショットは、ラケットの耐久性を損なうだけでなく、当然ながらミスショットにも繋がります。フレームショットが多くなる原因はいくつか考えられます。
- シャトルを最後まで見ていない: 打つ瞬間、シャトルから目を離してしまうと、打点がずれてしまいます。
- スイングが安定していない: 毎回スイングの軌道が異なると、正確にシャトルを捉えることが難しくなります。
- 身体がぶれている: 打つ際に頭や身体が動いてしまうと、目線がぶれてしまい、ミスの原因となります。
これらの課題を克服するためには、地道な練習が不可欠です。例えば、素振りで毎回同じ軌道でラケットを振る練習をしたり、シャトルを手で投げてもらい、インパクトの瞬間までしっかり見る練習(手投げノック)をしたりすることが有効です。 正確にシャトルを捉える技術を向上させることは、プレーの質を高めるだけでなく、あなたの大切なラケットを衝撃から守ることにも直結するのです。
折れにくいラケット選びのポイント

ラケットの扱いや保管方法に気をつけることはもちろん重要ですが、これから新しいラケットの購入を考えているのであれば、「折れにくい(耐久性の高い)」という視点で選ぶのも一つの賢い方法です。メーカー各社は、パワーやコントロール性能だけでなく、ラケットの強度を高めるための様々な技術開発を行っています。ここでは、数あるラケットの中から、比較的破損しにくい、丈夫なラケットを見つけるためのポイントをいくつかご紹介します。
フレームの素材と構造に注目する
ラケットの耐久性は、そのフレームに使われている素材や、フレーム自体の構造(形状)に大きく影響されます。現代のラケットの主流はカーボン素材ですが、一言にカーボンと言っても、その種類は様々です。より弾性率が高く、強度の高いカーボン素材や、他の素材(例:チタン、タングステンなど)を組み合わせることで、強度と反発性を両立させているモデルもあります。
また、フレームの断面形状もポイントです。一般的に、空気抵抗を減らすための流線的な形状(エアロ形状)よりも、箱型の形状(ボックス形状)の方が、衝撃に対して強く、フレームが歪みにくいと言われています。パワーヒッター向けのモデルや、耐久性をコンセプトに掲げたモデルには、このボックス形状が採用されていることが多いです。カタログなどで素材やフレーム形状の情報をチェックしてみましょう。
メーカーの技術やコンセプトを理解する
各バドミントンメーカーは、独自の技術を用いてラケットの耐久性向上に努めています。例えば、フレーム内部に特殊な素材を内蔵して強度を高めたり、フレームの特定の部分の剛性を高める設計を施したりと、そのアプローチは様々です。メーカーのウェブサイトやカタログには、こうした独自の技術に関する説明が掲載されていることが多いです。
少し専門的な内容になるかもしれませんが、「高強度カーボン採用」「フレーム剛性アップ」といったキーワードに着目してみましょう。また、「中級者向け」「レジャー向け」として販売されているラケットの中には、価格を抑えるためにアルミなどの素材を使用しているものもあります。 カーボン製に比べて重く、性能面では劣りますが、素材の特性上、比較的丈夫で破損しにくいという側面もあります。
自分のプレースタイルに合ったラケットを選ぶ
どれだけ丈夫なラケットであっても、自分のプレースタイルに合っていなければ、結局は無理な使い方をしてしまい、破損に繋がる可能性があります。 例えば、ハードなスマッシュを多用するパワー型の選手が、操作性を重視した軽量なラケットを使うと、ラケットがパワーに耐えきれずに破損するリスクが高まります。逆に、テクニックを重視する選手が、重くて硬いパワーヒッター向けのラケットを使うと、扱いきれずにフレームショットが増えてしまうかもしれません。
自分のプレーが、力強いショットで攻めるタイプなのか、それとも巧みなコントロールで相手を揺さぶるタイプなのかを自己分析し、それに合ったコンセプトのラケットを選ぶことが、結果的にラケットを長持ちさせることに繋がります。 初心者の方は、まずコントロールしやすく、バランスの取れた「イーブンバランス」のモデルから試してみるのがおすすめです。
口コミやレビューを参考にする
カタログスペックだけでは分からない実際の使用感を知るために、インターネット上の口コミやレビューを参考にするのも有効な手段です。 同じラケットを使用している他のプレーヤーが、その耐久性についてどのように感じているかを確認してみましょう。「数年使っているが問題ない」「すぐにひびが入ってしまった」など、様々な意見が見つかるはずです。
もちろん、個人の使い方によって耐久性は大きく変わるため、口コミはあくまで参考情報の一つとして捉えるべきですが、多くの人が「丈夫だ」と感じているモデルは、一つの判断基準になります。また、スポーツ用品店の店員さんに相談してみるのも良いでしょう。多くのラケットを扱ってきた専門家として、耐久性の高いモデルや、自分のプレースタイルに合った丈夫なラケットを提案してくれるはずです。
まとめ:ラケットが折れる原因を知り、バドミントンライフを充実させよう

この記事では、バドミントンのラケットが折れる原因から、折れた時の対処法、そして大切なラケットを長持ちさせるための予防策まで、幅広く解説してきました。
ラケットが折れる主な原因は、プレー中の接触や不適切なガットの張力、経年劣化、そして保管方法の不備やフレームショットなど、多岐にわたります。 これらの原因を正しく理解することは、破損を未然に防ぐための第一歩です。
万が一折れてしまった場合は、慌てずに状況を確認し、保証書の有無をチェックして購入した販売店に相談することが重要です。 修理という選択肢もありますが、性能や強度が元通りにはならないことを理解した上で検討しましょう。
そして何より大切なのは、日頃からラケットを丁寧に扱うことです。自分のレベルに合ったラケットを選び、適切なガットテンションを保ち、高温多湿を避けて正しく保管することを心がけましょう。 また、フレームショットを減らすための技術練習は、バドミントンの上達とラケットの保護、両方に繋がります。
ラケットは単なる道具ではなく、あなたの上達を支える大切なパートナーです。ラケットとの付き合い方を学び、一日でも長く最高のコンディションでプレーできるよう、今回ご紹介した情報をぜひ役立ててください。


